カテゴリ:京の見どころ
. 天台宗 小倉山・二尊院 正式名は小倉山二尊教院華台寺(にそんきょういんけだいじ) 830年代嵯峨天皇の勅願により慈覚大師(じかくだいし)が開山したお寺で、のちに湛空上人(たんくうしょうにん)により再興され、ご本尊に釈迦如来と阿弥陀如来の二尊を並べ祀るところから二尊院の寺名となります 「総門」 1613年伏見城の「薬医門」を地元の豪商角倉了以(すみのくらりょうい・大堰川と高瀬川の開削工事を完成・既報)により移築されたもので、姿かたちはお寺のものでなくやはりお城の御門です 「紅葉の馬場」と呼ばれる総門より本堂まで200m続く参道です、桜ともみじが交互に植えられ春・秋には美しい彩りが見られますが、青もみじの生き生きとした緑の参道、また素晴らしい趣を感じさせてくれます (左)「唐門(勅使門)」 応仁の乱で焼失したものを足利義政時代三条西家により本堂と共に再建される (右)「本堂」 京都御所の紫宸殿(ししんでん)を模して造られ、外陣の床はうぐいす張りです、 手前の松は、長唄の名曲「軒端の松」 ・・・小倉山 軒端の松に慣れて久しき・と藤原定家(後述)の歌が添えられています、また左手は平成3年現天皇皇后両陛下行幸記念碑とその松です (左)本堂前です、内陣もまた内裏と同様式にて造られています、上に掛る二尊院の勅額は後奈良天皇の揮毫により本堂再建時に下賜されたものです(右下にUP) (右)二尊の如来像、鎌倉時代・春日仏師の作(重文)と謂われています、 右は釈迦如来で「発遣の釈迦(ほっけんのしゃか)」 人が誕生し人生の旅路への出発を送り出して下さる如来像、 左は阿弥陀如来で「来迎の弥陀(らいごうのみだ)」 その人が寿命を全うした時に極楽浄土よりお迎え下さる如来像です (二尊院さんの説明より) 「小倉山峰のもみじ葉心あらば 今ひとたびのみゆき待たなむ」 背後青もみじで埋まる小倉山です 百人一首の誕生地、小倉山を詠った貞信公(藤原忠平卿・平安初期公家・関白)26番の歌です (左)「法然上人廟」 中国唐の時代の善導大師により広まった釈迦の教えは、日本に伝わり法然上人に受け継がれ、その高弟湛空上人がここに二尊を祀り再興されたとされています 先の小倉山中腹に登り祀られています (右)小倉山荘「時雨亭跡(しぐれていあと)」 上人廟より山道を奥に入り、選者藤原定家(ふじわらのていか・平安末期公家・歌人)がここに籠り小倉百人一首を撰じたと謂われる遺跡です、今は石組みだけしか残っていません ただ時雨亭については、他に少し南の常寂光寺(3月に既報)にも、また北に在る厭離庵(えんりあん・拝観謝絶)にもその跡が見受けられ確かな程は不明です (左)「八社ノ宮」 室町時代に造営されたもので、伊勢神宮や熱田神宮など八つのお宮が祀られています 添え木などで補われていますが、古さを感じます (右)「黒門」 境内もう一つの門です、勅使門と比べると柱組だけの簡素な門ですがここ二尊院の佇まいに欠かせない風景です (左)御所と同じ朽葉色(くちばいろ)に五本線の壁(格式の高さを顕します)にそって、緑豊かな苔庭が設えられています (右)「西行法師庵跡・西行井戸」 総門入った処の草庵跡と二尊院手前の歌人として使っていた井戸跡です 平安末期、公家・朝廷にも親しかった北面武士佐藤義清(のりきよ)が若くして武士を捨て出家、西行と名をかえ歌人として各地を歩きましたが知人定家の誼でここ二尊院にも庵を構えていました 本堂側から見る唐門(勅使門)です、紅葉・青の時季を問わず前うしろのもみじとの風情が美しく映える門です うっすらと読める勅額「小倉山」は先の代、後柏原天皇より下賜されたものです 花の名アジサイには多くの説がありますが、藍色が集まったものを意味する、あづさい(集真藍)=あじさい・紫陽花との見方が多い様です 学名ハイドランジアは水の器と云う意味だそうで、やはり梅雨の時期に合う花です 境内鐘楼前 ここに静かに咲いていました 二尊院に咲く紫陽花 古くから伝えられている色はむらさき系の花、一部白の花見つけました 帰路また涼しい風が吹き抜ける嵯峨野・竹林の小道を歩きました 終りに小倉百人一首より 西行法師 86番 「嘆けとて月やはものを思わする かこち顔なるわが涙かな」 藤原定家 97番 「来ぬ人を待帆の浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身も焦がれつつ」 (TOPページに「花いろいろ」UPしています、今紫陽花1です ホームで見て下さい) ........................................................................ 京都市バス 「野宮神社前」下車 徒歩西北へ20分 二尊院関連HP URL---http://ukyoku.jugem.jp/?eid=57 (二尊院HPはありません) ------------------------------------------------------------------------ 被災地に届けよう!
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