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カテゴリ:読書でしあわせ
久々におもしろい本に出会いました。
漫画ですが。吾妻ひでお『失踪日記』です。 八重洲ブックセンターという大きな書店に行ってみたら、目についたので買ってみました。 お…お…お…おもしろい。おもしろすぎる。怖すぎる。 これ…。本人を主人公にした実話なんですね。 1989年に漫画の締め切りを放り投げた状態で失踪し、ホームレス同然の生活(ってか完全にホームレス)を送り…というとこから描写が始まるんですが、彼、一度は警察に保護されて帰ったものの、その次'92年にまたしても失踪。ホームレスに逆戻りするんです。 当時、恐ろしいほどの大量の連載を抱えており、それが引き金になったと思われますが、にしてもホームレス…。ゴミ漁りとかすごい上手だし…。 2度目の失踪時は、ひょんなことからガスの配管の仕事に就くことになり、面倒見のいいおっさんにアパートも与えてもらう…なんて展開になるんですね。妻のいる家には帰らず、漫画家ともまっっったく違う職業に就いてしまうわけです。配管工の仕事内容も克明に描かれてます(←これまたおもしろすぎ)。 で、これで終わるわけでなく。 2度の失踪後、フツーの生活に戻ったかと思ったら、今度はアル中で精神病院に入院します。それも詳細に描かれてます。 わたしが一番おもしろかったのは、ガスの配管の仕事に就いたとき、たまたま日本ガスの社内報に書いてあった「原稿募集」の記事を見て、ついつい漫画を描いて送ってしまうところ。 「ガス屋のガス公」という漫画を描き、社内報にその漫画が掲載されてしまうんです。しかも本人の顔写真入りで。「撤去ならまかせろ!」というサブキャッチつきで……。 ガスの配管工時代は、「東英夫」という偽名を使っていたようですが、その偽名で社内報に載ったらしいです(笑)。が、誰も吾妻ひでおとは気づかなかったとか…。 とりあえず、内容、濃すぎです。全部自分の体験談。ノンフィクションなのが驚愕です。 シリアスに描くとどこまでも落ちるような内容のようで、本人もリアリズムを極力排除し描いたと言ってます。 にしても、芸術肌の人は、中間というものは存在しない…というか、極端な方向に走るものかもしれない。 なにもかもいやだ!ってなったとき、ふと今の生活を捨ててやりたい!という衝動にかられる人はたくさんいると思いますが、本当に捨ててしまう人もいるんだということを痛感しました。本当に捨ててしまうとどうなるか、ものすごくよくわかります。 ってか、やっぱこれ相当おもしろい!太鼓判ドン!と押せます☆ ■「四つ葉のフクロウ」トップページへ。
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