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テーマ:暮らしを楽しむ(388153)
カテゴリ:新聞記事より
2006/07/09, 朝日新聞 朝刊
「暑いときは、シャワーで十分」と思っているあなた。 暑い夏こそ、ゆっくり湯船につかってみませんか? ぬるめの湯船につかることは、リラクゼーション効果のほか、冷房病やあせもといった症状を和らげるのにも役立つそうです。(相江智也) 兵庫県西宮市の主婦、長森裕美(ひろみ)さん(40)は、長男の大(まさる)君(5)をお風呂に入れた後、15分ほど湯船につかる。 湯の温度は冬場より低めの39度。 「クーラーの利いた部屋にいると、手や足の先が冷たくなって。 湯船でじっくりマッサージをすると、疲れが取れる気がするんです」 昨夏から湯船につかるようになった名古屋市の男性会社員(32)は「夜ぐっすり眠れるようになった」と話す。 シャワーだけで済ませていた頃より、生活のリズムを崩しにくくなったそうだ。 ◎ ◎ ◎ 風呂関連の企業などでつくる風呂文化研究所の調べでは、夏場に湯船につかる人の割合は、99年に約4割だったが、05年には5割前後に増えた。 中でも、20~30代の伸び率が高く、担当者は「リラクゼーション効果が見直されるようになったことや腰から下だけつかる『半身浴』ブームのおかげ」とみる。 こうした動きに、業界も機敏に反応。 花王は今春、入浴剤「エモリカ」の新シリーズ「クールアロマ」を発売。 ツムラも「きき湯」の「カルシウム炭酸泉」を出した。 いずれも、湯上がり後の爽快(そうかい)感が売りの夏向きの商品だ。 ◎ ◎ ◎ 「夏場に湯船につかるのは、健康面から考えても理にかなっている」と、東京薬科大薬学部の加藤哲太教授(環境衛生学)は説く。 クーラーに長時間あたっていることが原因で、肩こりや疲労感が起きる冷房病は最近、女性や高齢者ばかりでなく、生活が不規則になりがちな夏休み中の小学生や、冷房の利いた屋内と炎天下との行き来が多い男性らにも増えている。 こうした症状を予防するのに、ゆっくりと湯船につかって自律神経のバランスを整えるのが効果的だそうだ。 加藤教授は「熱すぎるとかえって疲れがたまるので、ぬるめがお勧め。 体を洗う時間も含めて30分ぐらいお風呂で過ごすのがいいでしょう」と話す。 ◎ ◎ ◎ もともと日本には、季節に合わせてお風呂を工夫する文化があった。 東京ガス都市生活研究所の研究員、山田浩一郎さんは言う。 「冬至の『ゆず湯』や5月の『菖蒲湯(しょうぶゆ)』は単なるおまじないではない。 身近な季節の植物の成分を吸収し、健康を維持するという目的がある」 同研究所が夏場に勧める天然の入浴剤は、桃の葉、薄荷(はっか)、菊。 桃の葉は布袋に入れて、15~20分ほど煮出し、煮汁ごとお湯に入れる。 薄荷と菊は布袋に入れて熱湯をかけ、15~20分ほど蒸らしてから湯船に入れるのが効果的だという。 ■夏におすすめのお風呂 ○7月 桃の葉 タンニンなど消炎、解毒効果がある成分が含まれており、あせもや虫さされ、日焼けなどに効果がある ○8月 薄荷 血行促進や保温効果に加えて、清涼感もあり、入浴後の汗の引きがよくなる ○9月 菊 リュウノウギクには老廃物の代謝を良くし、痛みを和らげる性質がある 〔早川美穂・東京ガス都市生活研究所長著「お風呂大好き!快適バスタイムのすすめ」(生活情報センター)より抜粋〕 <グラフィック・竹田明日香> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.07.18 08:42:57
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