トランプ大統領戦勝利の背景
トランプ大統領勝利の背景については、いろいろ報道されていますが、今週の週刊東洋経済では2つの考え方、すなわち移民秩序崩壊と分断社会が示されていて、どれももっともだと思いました。週刊東洋経済 2016年12月3日号【電子書籍】移民秩序というのは、神戸大学の三品教授の考えで米国には、北欧・南欧・東欧・中南米・アジアから順に移民が押し寄せてきて、後から来た人種が社会階層の底辺に組み込まれることにより先住民を下から押し上げてきたというものです。ところが、ベルリンの壁が崩れて以来、学歴と技能を保有する移民が米国に大挙して押し寄せてきて、いきなり社会階層の上位や中位に割り込んだので、先住民の白人にしてみれば「話が違う」というわけです。これが移民秩序の崩壊です。分断社会とは、「ミスターWHOの少数異見」のコラムにシメオンさんが書いていることですが、米国社会が高学歴と低学歴に分かれ、それぞれ身内だけで固まり、両社はライフスタイルも、親の教育水準も、住んでいる場所からして異なり、互いに交わることなく育つというものです。トランプはこの低学歴層から支持されたというのです。