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福禄太郎の書評と時事評論

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1月

2005年07月の記事

全29件 (29件中 1-29件目)

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黒エビスも良いですが、キリンの生黒もおいしいですよ。

黒エビスを愛飲していたのですが、ちょっと節約してキリンの発泡酒「生黒」を飲んでみたら、これがいい味出してます。目隠しテストしたら黒エビスとわからないかもしれません。

July 31, 2005

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ライバルに教えてはいけない本

この本は強烈だ。薔薇という漢字が簡単に覚えられてしまう。コロンブスの卵のようなノウハウで証券外務員の試験も楽勝だろう。サラリーマンの諸君、この本をライバルに教えたら大変だ！！君は窓際になってしまうだろう。

July 30, 2005

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ダン・ブラウン著「ダヴィンチ・コード」を読了しました。宗教史に関心のある人には特にお薦め。

　殺人をめぐる警察の追跡、暗号解読、そして原始キリスト教のなぞをめぐる宗教史学の３つの層で楽しめる小説だ。特に第３の宗教史の層が私は興味深かった。かつて死海文書に基づくバーバラ・スィーリング著「イエスのミステリー―死海文書で謎を解く」を大変興味深く読んだが、本書の主張はそれ以上に過激だ。宗教史に関心がある人にはお薦めである。　ストーリーの組み立てはやや無理があり、例えばフランス警察の能力をあまりにも見くびっている等非現実的な部分は多い。しかしストーリーラインも人物も程よく整理されており読みやすいので、仕事の合間に４日間で読み終えた。　登場人物の中ではイギリス貴族のリー・ティービングが一番魅力的だった。著者はこの人物を書くのを楽しんでいるように思った。映画化ではIan McKellenが演じることになってるが、どのように演じられるか大変楽しみだ。

July 28, 2005

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台風でガス湯沸かし器が動かない！！風呂に入れない！！

ガス湯沸かし器が点火しなくなった。電話で問い合わせたところ、台風による強風のために雨が空気の取り入れ口に入ったのが原因らしい。電話をした時間が遅いからか、今日は修理してもらえないようだ。お湯が沸かせないので風呂も沸かせず、水のシャワーで汗を流した。こういうのを年寄りの冷や水と言うのだろうかと思った。体が冷えたので、今熱いお茶をおいしく飲んでいるところ。ガス湯沸かし器のメーカーさん、もう一工夫してください。

July 26, 2005

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金庸「書剣恩仇録」とうとう４巻を読了しました。

　中国の小説家金庸の処女作で清朝の時代を背景とするフィクションです。全４巻というボリュームですが、どんどん読み進むことができました。最初読んだところで「水滸伝に似ている」と言ったところ、中国人の知人から「ぜーんぜん違う！ラブストーリーがあるでしょう。」と言われました。確かに読み進めていくとラブストーリーがいろいろあり、最後はカスリー（香妃）の純愛でクライマックスを迎えます。　三国志演義と同様にスケールの大きい戦争場面もあります。ウィグル族が清の軍隊４万人を殲滅するところもあります。紅花会という集団が洪水で困っている大衆を煽動して軍隊の糧食を奪う場面もあります。イスラム教徒のウィグル族と漢民族が手を携えて満州族に立ち向かうと言う構図も面白いと思いました。

July 25, 2005

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伊坂幸太郎「死神の精度」：フィクションならではの面白さ

対象となった人物を本当に死なせてよいのか7日間で調査するのがこの死神の役目だ。大抵は死んでも「可」と報告する。死神と言いながら、指令によって対象の人間を調査するのが仕事であり、組織の歯車という点ではサラリーマンのようである。しかも無責任でいいかげんだ。また音楽好きだ。それでも神様なので、人間様よりワンランク上という意識があるのだろう、切れやすい粗暴でわがままな若者とも冷静に付き合うことができる。また神様の特性として、当然ながら、なぐられても痛くない、階段を上っても疲れない、毒を食べても死なない。そこからユニークなトリック・落ち・ひねりが生まれる。西澤保彦が「生贄を抱く夜」の中で「テレポーションが可能」という前提によって新しいミステリーの可能性を表現しているように、伊坂幸太郎は「サラリーマン風の死神」が存在する前提により、新しいフィクションの楽しさを与えてくれる。本書は6話からなり、「死神の精度」「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「旅路を死神」「死神対老女」が収録されている。この、6話の中で、私は「死神と藤田」が良かった。「吹雪に死神」のトリックも良かった。文章は肩のこらないもので読みやすく、決してシニカルではない。なお、本書は私の住んでいる市の図書館ネットワークで予約件数が100件を超えている。

July 24, 2005

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平均寿命の伸長と審議会の定年

　厚生労働省が２２日発表した２００４年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性７８・６４歳、女性８５・５９歳で、男女とも５年連続で過去最高を更新した。女性は２０年連続で世界一、男性はアイスランド（７８・８歳）に次いで２位だった。　日本の審議会は７０歳が定年なので、審議会の委員は７０歳になると退任する。平均寿命を見るに、７０歳で元気な委員は多いだろうから、この委員たちはさぞかし割り切れない思いで退任するのだろう。こういう定年制について米国の「年齢による差別」の議論の影響を受けて、やがて日本でも議論されるかもしれない。その場合にはメンバーの若返りをはかるうまい仕組みを考え出さなくてはならないだろう。

July 23, 2005

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日本の官僚の米国研修について

朱建栄「中国　第三の革命」中公新書（2002年8月刊行）には北京の局長クラスの幹部500名が今後5年間、代わる代わるハーバード大学へ研修に行くことになっている、と書いてあります。中国の米国との人的つながりが強くなっていくのは間違いありません。日本は自前の安全保障が無いだけに、中国以上に米国人脈との交流を深めるべきでしょう。したがって日本の官僚の米国研修を促進すべきと思います。期間は半年でも良いと思います。官庁で重宝がられている人物はなかなか長期間本省から離せないからです。官僚の海外留学後の民間企業転出が批判されていますが、もしも研修後に民間に転出したら海外渡航費と研修費は払戻してもらえばよいだけです。

July 20, 2005

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平成不況の日本人のほうが好況のアメリカ人労働者より恵まれている?

春田素夫「アラバマに住んで」によれば、米国の民間生産労働者の週あたり実質稼得額は1972年1973年ごろのピークと比較すると1990年代初めに20％あまり低く、その後回復したとはいえ、21世紀初めまだ17％低いそうだ。この理由としては米国の市場原理主義、ITの利用、移民流入などさまざまな要因が考えられる。日本経済のパフォーマンスは1990年代から良好とはいえないが、日本人の大勢が30年前と同じ暮らしをするのに2割多く働かなくてはならないと言う厳しさがあるわけではない。わが身を振り返ってもリストラで給与は減っても、安売り店ができて物価も下がっているので暮らしはさほど悪くなっていない。飲む回数が減ったのは確かだが、日本のほうが恵まれているかもしれない。

July 19, 2005

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アメリカ映画も株主のための経営を皮肉る

「ミスタ・インクレディブル」というアニメ映画をDVDで見ました。その中で、引退したかつての英雄ミスタ・インクレディブルが保険会社に勤めて保険の支払請求に積極的に応じようとするのを、上司が「株主のために利益を上げなくてはいけないから保険金を極力支払わないよう」に説教するところがあります。正義感の強いミスタ・インクレディブルは結局、キレて上司をなぐって解雇されるのですが、株主を向いた企業経営を皮肉っているのには溜飲を下げる思いでした。

July 18, 2005

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Google Earth

Ｇｏｏｇｌｅ　Ｅａｒｔｈをインストールしました。まず地球儀が出てきて拡大すると衛星写真をベースに作った詳細な立体地図を見ることができます。地域によって細かいところと粗いところがありますが、東京などの大都会は大変詳細です。わたしの住んでいるところは郊外なのでよく見えませんが、実家は都内なので屋根がくっきりわかりました。羽田空港には飛行機が駐機しているのが見えました。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを通る車も見えました。政治の世界は進歩が遅いですが、技術の世界は進歩が著しいと思って感心しました。忙しいときの息抜き、酒が入って難しいことをしたくないときの暇つぶし、家族との会話ネタにお薦めです。

July 17, 2005

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クールビズの次はクール・シューズ

予想したより早く夏の軽装が定着してきたのは大変うれしいことです。私も顧客訪問以外はノーネクタイで勤務しています。私が次に提案したいのはクール・シューズです。日本の夏に革靴に靴下はなじまないと思います。水虫の元です。私はデスクに座っているときはスリッパにしています。すでに官庁ではサンダル履きで仕事をすることが許されているよう。夏用のメッシュの靴などがビジネスシューズとして認知されないものかと思っています。

July 17, 2005

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ウィルスセキュリティは軽快！

ウィルス対策ソフトを入れ替えました。ソースネクスト社の「ウィルスセキュリティ」です。今まではファイアウォールとウィルスチェックを別のソフトにしていたのですが、これ1本で大丈夫です。楽天ブログのＩＴベンチャー女性経営者に推薦してあったので前々から調べていたのですが、スパイウェア対策の必要性を感じて購入しました。使用した感じは、パソコンへの負荷が軽く、パソコンの立ち上がりが速くなりました。1980円と安いのでお勧めです。楽天にもありました：

July 16, 2005

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東京とニューヨークの治安比較

末綱隆警視庁副総監「東京の治安について」によれば東京都とニューヨークの犯罪件数は以下のようになっているそうです：【平成11年→12年→13年→14年→15年で示します】殺人東京　　　　　　157→151→137→125→154ニューヨーク　671→673→649→587→597強盗東京　　　　　　　91１→984→950→1034→1187ニューヨーク　　36,100→32,562→ 28,202→ 27,229→ 25,989強姦東京　　　　　　201→ 260→ 254→ 273→ 288ニューヨーク　1,702→ 1,630→ 1,530→ 1,689→ 1,609ニューヨークが漸減傾向なのに東京がやや増加傾向にあるのは気になるところです。しかし絶対水準ではまだまだ東京のほうが安全と言えます。よく「最近ニューヨークはすごく治安が良くなった」と言われますが、東京の足元には到底及ばないことがわかります。

July 16, 2005

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暑い日には熱い紅茶

フレデリック・フォーサイス「アヴェンジャー」は読み出したらやめられない政治・軍事小説ですが、その中でこんな一節がありました。南アメリカ北岸ではジャングルが放射する湿気を含んだ暑熱のために湿度は１００％。そのため太陽熱による熱気で４０度近い温度が一割り増しにも感じられるほど。・・・・甘味飲料やソーダ、コーラを飲む馬鹿な連中もいるが、そんなものを飲むと喉のの渇きや脱水症状がひどくなるだけで、クソの役にもたちはしない。実際にそういう経験をして懲りた者は、わざと熱々の紅茶を飲む。これは一見、狂気の沙汰に思えるが、2世紀前にやってきた英帝国の植民地支配者たちは、水分補給にはこれがベストだと身をもって知ったのである。確かに、暑いと胃も弱っているし、熱い紅茶が良いのかもしれません。そう思って今日の昼も熱い紅茶を飲みました。

July 15, 2005

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インドの暗算教育

斎藤孝「天才がどんどん生まれてくる組織」の中にインドでは2桁の掛け算を暗記させると出ていた。ネットで調べると19かける19までとか、29かける29まで（米Infosysのムルティ会長）とか、99かける99までとか、いろいろ説がある。どうも日本のように9かける９までという一律でなく、学校によって19かける19までとか、２９かける２９までとかあるそうだ。覚えることは頭の回転を良くするし、暗算が速くなることは間違いない。私もとりあえず19かける19から実行してみようと思った。

July 14, 2005

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石原慎太郎とフランス語

　本日11時の共同通信によると、石原慎太郎東京都知事がフランス語を侮辱する発言をした、としてフランス語学校校長マリック・ベルカンヌさん（４６）らフランス人と日本人計２１人が、謝罪広告の掲載と１人５０万円の慰謝料を求め１３日、東京地裁に提訴したそうです。訴状によると、石原都知事は昨年１０月１９日、都庁内で行われた首都大学東京（八王子市など）の設立を支援する組織の総会で「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする」などと発言したからだそうです。　ずいぶん前のことなのに、政治家はちょっとした発言が事件になりますね。森前首相も失言が多かったですね。森前首相の場合はサービス精神でついつい言ってしまうのでしょうが、石原さんは幼児性が残っているのでしょうね。ポアンカレなど優れた数学者をフランスが輩出していることを石原さんは知らないのでしょうか。　樋口恵子さんが都知事だったらこんなことは言わなかったでしょうにね。　石原発言については、フランスの新聞ルモンドにも6月7日に掲載されましたし、日本の恥ですね。もっとも、かなり前のことですが、フランスの女性の大臣から「日本人は黄色い蟻」と言われたことがありますから、おあいこですかね。

July 13, 2005

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大連の税関よ、共産主義陣営と民主主義陣営を色分けして何が悪い

北京8日共同によれば、中国大連市の日本人学校小中学部の副教材が差し押さえられた問題で、大連税関はこのほど、当初学校側に科していた１０００元（約１万３０００円）の罰金処分を撤回したそうだ。中央政府が日本側の対中感情のさらなる悪化を懸念し、撤回を指示した可能性が高いとのこと。これを受け、日本政府は抗議などを見送る見通しと報道されている。北京の日本大使館によると、大連税関は６月２９日、学校側に処分決定書を伝達したそうだ。押収した１２８点の副教材のうち、１１３点については問題がなかったとして引き渡したそうだ。地理の教材１５点については「地図の中で中国大陸と台湾に２種類の色が使ってあった」（中国外務省）ことなどを理由に日本に送り返した。共産主義陣営と民主主義陣営と色分けして何が悪いのだろうか。日本の外務省はどうして腰が引けているのだろうか。

July 12, 2005

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入札制度はベストか？

談合が良くないといわれているが、そもそも入札制度が優れた制度かという議論がある。私が購読している猪瀬直樹のメールマガジン6月23日号には東大の武田教授が「入札制度改革の可能性を探る」と題して寄稿している。一部を抜粋する：もちろん、入札制度を頭から否定するつもりはない。ただ、私たちが買い物をする場合でも、価格が安いことが重視される場合もあるし、品質が問題であったり、ブランドを重視する場合もある。こういう多様な選択基準が考えれる多様なケースについて、すべてを札に書かれた価格だけで決めるという仕組みは、かなり限界がある。

July 11, 2005

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温度設定28度はきつい！

地球温暖化防止は大いに結構だが、会社の温度設定28度はきつい。せいぜい26度だろうと思う。まじめに28度設定にしている会社もあるが、ネクタイはずして半袖ワイシャツにして上着なしでもきつい。今年はしょうがないとしても来年は目標を25度～26度にしないときついと思う。特に人前で講演しているときなど体温が上がってくるので暑い。ちなみに、「人民網日本語版」2005年6月28日によると北京は設定温度26度だそうだ：北京で26日、公共施設の空調設定温度を26度に上げるキャンペーン「26度空調省エネ活動 ――2005年わたしたちの約束」がスタートした。オフィス、ホテル、デパート、スーパー、学校など公共施設の空調設定温度を26度にし、エネルギーの消耗を抑え、夏の電力供給不足を緩和する狙いがある。あまり暑いと会社の電源やパソコンのUSBジャックを使って小型の扇風機を回す人も出てくるのでかえって資源を使うことになると思う。

July 10, 2005

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ロンドンのテロに思う

ロンドンでのテロ、犠牲になった方には本当にお悔やみ申し上げます。米国、スペイン、英国と来ると次は日本でしょうか？そういえば小説「悪魔の詩」の翻訳者で筑波大助教授の五十嵐一（ひとし）さん（当時４４歳）が９１年７月１２日、茨城県つくば市天王台の同大で他殺体で発見された事件は、間もなく時効（１５年）まで１年となりますね。これもテロですね。フレデリック・フォーサイス「アヴェンジャー」に登場する米国中央情報局CIAの高官ポール・デヴローの見解を思い出します：長年かけてテロリズム全般について、また特にアラブとムスリム世界が産み出した種々のタイブについて研究を重ねてきた。　そうしてようやく出した結論はこうであった。テロリズムとは、かつてフランスの黒人精神科医で社会思想家だったファノンが″地に呪われたる者″と称した人々の貧困や欠乏から発生したものだという、西側世界で従来唱えられてきた、ほとんど泣きごとに近い見方は、まことに便宜的で、″政治的に正しい″ ということは、きれいごとにすぎるーたわごとだということである。　帝政ロシアのアナーキストから１９１６年結成のIRA、ユダヤ人がイスラエルを建国する前に宗主国イギリスの駐屯軍に対してつくった武装抵抗組織イルグンやスターン・ギャングからキプロスのEOKA、ドイツのバーダーマインホフ・グループからベルギーのCCC、フランスのアクシオン・ディレクト、イタリアの赤い旅団、やはりドイツの赤軍派、日本の連合赤軍まで、また南米ペルーの光の道（センデロ・ルミノソ）から北アイルランド、アルスターの現代版IRAやスペインのETAに至るまで、テロリズムを産んだのは、楽な生活を送り、高等教育を受けた中産階級出身の理論家であり、彼らの心は傲慢きわまりない虚栄心と恣意的で手前勝手な欲望にむしばまれている。・・・・・　このデヴロー理論によると、大衆向けレストランに爆弾を仕掛けろと部下に命じて、その結果生じる悲惨な地獄絵を想像して満足げに微笑むことのできる連中には、共通点が一つある。限りなく憎悪を再生産できる悪魔的な能力をそなえているという点である。そういう遺伝子を所与のものとして持っているのだ。まず憎悪があって、ターゲットはあとにくる。この順序が変わることはほとんどない。動機もまた憎悪の能力の次にくる。

July 9, 2005

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絲山秋子の「逃亡くそたわけ」が直木賞候補に

私は、この小説はほんとうに良くできていると思った。１．幻聴について真に迫っている。２．博多弁と名古屋弁のかけあいがおもしろい。３．明るい。４．エンディングも良い。また、絲山秋子のほかの小説と同じく、車も音楽の趣味もしゃれている。だから直木賞候補になってほんとうにうれしい。もっとも、私の知人の中にはあまりおもしろいと思わなかった人もいるので、好みによって評価が分かれるようだ。

July 8, 2005

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心理学で国民年金の未納･未加入に切り込む(４)

以上のプロジェクトの結果、情報提供の内容として､年金の国民に対する通知としては、以下のような項目が含まれるのが望ましいとしている：１．年間の給付額の予測だけでなく､平均余命まで生存した場合の保険料と給付額の予測とその計算方法２．マクロ経済スライドの下での最低予測給付額３．保険料の免除や追納制度４．障害基礎年金や遺族基礎年金の存在５．国庫負担や物価スライド､終身年金などがもたらすメリットその一方で行動ファイナンスが示すように、人間の認知能力には限界があり,海外においても、通知の簡潔さが重視されているだけでなく、通知以外のコミュニケーション手段の活用も図られている｡以上を踏まえながら,序章｢国民年金1号保険者への通知のひな型｣ではできるだけ簡潔な形で､比較的若い人を念頭に置いた､通知のひな型を提示している｡

July 7, 2005

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心理学で国民年金の未納･未加入に切り込む(3)

第3章は中嶋･臼杵･北村｢国民年金1号被保険者の加入･納付行動と効果的な情報提供のあり方｣であるo未納･未加入の要因の仮説を立てた後に､国民年金の第1号被保険者219名(第4章の研究で実験をしてもらう)を対象とするアンケートで分析を行っている｡この国民年金の第1号被保険者をどうして集めたのかと思ったが、学生さんはともかく、専門業者がこういう特定のカテゴリーの人間を集めることができるのだ。仮説は､先行研究をサーペイした後に次のものを立てた:1.手元の流動性の不足2.老後の保障以外の準備の必要性3.逆選択　余命が短いと考える被保険者ほど加入･納付に消極的であり,余命が長いと考えている被保険者は加入･納付に積極的である｡第4章(｢保険料と受給額を知らせる通知のタイプ別の効果一実験による検証｣臼杵･中嶋･北村論文)では, 6つの通知のプロトタイプをつくり､どのような内容と文言の通知であれば,国民年金制度への加入･納付の意思が高まるかを､実験によって検証した｡第1号被保険者を6グループに分け,通知を提示する前後に,任意加入での加入･納付の意思を尋ねて､有意な変化があったかどうかを検証した｡　第5章(｢政府と加入者のコミュニケーションのあり方一老後設計に向けた個人情報の提供｣中嶋論文)では､通知を含めた,政府と公的年金加入者との情報提供･コミュニケーションのあり方全体への考察を試みている｡　これまでの内閣府や社会保険庁による調査をサーペイしてみると,公的年金の被保険者は､年金受給額、財政の現状や将来見通し､の情報を求めているが,一方で国庫負担の存在､実質価値維持、保険料免除制度､といったメリットが周知されていないことがわかった｡第6章(｢海外における被保険者への情報提供の状況｣臼杵論文)では､加入者向けの通知をすでに実施している､ドイツ・スウェーデン・アメリカに現地調査して､それぞれの国の情報提供を研究した｡第7章(｢公的年金の通知に関するファイナンス基礎実験｣北村･中嶋･臼杵論文)では、実験ファイナンスの手法を利用して､実験室内に年金制度等を抽象化した市場環境を構築し､加入者が投資判断を行う際,リスクのある金融商品の価格を適切に判断できるか､年金及び他の金融商品間の資産配分を適切に行えるか､に着目して､基礎的な実験を行った。

July 6, 2005

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心理学で国民年金の未納･未加入に切り込む(2)

第二論文は大和総研の俊野雅司｢年金に関する諸問題への行動ファイナンスの応用可能性｣である｡まず｢1.行動ファイナンスの基本概念｣で行動ファイナンスを復習･概観した後で､｢2.年金関連の意思決定上の歪みと行動ファイナンス上の理解｣で米国の研究を概観している｡(1)名目価値指向年金制度は基本的に退職後の生活保障を目的とする者であるから､名目(金額)ベースよりもインフレ率を差し引いた実質ベースで給付額の保障を考えるべきだが､人々は金額ベースにこだわる傾向があるといわれている｡例えばカーネマンたちの行った調査では, ｢インフレが起こらなかった場合に年金給付額を7%削減されること｣については6 2%の回答者が不満を示したが, ｢12%のインフレが発生したときに年金給付額が5%増額されること｣に対しては2 2%の回答者しか不満を示さなかったと報告されている｡後者について5%-12%=-7%であり､前者と同じであるのに,前者への不満が多かったのである｡ (2)現状維持バイアス4 0 1 (k)と呼ばれている確定拠出年金に関する経験が豊富な米国では､加入者の選択行動について実証研究が盛んである｡例えば米国の大学の教職員を対象にした年金制度がありTIAA-CREFと呼ばれる年金制度では､加入者は自分の好みに応じて債券ファンドと株式ファンドへの配分比率を決定できる。一般的には若いときほどリスクの高い株式ファンドを選択し,年齢が高くなると債券ファンドを選択する傾向が高くなることが合理的と考えられている｡ところが調査してみると加入者の50%以上が配分割合の変更を1回も行っていなかった｡このように現状維持するというバイアスがあるといわれている｡ (3) 1/nルール確定拠出年金の加入者は運用を選択する場合に,年金加入者は提示された運用商品への等配分投資を基準に考えるというルールである｡提供されたメニューが3つなら1/3ずつそれぞれのファンドに投資することになる｡カリフォルニア大学の職員を対象に実施したアンケート調査の中で4種類の債券ファンドと1種類の株式ファンドが提示された場合の株式投資比率は43%だったが, 4種類の株式ファンドと1種類の債券ファンドが提示された場合の株式投資比率は68 %であった｡(4)選択肢の数と意思決定の回避24種類のジャムと6種類のジャムを販売している店舗を実験的に設定して､歩行者の購入状況を調べたところ､店に立ち寄った歩行者の数は前者が多かったが､実際に購入した人の数は後者のほうが多かった｡選択肢が多すぎると迷って意思決定を断念するからであろう｡(5)極端な選択肢の回避人間は選択肢の中から中庸を選ぶ可能性が高いということである｡3.確定拠出年金に対する行動ファイナンスの応用例アメリカでは,確定拠出年金制度における意思決定上の歪みを検出するだけではなく､一歩進んで､意思決定プロセスの改善に結びつけようとする試みがある｡アメリカの確定拠出年金における個人拠出の拠出率改善の試み(SMarTプラン)が説明されている｡これは昇給のときに拠出率を上昇させることで名目手取り賃金の減少を避けるように配慮した拠出プランである。 TahlerとBenartziの2 0 0 4年の原論分では3つの実施例が照会されているが、ここでは第3のフイリップス社の事例以外が説明されている｡4.国民年金保険料の未納問題に対する応用可能性､5.まとめ行動ファイナンスの応用として、国民年金に関する通知の充実があげられている｡

July 5, 2005

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心理学で国民年金の未納･未加入に切り込む(1)

　昨年の公的年金の法改正で、個人への年金情報の開示が決まった。これをうけて｢個人レベルの公的年金の給付と負担等に関する情報を各人に提供する仕組みに関する研究｣が厚生労働省科学研究費補助金を取得した。この研究は国民年金の未納･未加入対策として各人に通知をする場合にどういう内容にすればよいのかを,行動ファイナンス･実験経済学等最新の技法を用いて研究したものである｡研究成果は7つの論文にまとめられているが、政策科学の大変さと面白さが良くわかる。以下､ごくさわりを紹介する｡　第一論文は横浜国立大学の米澤康弘教授の｢国民年金未加入の原因とその帰結｣である｡この論文では、未加入の主たる原因はその商品性の欠陥にあるのではなく,むしろ商品性の情報に関する広報の不十分､あるいは一部国民の近視眼的消費決定等による年金･貯蓄の軽視にあるとの認識の基で分析を行っている｡この近視眼的な部分は、経済学が想定するような合理的な行動を一部の国民がとっていないことによるものである｡経済主体が合理的でない行動をする点については行動ファイナンスが心理学を活用して分析の蓄積がある。年金加入による貯蓄を行わない理由の可能性として1.手元の資金が少なく保険料を払う余裕に乏しい2.将来のことは考えず、現在のことを中心に考える性向がある｡要するに明日は明日の風が吹くという考え方だ｡3.早死にしたら損だ､要するに予想寿命を短く考える場合｡4.情報不足｡をあげている｡

July 4, 2005

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広がるクールビズ

日本で夏の軽装（クールビズ）を採用する企業が続々と増えているのは大変好ましいと思う。背広にネクタイは東アジアの夏には合わない。私の勤めている会社もノーネクタイでよくなったので、顧客訪問以外はネクタイをはずしている。お隣の中国でもクールビズを採用し始めているようだ：「人民網日本語版」2005年7月1日によれば、北京市は先月28日、同市の共産党・政府の市級機関に対して、夏季の節水・節電のさらなる徹底に向けた通知を出したそうだ。同通知に基づき、各レベルの党・政府機関は率先して節水・節電を行い、エアコンの設定温度を26度以上にすることが義務づけられるとともに、公務員が内部会議に出席する際にスーツやネクタイを着用する必要がなくなる。これまで会議に出席する場合はスーツとネクタイで正装することが求められたが、暑い夏にはエアコンの負荷が増大することや、政府は小さな事から節電を始めるべきといったことから、今夏には、内部会議ではスーツ・ネクタイを着用しない「クールビズ」が初めて提唱されたそうだ。

July 3, 2005

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人の生き方は「勝ち」と「負け」の２つに分けられるほど単純なものではない

　いつのころからか「勝ち組」「負け組」という言葉がはやりだしている。狭義に、結婚した人しない人という意味に使われたり、広義に、競争の勝者・敗者という意味に使われたりしている。この言葉はお遊び感覚で使われることも多いが、金融機関のコマーシャルで「当社は勝ち組です」とあったり、語学学校のコマーシャルで「英語をマスターして勝ち組になろう」というのがあったりすると、仏教徒としては輪廻転生を待たずに人間界から阿修羅道にさまよっているような感じになる。　私と同じように「勝ち組」「負け組」という言葉に抵抗感を持った文章があったので紹介する。書籍の要約誌「トップポイント」7月号には渡辺幸一「イギリスではなぜ散歩が楽しいのか？」という本が紹介されているが、その4章は「勝ち組」志向と「金メダル病」として、「勝ち組」志向を以下のように批判的に取り上げているそうだ：・・・　日本人は「勝ち組」になるために、自分にも他人にも過大な圧力をかけているのではないか。「負け組」になることへの恐怖が、日本の社会を支配しているともいえるだろう。　だが、人の生き方は「勝ち」と「負け」の２つに分けられるほど、単純なものではない。・・・

July 2, 2005

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朱建栄「毛沢東のベトナム戦争」を読みました。

　この本を書いたのは中国人で、日本女性と結婚して日本の大学で教えている朱建栄さんです。589ページもある学術書です（出版社は東大出版会）が、おもしろくて一気に読めました。私が中学・高校・大学のころちょうどベトナム戦争がありました。今、公開された資料をもとに本書を通じてふりかえってみると当時わからなかった構図が見えてきて感慨深いものがあります。著者はこの本を書くのに10年かけました。当時の中国の参謀長に会ったり、ベトナムではファン・バン・ドン元首相、ボー・グエン・ザップ元国防相にも会っています。当時の人民日報と朝日新聞の記事を拾っています。　ベトナム戦争は、ピーク時米軍は50万人以上出動したのですが、ソ連も軍事要員を送り込み、中国からはのべ32万人の軍隊が極秘にベトナム領に出動してその防御にあたりました。これでは米軍がなかなか勝てなかったわけです。本書はベトナム・中国・ソ連のそれぞれの思惑の違い、中国の内政もふくめて詳細に1964年６月からの1年半を記述しています。　本書を読むと中国の外交の特徴がわかります。それは言葉は激しいがそれは「空砲」であり、実際は慎重・プラグマティックである点です。米国との正面対立を避けるためにベトナムへの参戦は極秘に行います。しかし中国領に入ってきた米軍機は撃墜しています。　また、中国はあまり外交がうまくないこともわかります。AA【アジアアフリカ会議】を開催しようとして失敗するのがその典型です。自己主張が強すぎて、相手の立場になって考える能力が不足していること、強いものには慎重だが、弱いものは見くびる点などで、どうしても相手国の不信感を買ってしまうのでしょう。　後にベトナムと中国は対立して戦争になりますが、本書でその萌芽がわかります。中国が人も物も金も出したのにベトナムが中国のことを良く思っていないのを「恩知らず」と言っていますが、日本が中国にODAを沢山出しても国連加盟を反対されたのと似ている点があって面白いと思いました。　それにしても中国はこのように外交は今一だが戦争は巧みと思いました。政治が軍事より明確に上位に位置づけられていること等、いろいろの要因があると思います。　中国外交に興味のある方にはお勧めです。結構図書館に置いてあると思います。

July 1, 2005

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