異次元の世界に迷い込んでしまったような感覚なのに、とても心地よい読後感
表紙やベージの途中の彫刻の写真も不思議な形で三崎ワールドに合っていると思います
架空のルポタージュなんだけど、いかにも本当に文献を調査し、現地に取材に行って経験したように、巻末には「参考文献」として日本の地方に本当にありそうな「綱越町誌」や「災害防災白書」などが羅列されていて、本当らしくて面白いあまり深い意味を考えずに読みましょう
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
集落に伝わる伝統産業「玉磨き」の唯一の担い手である高橋家。通勤用観覧車の企画設計から設置運行までを請け負う只見通観株式会社。「古川姓」の人間の優秀さに牽引されているとされた、古川世代ブーム。不安や不調を呼び起こす「ガミ」を捕える「ガミ追い」の現場。ひたすら一人で部品だけを作り続け、完成形を見ることのない分業体制。水底に沈んだ町で、たった一人、商店街組合を守り続ける男。いつか失われ、忘れられる存在の「わたし」たち。それでも、それぞれの、ささやかな人生の日々は続く。失われるために記録される6つの仕事、6つの人生。