ゆっくりと。北浦和也さんもからすも
カラス達が連絡を取り合っている。夜明け前のじかんを共有している。穏やかだ。彼らは夕焼けの時間も共に過ごす。ゆーっくり、明るくなり暗くなる。北浦さんがFound Artのシリーズを制作したモロッコ、マラケシュ近くのレジデンスは自家発電で夜だけ電気が作られる場所で。彼はふらりと街を抜け今日削る材木を見つけるために彷徨った。そして、地中海を流れてきて打ち上げられた流木は北浦和也と出会って削り出され日本にやってくることになる。彼は見つけ出した素材をギターで音楽を奏でるように、彫刻刀で削った。見ている人が目を向け声を掛ける。「なにやってるんだ」「ほほー」いっぽんの流木がポーズし目を持つ、形に変わる、折れたスコップに恐竜椅子に座る人が現れる。ライブパフォーマンスは言葉を必要としない。子供の頃、スケッチをする人を長い間見ていたじかん・・・を思い出した。今回の作品は宇治平等院の雲中菩薩にも触発されたものらしい。平安、マラケシュ、北浦和也、取り囲む新緑の東山、世界は、今日も木々に包まれている。gallerymorningkyoto