カテゴリ:読書(いろいろ)
賀川豊彦の自伝的小説と言われているし、せっかく復刻版が出たので、読んでみた。 前半は、お金持ちの坊っちゃん栄一が、資産家の父親から仕送りを受けて 東京の大学へ通っているくせに、父親に反抗し、勝手に大学を辞めて、実家に帰るが、 自分は稼ぎがないので、結局父親に金を貰わなければ生きてもいけない。 家出して日雇いの仕事をしていたときに、父が急死し、人生が変わる。 後半は、死んだ父の借金のかたに家屋敷をとられてしまい、自分も肺炎を起こし生死を彷徨う。そして、貧民窟(スラム)へ住み始める。そこからは話が速く進んでとても読みやすくなります。 明治40年代の神戸のスラムの様子が面白いほどよくわかる。今よりひどい格差社会。 人を脅して金を奪う、淫売屋の見張り、金欲しさに赤子を貰うけど育てられないから死なしてしまい、葬式もできないので栄一に頼みにくる。栄一は自分の着物を売って金をわたしてやる。 「友愛」を、簡単に口にするどこかの坊っちゃんとは全然違います。 ノーベル平和賞と文学賞の候補になったこともあるとか 【内容情報】(「BOOK」データベースより) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.10.19 22:21:20
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