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2006/07/21
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カテゴリ:日々是好日
「ホウレンソウ以外は駄目だとすると、simohei さんはどうやって販売しているんですか」
「そういう細かい話の前に、農業で生活して行くとはどういうことかという話をしておこ
う。分かり切ったことのようで、全く経験のない人は僕もそうだったけれど、勘違いするん
だ。例えばジャガイモを年間を通して食べたいというので植えたとする。一人100キロも
あれば充分かな、何株必要かというと、多少、余裕を見て150株前後植えればよい。
必要面積は30平方メートルもあれば余すくらいだ。一方、ジャガイモで生計を立てよう
と思ったら、すべてが順調に行ったとして、少なくとも3町歩くらいは必要だから千倍は
栽培しなければならない。しかも自分で食べる分には外見が悪かろうが、小さすぎようと
大きすぎようと構わないが製品として販売するにはそうはいかない。ウッカリすると大根
を百本植えれば百本売れるなんて勘違いし兼ねないけれど、そんなことは全くない。つま
製品歩留まりという問題がある。これが農業では、自然条件その他で安定しない。露地
に較べれば施設栽培は比較的安定するにしても、工場生産とは全く違う。
次に時期の問題がある。例えばコーンやカボチャを普通に播種して栽培すると出荷は9月、
10月になる。ところが盆前に出荷すればある程度利益はあるけれど、それ以降では赤字
を覚悟したほうが良い。幾ら美味いと云っても自分で市場を開拓しない限り駄目だ。時期
の問題は、どの野菜にもあって、しかも経営的にプラスになる時期の栽培は色々難しい。
大雑把な云い方をすれば、野菜には旬があるけれど、そして旬に出荷するのが作るうえで
も、栄養的にも、美味しさからいっても、一番良いけれど、経営的には成り立たない。
更に産地の問題がある。市場の側から考えてみれば分かるけれど、集荷した野菜を売れば
良いなんてものじゃない。そんなことをやっていては生き残れない。どの野菜を、いつ、
どこから、どのくらい集荷するという年間計画をたてて行動する。もち論、地方市場の中
には、周辺地域の百姓が三々五々持ち寄った野菜を取引しているところもある。地方市場
だって、それだけでは運営していけない。
生産者側から見れば、ある時期に、まとまった量の野菜を継続的に出荷できるようでなけ
れば半端物扱いされる。そこで地域ぐるみ・農協ぐるみまとまって生産し集荷・選果・出
荷しようという対応になって行く。久慈地域で、ある程度、名の通ったものはホウレンソウ、
キュウリ、リンドウ(花)、乾燥椎茸。産地ということになれば、ある程度のプレミアムが
つく。話では、最近は久慈地方のホウレンソウは市場評価が下がって、マイナスプレミアム
が付くそうだね。そうなれば「俺のホウレンソウは..」と云ったって駄目だ。生産者コード
である程度差はあるかもしれないが、農協清算の時点でどう処理されているか、これは全然
僕なんかには分からない。ともあれ、これらのものを地域計画にのって作っていけば、
ある程度の年間収入を想定出来ないことはない。
しかしこれはこれで問題がある。普代村の開発農地ではかつては大規模土地利用型農業と
いうことで大根、キャベツ、加工人参などを作ってきたけれど、大根が駄目になり、キャ
ベツは誰も作らなくなり、加工人参も風前の灯という状態だ。今年は、加工人参に対する
村の財政支援がなくなるということになったら、いままで3人で6-7町歩作付けしてい
たのが、ほんなら止めると二人が云い出した。残る一人はこうなれば止めるからね、僕は
人参は作っておいたほうが良いと考えたから、僕が少しお手伝いして五反歩くらいやろう
かと話を持ちかけたら、「ほんならまあ、俺も」と続けることになって3町歩程度は作付
けすることになった。変な話だけれど、この話を見れば分かるように”連れション”のよ
うもので、経営計画を独自に立てている、あるいは立てられる人は殆どいない。こういう
土壌の上にぐるみ生産は成立している。
話が脇に逸れたけれど、かつては和野山の開発農地は大規模土地利用型が中心だった。と
ころが色々な理由で作付けするものが、ひとつひとつ消えて行って、今では僕以外はハウ
ス栽培中心という格好に代わって行った。13年前、僕がここに入植したとき、色々な可
能性のひとつとしてハウスを建てるのはどうかという話をしたときは風が強くて駄目だと
言下に否定された。50センチ掘り下げて建てたらどうかとか、ネットを建てたらどうか
とか、色々云ったけれど阿呆扱いされたね。ところが数年前に村が音頭を取って百棟単位
のホウレンソウの大ハウス団地を作るとか云いだしたから、僕は大笑いしてやった。こん
な計画こそ、大阿呆そのものでね、結局、この計画も消えたけれどね」






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最終更新日  2006/07/21 08:20:36 AM


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