時には古代・中世の生活に思いをはせよう
ARG(ACADEMIC RESOURCE GUIDE)という素敵なメールマガジンが発行されている。学術分野のWEBサイトを取り上げ、優れた先駆的な試みを積極的に紹介する一方、お座なりで、中味のないサイトを叱咤激励する注文をつけている。同誌に、去年掲載された記事で、僕が見逃していたものに「国立歴史民俗博物館」の「古代中世都市生活史(物価)データベース」というのがある。同博物館の公開に際してのプレスリリースには、次のように書いてある。8世紀から16世紀頃までの代表的な史料から37,253件のデータを抽出し、京都を中心に、西は九州から東は関東までの、物の値段やサービスの価格(労賃など)についての記録を集成したもので、たとえば以下のような項目で検索ができます。 食料、衣服、食器、武具、材木、畳、不動産、仏事、造営、運賃、工賃・・・もともとは研究者用に作られたデータベースだが、【使い方の例】を参考に、いろいろ検索してみると、実に楽しい想像をたくましく出来る。大化の改新、荘園成立、武士の登場、鎌倉幕府成立...などと政治経済社会の上っ面だけをなぞって来た歴史の背後に、庶民のどんな生活が息づいていたかを感じ取るよすがになる。まずは年号と品目別の「大分類」だけを選んで、いろいろ検索して、楽しんで見ることをお勧めする。