初めての作家さん。
明治から昭和にかけて日本の女子教育に貢献した
“
河井道”の話。
恵泉女学園を創設した人で
津田梅子、大山捨松、広岡朝子、村岡花子、柳原白蓮とも交流があった。
アメリカへ留学した道は自立した女性を育成しようと、
おおらかな性格から色々な人脈を頼って奔走する。
クリスチャンになった道は天皇も尊敬している。
父は伊勢神宮の神職だったが、
女である道は鳥居の中に入れてもらえなかった。
神道とキリスト教は両立するのだろうか。
有島武郎の小説を「愛は奪うものではなく与えるもの」と批判したり、
留学中の
野口英世に「男に生まれただけで恵まれている」と諭したり。
戦後は白洲次郎の運転で進駐軍の会議に出席して、
日本の女子教育の遅れを訴え、
男女共学を提案する。
戦時中、市川房江は女性の参政権を得るために
軍に協力していたので、戦後は公職追放されてしまい、
被選挙権が無く、戦後初の国政選挙に立候補できなかった。
日本も多くの先陣の努力によって、
女性の地位が向上してきたが、
いまだに
ジェンダーギャップ指数が
世界156か国中120位で韓国や中国、ASEAN諸国よりも低い。
欧米並みになるのはいつの事やら・・・
らんたん [ 柚木 麻子 ]