蝋梅の香漂う
調布市にある「神代植物公園」の蝋梅が強い香を漂わせている。暫し梅の香を楽しみながら梅園の片隅に佇み、紺碧の空を眺めていると、こころが穏やかになる。公園の西側にある深大寺門を出ると、右手に蕎麦屋が二軒並んでいる。手前が「玉乃屋」、奥が「松葉茶屋」である。奥の店に入ると、老木が屋根を貫いている。外にも席はあるが寒いので中へ入り十割蕎麦を注文する。蕎麦の香がほのかに漂い食欲をそそる。この店の蕎麦は美味い。蕎麦屋を出て深大寺へ向かう。 武蔵野特有の分厚い草葺の屋根をもつ山門をくぐると、正面に本堂が見える。東京では浅草寺に次ぐ古い歴史を持つ深大寺は、奈良時代(天平5年)満功上人によって創建された。本尊は恵心僧都作の阿弥陀如来像である。境内を散策し、暫しいにしえの風情を楽しむ。 再び深大寺門から公園に入り温室に向かう。室内には、外では見ることの出来ない花が綺麗に咲いている。外に花の少ないこの時期は、温室もまた楽しいものである。正門を出てバスに乗り、吉祥寺駅に向かう。「神代植物公園」は、また来たくなる公園の一つでる。