上杉隆「世襲議員のからくり」
世襲議員のからくり最近の民主党の学級崩壊的政治運営、これに有効な批判を打てない自民党のふがいなさ、日本の政治を馬鹿にする中国・韓国の報道を見るにつけ、どうして日本の政治家はおバカ世襲議員ばっかりになったのだろうと思います。彼らのお父さんはまだ自分たちの知識の不足を分かっていたので、官僚の専門性に敬意を払ってうまく活用していたのですが、おバカ世襲議員は自分たちのバカさ加減もわからないために、官僚たたきしか出来ないのでしょう。さて、本書は世襲議員が続出するという日本特有の事情を明らかにしたものです。目次は以下のとおりです。第1章 二世の投げ出しはなぜ続く第2章 民主党の二世たち第3章 からくりその1―政治資金管理団体の非課税相続第4章 からくりその2―後援会組織の世襲第5章 からくりその3―どんな無理もする「看板の世襲」第6章 世襲大国日本第7章 国民の意思が世襲を断ち切る第1章では自民党の安倍、福田、麻生を批評、第2章は小沢一郎、鳩山、田中真紀子を論じています。第3章が本書の売りです。その他、小選挙区は、地盤の固定化をもたらしたことを指摘しています。また、初代政治家が苦労して育てた地盤、これは国会議員からの口利きなどによるものだっのですが、最近は政治家への規制が厳しくなることによって新しい議員が地盤を作りにくくなり、古い地盤の政治家が生き残ることになっているという皮肉な事情を述べています。世襲政治家でも小泉純一郎元首相や、鳩山元首相のように他人の釜の飯を食った人(他の政治家の秘書をやった)は強いといっています。宇都宮徳馬は、世襲を許さなかったとのことです。また、マスコミにも政治家の二世が多いという、マスコミと政治の癒着も指摘しています。ちなみにテレビ局に子女を入れている政治家として以下が挙げられています:片山虎之助(NHK)、松岡利勝(NHK)、鈴木宗男(NHK)、久間章夫(NHK)、高村正彦(NHK)、石川要三(NHK)、柿沢弘治(NHK)、田野瀬良太郎(NHK)、上杉光弘(NHK)、中川昭一(フジテレビ)、中川秀直(テレビ東京)、小渕恵三(TBS)、小杉隆(TBS)、加藤紘一(TBS)。