カテゴリ:読書ノート
旧約聖書のことなんて、
映画『十戒』を何度か見たことがあるくらい。 あとは、ほかに、何がしかで、聖書のことを少しは知っていたけれど、 今回の本を読んでかなりよく分かった。 それでも、まだまだダイジェストである。 聖書は途轍もなく内容が濃い。 まして、キリスト教嫌いの私には、 この手の本を読むのが精いっぱいである。 数千年も前の時代から始まるイスラエルの民族の物語は、 人類が今のような道徳を持たず、 右も左もわからず、 何が正しいのかもわからないところから、 始まる。 人間は驚くほどひどいことばかりしている。 イスラエルの神は根気よく、イスラエル人たちに 人としての正しい行いを教え続ける。 まずは、一人の人間に、 アブラハムや、その子孫たちに、 そして、少しつづ広がっていく 神への信仰は、 人として正しく生きるとは、どういうことかを 神が人類に必死に教え続けた歴史である。 アブラハム、ダビデ、ソロモン、 本当に民族を指導していけるほどの力量のある人間なんて、 数千年の歴史の中でも、数えられるほどしかいない。 それ以外は、ほとんどが普通の愚かな人間ばかり。 だから、日々、感じる自分の無能さに絶望したり、 がっかりしたりする必要なんてないんだなと思った。 人間なんて、こんなものだ。 ただせめて、 神の教えのままに、ヒトとして、正しく生きていくことだけが、 人が人としてあるということなのだ。 聖書で神様が言い続けているのはそういうことだ。 一つの民族にとって、自分たちを溺愛し、必死に守り、指導してくれる神様は、 やはりいたほうがいい。 民族独自の神をもつ民族は強い。 戦争の時、自分たちだけを守って、導いてくれる神がいると思えば、 必死に戦うこともできる。 神様は、すべての人類を平等に見ていると思っていたけれど、 神様は民族のもの。 自分たちだけのもの。 イスラエルにイスラエルの神がいるように、 日本にも、この島国に昔から住んでいるやおよろずの神様がいる。 日本を諸外国から守り、 植民地にもならずに、 日本人が安心して住み続けてこられた島があるのは、 神様のおかげ。 そんな風に人間がまっとうに育った果てに、やっと、 人類共通の神様が現れる。 そうして人類すべてを愛しながら、守り、導いてくれているんだろうと思う。 読みやすくて、面白かった。 阿刀田 高が好きになった。 旧約聖書を知っていますか【電子書籍】[ 阿刀田高 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年09月02日 20時06分56秒
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