「
事実と真実は違う」
デジタルタトゥーとして、
10年経っても誘拐事件のネット記事が消えない。
更紗は被害者だから辛い思いをしてきて大変だったね、
と事件を知る人に言われ、
それは違うということを理解してもらえない。
「
明日、隕石が地球に衝突して世界がなくなってしまえばいい」
という更紗の言葉に、この次の作品である
「
滅びの前のシャングリラ」に繋がったのかな、と思った。
加害者の文と一緒にいると落ち着く、
というのは洗脳されているから加害者に愛情を持ってしまう、
とDV彼氏からも決めつけられてしまう。
事実は他人が勝手に判断するが、
真実は当事者でないと解らない。
「52ヘルツのクジラたち」のように
他人には理解できなくても周波数の合う人はいる。
ただ一緒にいたいだけ。二人に幸せあれ。
流浪の月 (創元文芸文庫) [ 凪良 ゆう ]