医療費問題
私たち透析患者は、生きていくために透析を受け続けなくてはなりません。透析には大変高額な費用がかかりますが、『特定疾病療養受療証』 を透析施設に提示することで、月に1万円 (所得によっては2万円) の自己負担だけで透析を受けることができています。更に、地方自治体毎に若干違いはありますが、心身障害者、母子・父子家庭、妊婦、乳幼児、児童等に対する医療費の助成制度もあるので、重度身体障害者である透析患者は、自己負担分に対しても更に助成され、実質的にほとんど無料で高度な医療を受けられているのが現状です。本当にありがたいことだと感謝していますが、私が仕事で接している患者さん (透析患者ではありません) の中には、医療費助成制度の狭間で苦しんでいる患者さんも、少なからずいらっしゃるんですよ。先週も、ある治療 (結構高額) が必要な患者さんに、「そんなに払えない。どうしたら良いの」 と言われてしまいました。この患者さんは70歳未満なので、医療費は3割負担なのですが、心身障害者でも母子家庭でもないので、助成制度の対象にはなりません。高額療養費制度(今年の8月から、また少し変更になるようです) もありますが、一般的な所得の方だと上限額には達しないため、やはり助成は受けられません。高くても1回で終わるような治療であれば、「分割でも良いので、頑張って少しずつ支払ってください」 と言えるのですが、この方の治療は、数ヶ月毎に今後も一生続くもの、、、。命に関わる病気ではありませんが、『一生続く』 という意味では、透析と通じるところもあります。そういう方が 「医療費が高いから治療できない」 と悩まれるのを目の当たりにすると、私たち透析患者は (医療費問題に限定すれば) 如何に恵まれているのかと実感しますね。この恩恵は、昔から透析を受けて来られた先輩方のご尽力で得られたものですし、ひとりの透析患者としては、今後も続いて欲しいと願っています。一方で、ひとりの医療従事者としては、透析患者だけではなく他の病気で苦しんでいる患者さんに対しても、もっと助成をしていただけたら嬉しいなぁとも思うんですよね。『希望を生み出す強い経済』『夢をつむぐ子育て支援』『安心につながる社会保障』という『新・三本の矢』 の実現を目的とする 『一億総活躍社会』 を国が目指すなら、医療費制度や年金制度に関しても、患者間や世代間での対立を煽るだけではなく、制度を抜本的に考え直す必要性があるのではないかと感じているのですが、、、。今後とも、ヨロシクお願いいたします★ → にほんブログ村 皆さんの応援が励みになります★ →