戦争に負けて1週間足らずで進駐軍相手の慰安所をつくり、戦後処理の国家的緊急施設の一端として日本人女性を募集した。従軍慰安婦たちはまだ大陸や南方から戻ってきていないので素人の若い女性に高給を払い慰安所にしたのだ
父は事故で亡くなり、兄は戦死、妹は空襲で逃げる途中で行方不明、母と二人になった14歳の鈴子の目で語られる慰安婦たちと、英語力を生かしてそこで働く母の姿・・・
日本という国の究極の“おもてなし”は慰安所だった
敗戦により内閣は総辞職し、次の総理大臣も決まらない非常時に進駐軍のための慰安所を作ろうなんて、誰が言い出したのか
お国の仕事としか教えられずにそこで身を挺して働く女性たち
戦後の日本を創ったのは女性だったのです
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【内容情報】(出版社より)
昭和二十年八月十五日、男たちは戦争に敗れた。今度は女たちの戦が始まる! 敗戦国日本は、男を戦地に駆り出す代わりに、女たちを進駐軍に〈防波堤〉として差し出したーー。十四歳の鈴子は、RAA(特殊慰安施設協会)の誕生に立ち会う運命となり、自分の母親を含む、さまざまな階層の女たちの変化と赤裸々な魂を見つめていく……。国家、女と男、アメリカ、自由、そして現在までを問う現代史秘譚刊行。