カテゴリ:本(いろいろ)
な~んだか気になって最近続けて読んでる池永氏の作品。
今回は沖縄が舞台の作品。 カメラマンの彼氏が遺書とカメラを残して突然いなくなってしまう。 彼女の燿子は彼を捜して、彼の故郷の沖縄北部の小さなペンションを訪れる。 なぜ彼はいなくなったのか、彼を知る人々は何を隠しているのか… 捜し続けるうちに出会う様々な人たちの気持ち、 見えてくる彼への思いなどなど。 ちょっと詳しく書こうとすると、すぐにネタバレになってしまうような展開の作品なので、あまりあらすじは書けないのですが。 基本的には恋愛小説になるんだと思うんですが 沖縄戦争のことと、アメラジアン(アメリカ兵とアジア女性の間に生まれたハーフの人のこと)のことも作品に大きく関わってきます。 私にとって沖縄は結構縁のある土地だと思っていて、 遊びにも何回か行ってはいるけど 観光したり、沖縄の友人と会ったりするのとは別に、 沖縄戦争でたくさんの人が亡くなった悲しい土地でもあるという印象は小さい頃から持っています。 小学生の時に読んだ絵本(タイトルは憶えていないけど)で 沖縄の戦争で多くの沖縄の人が日本兵に殺された話のものがあって それが強く印象に残ってるからかな。 多感な時期に見たものが印象に強いのはあると思うけど、 他にもいろんな本を読んでただろう中で この絵本と、 もう一つ広島の原爆を描いたアニメーション「ピカドン」という 作品は、私の戦争というものに対する人間の愚かさ、恐さ、弱さの認識を 形作っていると思っていて。 そして、今、大人になって、 沖縄とも縁があり、広島では「ピカドン」の制作者である木下蓮三、小夜子さんたちと縁があることに不思議なつながりを感じます。 それはまた別の機会の話として… 沖縄を舞台の作品を描くというのはすごく難しいだろうな、と思います。 なんというか、土地や人が持ってるものが強くって、 作家さんの個性まで飲み込んでしまう気がするというか。 そんな中、私が沖縄を舞台に作品を書いている作家さんで好きなのは 目取真俊さんと池上永一さんという二人とも沖縄出身の作家さん。 全然作風は違う二人なんですけどね。 またご紹介します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.11 00:54:06
コメント(0) | コメントを書く |
|