カテゴリ:天童 荒太
読んだ人の死生観を変えてしまうほどの力があります。 事件や事故で死んだ人に限らず、死んだ人は時が経てば忘れ去られてしまうんだよな~。 とくに事件の場合被害者より加害者のほうが詳しく報道されるので、数ヵ月後に裁判の判決が下っても被害者の名前すら思い出せないこともしばしばあるし。 末期癌患者が自宅で最期を迎えることのたいへんさは、涙が出るほど伝わってきました。最期まで意識がはっきりしていて、声は出なくても音は聞こえる・・・自宅分娩で産まれた娘の赤ちゃんの産声を聞きながら息が落ちていく あと、自爆テロで死んだ人のリストがあるのには驚きました。 ニュースではイラクやバグダッドで何人死亡、としか伝えないけれど、現地の人は知りうる限りに名前や年齢、職業などをリストにしているそうです。 人を殺して死刑になった人も悼むのか?という質問には考えさせられました。 ほかにも、いろいろ内容の濃い一冊でした。 週刊誌記者・蒔野が北海道で出会った坂築静人(さかつき・しずと)は、新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪している男だった。人を信じることが出来ない蒔野は、静人の化けの皮を剥(は)ごうと、彼の身辺を調べ始める。やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの奈義倖世と出会い、2人は行動を共にする。その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い、静人の妹・美汐は別れた恋人の子供を身籠っていた??。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.14 16:03:11
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