久しぶりに、時間をたっぷり使って、本の抜き書き
國分功一郎著『中動態の世界』を読み終わりました。私にとっては珍しく、今日は時間をぜいたくに使って、付箋をつけた個所をパソコンに打ち込みました。この著者は依存症患者のケアをしている人とも親しく、フィールドワークする哲学者と言えますが、能動態と受動態の中間の「中動態」に関する考察です。時々具体例が出てくるので、どんどん読み進むことができました。例えばアルコール依存症とは、自分の意志で依存している能動的部分もあれば、アルコールに吸い寄せられる自分という受動の部分もあります。このような能動とも言い切れないし、受動一辺倒でもない事、すなわちアルコールとの関係性の中に沈み込んでいる状態を、中動態という言葉はよく表していると思いました。國分さんの本を読んでいると、何か心が落ち着きます。少しものの見方が変わった気がしました。第16回(2017年)小林秀雄賞を受賞したそうですが、納得です。中動態の世界 意志と責任の考古学