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テーマ:花粉症&アレルギー(484)
カテゴリ:新聞記事より
2006/06/25, 朝日新聞 朝刊
いつも掃除している風呂場なのに、タイルの目地に黒カビ。 大事にしまっておいた革製品にもカビ。 頭にくるが、しぶとい生命力には感心もする。 カビというのは「真菌」という生物の一部をさす俗称。 その辺にざっと5万種いる。 「カビは細菌よりかなり進化した微生物だ」と日本食品分析センターの宇田川俊一学術顧問はいう。 細胞の核が膜に包まれている真核生物で、体が菌糸や胞子などに分化する多細胞生物。 「細胞の構造が複雑な分、薬への抵抗性も強い」 わずかな栄養分でも生える。 音楽CDの表面を指で触れただけで、その脂でカビが生える。 胞子は空気中を舞っており、それをゼロにすることはまず不可能。 土の中にもいっぱいある。 カビはアレルギーや肺、皮膚などの病気の原因にもなり、とくに免疫力の落ちたお年寄りや病人には要注意。 「だから、お見舞いに鉢植えの花はよくない」と千葉大真菌医学研究センターの矢口貴志助教授はいう。 カビ対策にはカビの弱点をつくしかない。 まずは風。 空気の流れがあると胞子が定着できず、発芽できない。 だからカビ防止には、住宅は換気、革製品なら表に出して風にさらすのが鉄則と矢口さん。 カビは高温多湿が好き。 室内のカビ防止には除湿運転が効く。 フィルターの汚れと胞子をできるだけ掃除することも大事だが、フィルターを自動掃除するようにした富士通ゼネラルも、エアコン内部の結露防止に停止前の送風運転をすすめる。 最もカビが生えやすい浴室の手入れはどうしたらいいのか。 ジョンソン(本社、横浜市)でカビ取り剤の開発を担当する高野留美さんは、 (1)換気 (2)せっけんカスなどをよく流してカビの栄養源を断つ (3)菌糸は細かいすき間に深く入り込むので、カビ取り剤を壁に使うときはティッシュに含ませ5分ほど張り付けると効果的、という。 カビは一度生えたら、殺しても跡は消えない。 高松塚古墳のようになる前に対策を。(岩切勉) ○住まいのカビ防止 ◆浴室 ・湯上がりには扉、窓を開け、換気扇を回す ・石けんかすを残さないよう、水で流しておく ・湯船にふたをする ◆押し入れ、タンス、げた箱 ・すのこを敷く ・戸を開けっ放しにする ・ふだん使わない物ほど風通しのよいところに入れる ・履いた靴はすぐにしまわない ◆居室 ・部屋の扉はすべて開け、風通しをよくする ・調理中は換気扇を回す ・室内に洗濯物を干すときは、換気を十分にする ・ぬれた傘は玄関の外やベランダに置く ・布団だけでなく枕も干す ・家具(冷蔵庫、タンス、本棚など)は壁から10cm離す ・食べこぼしはすぐに掃除する ・土植えの観葉植物はなるべく室内に置かない お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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