プーチン最強講義
【送料無料】日本自立のためのプーチン最強講義 [ 北野幸伯 ]ロシアの大統領プーチンだったら、今の日本にどのような助言をするかという想定で、著者の北野幸伯が外交戦略に関する考え方を披露しますが、理路整然としていて面白かったです。今は、中国に対抗するために、戦勝国史観の修正を求めずに米国と仲良くしましょうということで、戦犯を合祀した靖国神社に参拝するのはどうかなという立場です。概要は以下のとおりです:第1講義 「孤立」と「自立」のどちらを選ぶか―領土問題と外交政策第2講義 食糧の自立はどうやって成し遂げるか―TPPと日本の食糧安保第3講義 「自立」のためのエネルギー政策とは―脱原発とエネルギー自給率一〇〇%は可能か第4講義 「経済成長」と「財政再建」をいかに両立させるか―アベノミクスの危険な落とし穴第5講義 「核兵器信仰」は日本にどんな危険をもたらすかエピローグ プーチン「最後のスピーチ」以下は抜き書きです:日英同盟がなくなった原因は日本にある:第一次大戦はイギリスの存亡を掛けた戦いだったのですが、同盟国の英国の要請をけって陸軍が出兵要請を断り海軍のみ対応したのです。これと反対がアメリカでイギリスに全面協力します。これは大きな日本の失敗でしょう。中国は領土問題を歴史問題にすりかえることで日本を孤立させようとしています。日本が北方領土・竹島の返還を主張し、尖閣を支配し続けるのは、日本が第二次大戦の罪をぜんぜん反省していないからだ、というロジックです。日本が核を持てという意見がありますが、それをすると中国のみならずアメリカも敵に回してしまうでしょう。そこで、第一に日米安保を片務から双務にすること、そのために「集団的自衛権を認めよう」とすることとしています。第二にニュークリアシェリング(核の共有)で、核兵器を持たないベルギー・イタリアー・ドイツ・オランダがアメリカと結んでいる条約です。有事の際にアメリカの核を使って反撃できるように日ごろから訓練しておくのです。(これは田母神さんの核武装論よりも現実的と思いました)日本が第二次世界大戦で負けたのは世界の中で孤立したからです。自立を目指す過程で孤立しないように、これからの日本は細心の注意を払って進まなければならないのです。戦勝国史観の修正を求めるよりも、次の戦いに勝つ方法を考えるべきというのです。