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テーマ:本のある暮らし(3311)
カテゴリ:本のはなし
関東梅雨明け! 気持ちの良い晴れ~。お布団干して満足、満足。暑いけれど、梅雨時のジメジメ感はなくなって体調も上向きです。…気のせいかもしれませんが…。
チワワの小太郎は相変わらずぐでぐでしています。めちゃめちゃ暑そうなのに、クッションの上で寝てます。そこがいいみたいです。 梅雨が明けてなんとなく元気が出てきたので、積ん読だった過去の新聞をまとめ読み。 新聞はだいたいその日のうちに読むようにはしているんですが、出掛けた日などは読み切れなくて「あとで読む新聞」の山に積んでおきます。でも次の日は新しい新聞がきちゃうから、なかなか「あとで読む新聞」の山は減りません。たまにまとめ読みして、なるべく溜めないようにしていたんですが、梅雨時は体調もイマイチでなかなかまとめ読みできなかったのです。 1月のものから最近のものまでかなり溜まってましたが、ゴールデンウィーク分まで消化。残りはまた今度。 過去の新聞を読んでなにが面白いの? と母に聞かれるんですが、面白いです。終わったニュースでも、当時はこんな風に書いてあったんだ、というものもあるし、コラムやニュース解説など日付に関係なく読めるものもたくさんあります。 隅々まで全部読むわけではないですが、全部の紙面に目を通して気になる記事はじっくり読んでしまいます。コラムなどは夕刊のほうが面白いので、朝刊より薄いのに夕刊のほうが読むのに時間がかかります。ニュースはネットで読めるけど、コラムや寄稿記事などはネットに載っていないものも多いです。連載小説は挿絵もきれいだし、やっぱり紙の新聞はやめられない。 「電子書籍の衝撃」という本で、音楽配信を例にとって電子書籍の普及の仕方を説明していたことに多少の違和感を覚えて、その違和感はいったいなんなんだろう…とずっと思っていました。(本自体はとてもオススメです。電子書籍のなにがすごいのかがよくわかります) たぶん、書籍と音楽の特性の違いなんだろうと思います。他品目で個々人の好みによってさまざまなニーズがある、という点ではよく似ているのですが、買った商品を楽しむ時間の使い方(という言い方が的を射ているかどうかわからないけど)は大きく違うんじゃないかな。 音楽は、なにか他のことをしながらでも楽しめる。むしろBGMとして利用している人のほうが多いような気がします。たとえば、料理しながら、勉強しながら、ネットしながら、ウォーキングしながら、本読みながら…音楽を聴く。 逆に、読書の場合は、それ自体が「主」になります。音楽聴きながら本を読んでいても、音楽のほうが「副」で読書のほうが「主」なのではないかと。 ウォーキングしながら本は読めないし(読んでいる人も中にはいますが)、料理しながら読書も(普通は)できない…。 もうひとつは、音楽は、街やテレビでよく流れている曲を口ずさんで「こんな歌なんだけど」と言えば「ああ、あの曲ね」とわかり合えますが、読書の場合は「これこれこういう話なんだけど」と言っても相手がその本を読んでいなければまったく話が通じません。ましてや、ストーリー以外の文体の良さや小説世界の「空気感」のようなものを読んでいない人に伝えるのは相当に難しいです。 話が通じないからと言って、「じゃあ読んでみて」と気軽には言えません。読書によって、その人の「時間」をある程度奪うことになるから。長編小説だったらなおさら。 音楽だったら、サビの部分を歌って「こんな感じの曲」って言えば、その曲を聴いたことがなくてもなんとなく理解しあえるし、動画サイトなどでその曲を聴くこともできるかもしれないけれど、本の場合はいくらあらすじを言っても、理解あうのはちょっと難しい。ネット書店の立ち読み機能で一部を読めたとしても全体像を把握するのは至難の業。 もちろん、音楽だって奥深いから口ずさむだけじゃ伝えきれないものも多いし、読んでない人にも伝えやすい書籍もあるかもしれませんが、両者のおおまかな特性として、いま挙げたような違いがあるんじゃないかなと思います。 音楽だと、好きなアーティストの曲を10曲とか20曲とか聞くのに数時間あれば十分ですが、好きな小説家の作品を10作、20作読むには数日から数ヶ月かかります。だからね、「気軽に勧められる度」が違う気がします。CD貸すね、っていうのと(イマドキはCDを貸し借りしたりしなさそうだけど)、本貸すね、っていうのは気軽さが違うのですよね。相手へのプレッシャー度というか。 本、借りたら読まなきゃいけないと思うプレッシャー。音楽のほうが気軽なんじゃないかな。(私は音楽もなかなか聴かないけど) そんなわけで、電子書籍が今後、音楽配信と同じように急速に一般的になる、という説にはちょっと懐疑的。一般的になるかもしれないけれど、音楽配信と同じような戦略ではダメな気がします。辞書的なものや雑誌的なものは電子書籍化されていくと思いますが、小説とかはどうなのかなぁ。 というか、ネットとか、携帯小説とか、わりと軽い文章(内容が薄いということではなくて短時間で読みやすくかかれた文章)に慣れてしまうのはちょっとコワイです。 読書というのは、ある程度の集中力が必要で、ましてや長編小説などは忍耐力も必要。子どもの頃に、そういう本をじっくりたっぷり読む習慣をつけるというのは、知識をたくわえるという以外にもメリットはある気がします。 媒体は電子書籍リーダーでもパソコンモニターでも紙の本でもいいんですが、ネットなどだとどうしても軽いものをたくさん読むという方向に行ってしまいがちなので、腰を落ち着けて(ゲームなどの誘惑に負けず)じっくりと読むことを、子どもたちに教えて行くべきだと、音楽と書籍の違いに気付いたときに思ったのでした。
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最終更新日
Jul 17, 2010 03:09:57 PM
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