注文していたプリンターが届いたのでセッティング。黒光りする憎いヤツって感じのデザインです。もう少し親しみ易そうなデザインでもいいと思うんだけど、キヤノンはどこを目指してるんでしょうかねぇ。



本体についているボタン類の表示はいままで使っていたプリンター（MP520）よりも大きく見やすくなってるので、母は喜んでました。

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↑買ったのはPIXUS　MG5330。インクタンクが各色独立型で一枚当たりのコストが安い機種。

主に使うのは両親です。プリンターの梱包を解いてインクのセットや試し印刷などをしてから、父と母それぞれのパソコンと１階に置いてある古いiMac（←母がネットを見るのに使ってる）に付属ソフトをインストールしてセットアップ。無線LANで印刷できるようにしたので、いちいち線を繋ぎ直さなくてもよくなりました。これは便利。…でも母のノートパソコンは古いのでLANカードが内蔵されてなくて、USB接続です。

母に、写真の整理などもiMacを使えばいいのに、と言っているのですが、慣れてないから古いパソコンのほうがいい、とのこと。古いパソコンは遅いし使いにくいし、iMacの使い方を覚えるほうが早いと思うのですが、母は私に似て（いや、私が母に似てるのか）へそ曲がりなので人の言うことなんて聞きません。

ワープロの出始めた初期の頃からパソコンに移行してもずっと仕事で使っているのに、定年で辞めるまで（いまでも）キーボードのブラインドタッチを覚えようとせず、一本指打法を貫いた人です。文書作るのに、どう考えてもブラインドタッチを覚えたほうが早いと思うのですが、それを覚える時間と手間が面倒だったみたいです。どういうこっちゃ。

面白いのは、母は自分がそれなりにパソコンを使える人だと思っているところ。母の年代にしては活用して使いこなしているほうだと思うので、あながち間違ってはいないのですが、基本のところがわかっていないので、時々びっくりするようなところでつまずいています。保存したファイルを開こうとして、どこに保存したかわからなくなることはしょっちゅう。どこにあるの？　って私に聞かれても困る…。

母を見ていると、「見ればわかる」と思えるようなわかりやすいユーザインタフェースでも迷ってることがあって、自分の先入観を疑ってかからないといかんな、と反省することも。作る側、伝える側として、母のような人たちにもちゃんとわかるように表現できないとね。使いにくいものっていうのは使う側の人が悪いんじゃなくて、わかりやすく作らなかった、作り手側が悪いのです。難解で複雑な文章が伝わらないっていうのも、読む側の人が理解できないのが悪いんじゃなくて、ちゃんと伝わるように書かなかった、書き手が悪いのです。と、私は思うのです。

まぁ、そういう意味で、今のWindowsもスマホも、MacやiPhoneでさえ、万人に優しいとは言えません。例えば、アナログのダイヤル式の電話だったら、受話器を取って番号を回す、という２ステップで、使い方は簡単。受話器を手に持って耳に当てれば、上から音声が聞こえて、下は音声を拾う、ということが分かるデザイン。そして使い終わったら受話器は元の場所にきちんと収まります。

でも、今の携帯電話とかスマホって、見た目で使い方が全然わからない…。最初に教えてくれる人がいないと戸惑います。教えてもらってからも戸惑う人多し。私の知ってる人でも携帯電話が苦手でなるべく使いたくない、メールも苦手、という方がいます。使いこなしている人から見ると「こんなに便利なのになんで使わないの」って思えるのでしょうけども、苦手な人にとっては苦痛みたいです。分からないからストレスになる、っていうのは、ちょっとわかる気がします。

だからね、なんでもかんでもネットが便利、とか、いろんなものを電子化しましょう、とか、高齢者家庭にパソコンを、とかって必ずしもいいことではないなぁと思います。ITを活用しつつ、ちゃんと人の力でフォローできるようなシステムを作るのも大事。効率化を押しつけることになっちゃいけないよなぁと思うのでした。

で、このプリンターのマニュアル、簡単な冊子のみで、あとはCD-ROMに収録されている電子版を読めとのこと。紙の節約になるのはよいけど、不親切だと思いました。電子版は電子版で便利だけど、紙の冊子は紙の冊子で読みやすいのですよ。パソコン立ち上げなくてもさっと取り出して見られるし。ほんとに、キヤノンはどこを目指しているんでしょうねぇ。。。