図書館でお仕事しているおかげで見つけた本です。
2011年3月11日にたまたま電車の中で被災した作者が避難所で出会った人たちに親切にしてもらいその後もボランティアなどで被災地を訪れお世話になった人たちに再会し、報道されなかった真実を目の当たりにする。
表紙の写真は作者が乗っていたひしゃげた電車と津波の後の駅の跨線橋。それを見ると「よくご無事でしたね」と声をかけたくなる。
真実を知らされなかったせいで無用の被爆をしてしまった福島の人たち。避難所の締め切られた部屋の中は「原発20キロ圏内から避難してきた人たちだけを特別に接待する部屋」だったという事実。県外に避難した人たちが受けた「放射能をまき散らすなという差別」、かといって、福島のボランティア先でもらった野菜をもって帰ろうかどうか悩んでしまう作者。
福島県民に限らず、日本人はみな原発事故と見えない放射能に対峙していかねばならない、知らん顔はできないし、逃げることもできない、と実感した本でした。
【送料無料】暗い夜、星を数えて [ 彩瀬まる ]
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
常磐線の車内で被災した25歳の女性作家。そこへ襲った津波、そして原発事故ー。情報も食べ物も帰るすべもないまま、死を覚悟して被災地をさまよった5日間。「あの日」からの福島を描くノンフィクション。