まさに、森絵都マジック。なんでもない日常をちょこっと切り出して
読む人をハッとさせる。
11の短篇集。
お休み前にひとつづつ読むのにちょうどいい。
“太陽のうた”の一説(忘れないようにメモ)
神は時として善よりも悪を施しになる
人間が竹を裂くように人間の絆を裂き
人間が布を裁つように人間がの愛を断ち
人間が作物を刈るように人間の幸福を刈りとり
人間が井戸を掘るように憎しみの歴史を掘りおこす
だからってそれがなんだろう
明日にはまた東から太陽が昇り
この荒れ果てた大地を照らすよ
この罪深き世界をとこしえに照らすよ