ジーコも超えた！カズ執念のＪ最年長弾

　キングが金字塔を打ち立てた。Ｊ２は２５日、第４１節の３試合を行い、横浜ＦＣはホームで愛媛と対戦。１-２で迎えた後半１０分、ＦＷ三浦知良（４１）が右足で泥臭く同点ゴールを決め、２-２の引き分けに持ち込んだ。４１歳７カ月２９日でのゴールは自身のＪ２最年長ゴールを更新するとともに、ジーコが持つ４１歳３カ月１２日のＪリーグ最年長記録をも上回った。カズにとってはＪ１、Ｊ２合計１５０ゴール目の記念弾にもなった。

　粘って粘って、カズがＪ最年長ゴールをものにした。先制しながら逆転され、１-２で迎えた後半１０分だ。４-４-２の右ＭＦで先発していた疲れ知らずの４１歳が、ＦＷ御給のパスに反応してペナルティーエリアに右から走り込む。

　１人をかわし、２人目と接触して転倒。だが、あきらめない。倒れながらも魂を込めて差し出した右足がボールに届き、コロコロコロ...と転がってゴール左隅に吸い込まれた。次の瞬間、笑顔で駆け出したカズは、年下ばかりのチームメートたちにもみくちゃにされ、ベンチ前の都並監督と熱い抱擁を交わした。

　「ホームで多くのサポーターの皆さんの前でゴールを決めることができてとてもうれしく思っています。これからもコンディションを常に良い状態に整えて試合に挑んでいきたいと思います」

　４１歳７カ月２９日でのゴールは元日本代表監督の"神様"ジーコを抜くＪ最年長ゴール。さらにはＪ１時代の昨年９月１日（対広島）以来となるゴールで、Ｊリーグ元年から前人未到の１６シーズン連続ゴールも達成した。しかも記念すべきＪ通算１５０得点目は、盟友"ゴンちゃん"こと磐田ＦＷ中山の１５７得点に次ぐＪ史上２位の数字だ。「チームメートのおかげです。サポーターの声援はばっちり聞こえていましたし、非常にいい瞬間でした」。勝利を逃したため「ちょっと残念」と悔しがったが「負けなかったことを良しとして、次はまたＪ１とやれるので楽しみです」と１１月２日の天皇杯４回戦（対新潟）に目を向けた。

　すでに１年でのＪ１復帰という目標は消滅。だが、４２歳になる来季も現役を続行する。「試合でみんなに応援されて、一つになれた時は本当に幸せを感じる」。原動力がある限り、これからもカズは全力で走り続ける。