カテゴリ:読書ノート
意味に疲れたら、無意味で休もう。
が、この本のキャッチフレーズで、 じゃあ、そもそもこの本でいうところの意味って何かというと、 それがどうにもわかりにくい。 インターネットなどによる情報過多と、 有意義な時間の過ごし方と、 価値のある人生の送り方が、 ごっちゃになって、十ば一からげになって、意味という言葉になっている。 だから、読んでいてちょっと頭に入りにくくて、 前半部分は、意味のところを情報に置き換えるとやや読みやすくなってくる。 情報過多に埋没しそうになったら、 その情報をいったん遮断するか、だろうけれど、 時間を無意味に使ってしまうことへの罪悪感に対しては、 有意義に過ごすことが人生のすべてじゃないと、 再認識するしかない。 人生は遠大な暇つぶしともいう。 一人の人間の人生なんてたかが知れている。 そこまでの境地に至れるかどうかだけれど、 とりあえず、情報を遮断して、 有意義ではない時間の過ごし方をいろいろと考えてみる。 それがつまり無意味というもので、 無意味な時間の過ごし方というもので、 そのパターンをいろいろと考えてみる。 ただ、怖いのは、無意味というものは、 無意味であることにこだわって目指してしまえばそこにまた、 無意味にこだわるという意味ができてしまうわけで、 そんな矛盾にどう立ち向かっていくかという これがまたとてもめんどくさい話なのである。 最後に何か愕然とするような、 感銘を受けるような展開と解釈があるのかと期待して読んでいたけれど、 特に何もなかった。 最後まで、意味と無意味の間を行きつ戻りつする本なのである。 この夏の暑さにどこにも行かずにクーラーのきいた部屋で、 グダグダと過ごしていると、 こんなことでいいのかとか、 もっと有意義にこの夏を過ごすべきじゃないかとか、 夏は特にそんなことに焦燥感を掻き立てられる季節だけれど、 まあ、本を読みながら過ごす夏もいい。 特にこんな本を読んでいれば、 夏の焦燥に燃え尽きないですむかもしれない。 夏の午後の昼寝ほど、気持ちいいものはない。 無意味のススメ 〈意味〉に疲れたら、〈無意味〉で休もう。 [ 川崎 昌平 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年08月20日 10時40分15秒
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