9月9日は「救急の日」です。この日を含む1週間は「救急医療週間」でもあり、
今年は9月5~11日までとなっています。そこで今回は、「救急の日」と「救急
医療週間」にちなんで、救急車の適正な利用と、医療従事者ではない一般の方
でも使える救命装置AED(自動体外式除細動器)についてご紹介します。
●救急車の適正な利用について
119番で呼ぶ救急車は、けが人や急病人を医療機関などに緊急搬送するためのも
ので、主に地方自治体が管理しています。しかし近年、緊急性が低い場合でも、
すぐに119番で救急車を呼ぶ人が増えているようです。2008(平成20)年は、国
民の約27人に1人が医療機関に搬送されたというデータがありますが、その約半
数を軽症者が占めているといいます。
病院に行きたいけれども119番で救急車を呼ぶほどではないという場合は、全国
にある民間の救急コールセンターを利用することもできます。例えば、東京民
間救急コールセンターでは、自分で歩くのが難しい方には東京消防庁が認定し
た「民間救急」(寝台自動車など)を、自分で歩ける方には「サポートCab(タ
クシー)」を案内してくれるそうです。
「民間救急」には、寝たままの状態で移動できる「寝台自動車」「寝台・車椅
子兼用車」と「車椅子専用車」があります。応急手当ての講習を修了した人が
乗務し、酸素供給装置や吸引装置など一定の医療資材を装備しています。「サ
ポートCab(タクシー)」は、心臓マッサージや人工呼吸など救命技能の認定を
受けている運転手が乗務し、車内には応急手当てに必要な機材が備えられてい
ます。ただし、これら民間の救急車両は、国土交通省の免許と管轄する消防本
部の認定を受けていますが、「緊急車両」ではないため、サイレンなどを使っ
ての優先走行はできません。
※民間救急・サポートCab(タクシー)はどちらも有料サービスです。
また、緊急時にはもちろんすぐに119番で救急車を呼ぶべきですが、救急車が必
要かどうか迷ったら、救急相談センターに電話してみましょう。東京消防庁救
急相談センターの場合は、救急隊経験者や看護師、必要に応じて医師が適切な
アドバイスをくれるそうですよ。
●AEDとは
心臓停止から3分経過しただけで、死亡率は約50%になるといわれています。
救急車が到着するまでの間に人工呼吸や心臓マッサージなど心肺蘇生(そせい)
法を行うことで、命が助かった例が数多くあるそうです。最近、街中で見かけ
るようになったAED(自動体外式除細動器)を使うことも、心肺蘇生法の一つ
です。
AEDは、裸の胸の上に電極のついたパッドを貼って、心臓の状態を自動的に判断
する医療機器です。もし重症な不整脈を起こしていれば強い電流を流し、心臓
の状態を正常に戻すことを試みる機能を持っています。ボタンを押すなどする
と電源が入り、あとは音声ガイドが流れるようになっているので、一般の方で
もその指示に従えば大丈夫。電気ショックが必要ない場合は作動しない仕組み
になっているので、まちがって電気が流れる心配はないそうです。
AEDの使い方を含めた心肺蘇生のやり方を教えてくれる講習会などが、各地域の
消防署や医師会、日本赤十字社などで行われています。お近くの施設で参加さ
れてみてはいかがでしょうか。
病気やけがは、いつ誰の身に起こるかわかりません。救急時にはどう対応すれ
ばよいか、救急車の適正な利用やAEDの使い方などについて勉強しておきたいで
すね。
【東京消防庁Webサイト参考】
http://c.p-advg.com/adpCnt/r?mid=882589&lid=1