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テーマ:たわごと(26875)
カテゴリ:不妊・出産・養子
先日の、野田聖子さん妊娠というニュースにびっくり。数年前に「私は、産みたい」という野田さんの著書を読んであんまり共感できなかったのと、その時点で不妊治療は諦めたと思っていたので。もちろん49歳という高齢出産にもびっくりですが。
「週刊新潮」に手記が載っているそうですがそれは読んでません。ネットでの各種ニュース記事をつまみ読みした感じですが、忘れないうちに思ったこと書いておきます。ニュース記事も、憶測とか事実でないことも混ざっているかもしれないので私の感想も的外れなこともあるかもしれませんがとりあえず。 個人的には、子どもが欲しい夫婦が不妊治療で赤ちゃんを授かりたい、という想いには肯定的なのですが、「私は、産みたい」を読んだときに思ったのは、とても自己中心的というか、切実に子どもを慈しみ育てたい、という母親らしい思いとは別の、子どもを産まない女は女として失格だ、というようなある種古典的な、野田さんご自身に対するコンプレックスのようなものでした。 だからなんとなく、産まない女性を見下すような論調で、共感できなかったのです。…見下すというと語弊があるかもしれないけど、「子ども産まない(産めない)のってそんなにダメなの?」という気になってしまったのでした。 自ら産まないという選択をする女性もいれば、野田さんのように機能的に妊娠が困難な女性もいます。だから、政治家・野田聖子さんには無理に「自分で産む」ということにこだわらずに「里親になる」「養子縁組をする」「子どものいない夫婦生活を楽しむ」「恵まれない子どもに(金銭的、精神的に)援助する」などの幅広い選択肢を示して欲しかった。本を読むと、「自分で産む」ことにあまりにもこだわりすぎていて、痛々しいのです。 普通なら、夫婦仲が円満で、子どもが欲しいと思うのでしょうが、不妊治療が原因で夫婦関係もぎくしゃく。それって本末転倒では…。夫を愛して夫との生活を取るならば不妊治療を諦めるという選択肢もあるはずです。また、夫との関係が良好でないならばたとえ子どもができてもその子どもは幸せになれないのではないかと思うのです。どちらにしてもそこまで産むことにこだわる理由が全然よくわからなかった。 今回も事実婚のパートナーがいらっしゃるようですが、出産のために仕事を制限するでもなく、出産後も仕事を続けるとおっしゃっているようです。それって、ほんとうに子どものためになるのかな、と疑問。どうも、一連の行動を見ていると、野田さんにとって大切なのは「政治家としての自分」で、それをより権威づけるために「母親」という属性を得たいんじゃないかと考えてしまいます。 「母親」だからという理由で得られる職務もきっと多いんでしょうね。逆に言えば、野田さんが就けなかった役職などに「母親」であるというだけで抜擢される人も大勢見てきてるのかもしれません。ともかく、なんとなく、そういう下心があって子どもを産みたいと思っているのかな、という感じがしてしまうのでした。 妊娠を機にすっぱり引退宣言をして育児に専念するとかしたらかっこいいなと思うのですが、仕事続けます宣言にがっかり。 不妊治療の保険適用とか、里親の認知度を上げるとか支援を手厚くするとか、そういう活動はしてくれるのかしら。あんまり熱心な感じはしないのですが。 今回、「ええっ!?」って思った点はいくつかあって、ひとつは高齢出産。もうひとつは海外での体外受精。さらには第三者からの卵子提供。そして、籍が入っていないパートナーの子どもであるということ。 ものすごいっすね。そこまでするかって感じで。 ひとつひとつは、まぁ、そういうこともあるかな、って受け入れられるけど、これだけの条件が全部ついてくるとなると、そこまでして産みたいか、って言いたくなる。夫の遺伝子を残したいのよ、と言った向井亜紀さんには、全面的には共感できなかったけれどそれなりに理解はできました。でも今回は第三者からの卵子提供。わざわざ高齢出産でご自身で出産するというのはよくわからない…。いや、ダンナさんの遺伝子を残すために自分で産みたいのか…? そこまでしたい相手ならちゃんと籍を入れるべきでは…。いろんなリスクを抱えて海外で体外受精するなら、国内で家庭で育てられない子どもたちに支援の手を差し伸べるべきなのでは? 一般人だったら、お好きなように、とも思うけれど、政治家で、総理候補ともいわれてる方だったら、もうちょっと違う選択肢があったのではないかと思ってしまいました。 しかし、妊娠されたからには、無事にご出産されることをお祈りしたします。そしてお子さんと野田さんカップルのお幸せも。今後の展開を見守りたいと思います。 怖いのは、野田さんに勇気をもらって、高齢出産に果敢に挑んでしまう方が増えること。ほんとに命がけだと思うし、赤ちゃんにも負担がかかりそうです。「出産」以外にもいろんな選択肢を検討してもらいたいです。 (参考サイト) ■あらためて(野田聖子ブログ ヒメコミュ) ■卵子提供 日本の現状は(yomiDr. ヨミドクター) ■野田議員が体外受精で妊娠 問われる「母親とは誰か」(J-CAST ニュース) ■野田聖子氏妊娠 米で体外受精50歳で出産(nikkansports.com) ■書評 私は、産みたい [著]野田聖子(asahi.com) ■[インタビュー]女として、政治家として――野田聖子『私は、産みたい』(新潮社 波 2005年1月号より) あ、そうそう。「私は、産みたい」は、不妊治療記としては共感できないけれど、政治家さんのお仕事がどんなにハードスケジュールで大変かということはよくわかりました。そういう意味ではオススメの一冊。政治家なんて体力ないとできないですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 29, 2010 05:40:26 PM
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