濱野裕理展より。平和、零戦の風景
空想の出来事。あるときはグラフィカルに、そしてあるときはシンボリックに描かれる現実にはない世界。一枚の絵を入口に何処まで遠くへ出かけていけるのか。キャンバスの表層は、一緒には行けないところへ続いている。色のにじみ重なりに仕組まれたスイッチに触れることができれば、彼女が迷いこんだ場所に横たわる不安やひずみや幸せ模様が、忘れていた「体験」をリスタートさせることができるかもしれない。濱野裕理「僕らは平和について考える」(2013)--------------------------------心の奥底から湧き上がってくる感情やイメージを切り取って、物語の一場面のように一つの風景(光景)として描いています。ときには小さいころの曖昧な記憶を辿りながら想いを馳せ、ときには日常の些細な出来事に目を向けてみる。慌ただしい日々のなかで、生きていると悩みは尽きないけれどふと意味もなく遠い過去や未来を想像したり、くだらない空想に浸りながらいま現在、私の生きているこの世界をそっと見つめなおしてみる。濱野裕理--------------------------------gallerymorningkyoto