マイケル・クライトンの「恐怖の存在」を読了
ハヤカワ文庫 NV 1146【1000円以上送料無料】恐怖の存在 上/マイクル・クライトン/酒井昭伸【RCP】英語版を購入したのが5年前で、それから辞書を引きつつ、中断しつつ、ようやく読み終えました。著者の二酸化炭素排出による地球温暖化論への懐疑を主調としつつ、波乱万丈の物語に仕上がっています。最後に銃撃戦もあります。イエローストーン公園の動物保護の失敗の話が面白かったです。小説としては異例ですが、巻末でクライトンの主張が展開され、付録として過去の政治と結びついた科学の例(優生学・ルイセンコ学説)と温暖化を論じ、文献も詳細に展開されています。現代はState of Fearであり、冷戦後に政治家が恐怖の状態を作り出すために環境問題をもちだしたという意図と理解しました。