カテゴリ:本(いろいろ)
昨年「明日の記憶」で山本周五郎賞を受賞した著者の受賞後第一作だそうです。
「明日の記憶」はさすが話題になってるだけあって 図書館の予約数も半端ではなく、当分借りれそうにないので 先にこちらを読むことに。 この作品は、類人猿の言語習得実験を行う霊長類研究センターを舞台に そこで働く研究者、実験をされるボノボ(通称ピグミーチンパンジー)を巡って引き起こされる人間ドラマをミステリーとして描いたもの。 言語習得に優れた才能をみせるボノボの名前がバースディ。 そしてタイトルが「さよならバースディ」とくれば それだけでエンディングが想像できてしまうのがちょっと残念ですが。 ストーリー的には、人間と会話する能力をもつバースディの才能を そうか!そう使うか!! という上手さには感心したのですが、 彼の研究をしている主人公真とバースディの関係以外の話は ちょっともの足らない感じがしないでもないかな。 でも、それでも一気に読んでしまったのは なんといっても動物ものだからでしょうか(笑) テレビでも動物ものと赤ちゃんものって視聴率高そうな感じしません? このバースディも、なんとも愛らしく描かれています。 人間に囲まれて育ったため、毎朝人間用のトイレで用を足し、 仕上げに、「ねぇねぇ」と呼んでおいて目の前でおならをするなんて 技も身に付けています。 こういうバースディとの付き合いは、ものすごく丁寧に描かれているので すっかり気持ちが入ってしまい、 最後の方では話はよめつつも、涙なくしては読めないというか… (いや、そこまでではないかもしれないけど) 「誘拐ラプソディ」を読んだ時に、登場する少年のキャラのよさに 大笑いしたけど、 荻原さんの作品の面白さは、ストーリー以外にも こういう登場人物(?)への、愛情と好奇心のこもった眼差しなのかもなぁ、なんて思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.02.16 00:32:41
コメント(0) | コメントを書く |
|