東洋経済のセミナーに参加してきました
東洋経済主催 現役記者が語る「あなたの隣の非正規の現実」 "格差と貧困”を考える第二弾というセミナーです。参加費3000円ですが、アトキンソンの「21世紀の不平等」3888円がもらえます。電車賃585円を引いてもおつりが来ますので経済的です。もともと政策科学に関心があり、いずれは読むつもりでしたので、セミナーに参加しました。セミナーは、午後6時半から東洋経済新報社ビル9階の大会議室で始まりました。まず、この本の編集者の矢作知子さんが、著者と本の内容を簡潔に紹介しました。プレゼンのスライドは簡潔でインパクトがあり、参考になりました。この人は、一児の母だそうですが、本当に頭がいい人だと思いました。次に、週刊東洋経済の編集長の高橋由里さんが格差と貧困関係の東洋経済の記事を振り返り記者の紹介をしました。次に野村明弘副編集長が日本型雇用から生じる非正規問題というタイトルで講演しました。欧米はJOB型であるのに対して、日本はメンバーシップ型という特徴的な人事制度であることが、非正規雇用の問題と関係していることを明快に解説されました。JOB型でない日本の雇用で、非正規と正規を同一賃金同一労働とすることは無理があるのですが、厚生年金保険の適用拡大は即効性があり有効であること、限定正社員の制度を設けることなどを提案されました。最後に中島順一郎記者が非正規雇用の実態について、統計を中心に解説しました。非正規雇用は増加していますが、55歳以上のセカンドキャリアの人が増えている点が特徴的ということでした。質疑応答に移り、活発な質疑がありました。私はアンケートに・請負との関係をどうするのか。・過労死は上司の責任が大きいということを書きました。日ごろ接したことのない、本の編集者・雑誌の編集長・記者の発言に触れることができて良かったです。ジャーナリストといえば、朝日新聞のでっち上げ記事を書くやくざ者という印象があり、また大学の先生には「ジャーナリストは無知蒙昧」という人がいますが、どうしてどうして、なかなか博覧強記で見識のある人もいるということがわかりました。参加者はリタイア組など年寄りが多かったのですが、若い人もいました。今後も、この種のセミナーには、できるだけ参加したいと思いました。帰りの電車の中でアトキンソンの本を読み始めましたが、本文だけで362頁あり、読み通せるか自信がありません。