重松さんの作品に慣れてしまったせいか、今回は涙腺を刺激されることなく、読み終えました。
先生と生徒のその後を描いたものです。
そういえば、中学、高校の頃は先生がとても大人にみえた。
だけど今考えると、生徒と10歳くらいしか歳の違わない二十代の先生がいっぱしに45人もの生徒の担任を任されていたわけで、自分がとっくにその歳を追い越しているのを実感しました。
短編集の最後の表題にもなっている、『気をつけ、礼。』
この話だけ主人公の生徒の名前がなく、三人称語りになっている・・・(注:私は評論家ではない)
作者自身の話かな~と思いました。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
僕は、あの頃の先生より歳をとった-それでも、先生はずっと、僕の先生だった。受験の役には立たなかったし、何かを教わったんだということにさえ、若いうちは気づかなかった。オトナになってからわかった...画家になる夢に破れた美術教師、ニール・ヤングを教えてくれた物理の先生、怖いけど本当は優しい保健室のおばちゃん。教師と教え子との、懐かしく、ちょっと寂しく、決して失われない物語。時が流れること、生きていくことの切なさを、やさしく包みこむ全六篇。