【ツアー旅行回想録・97】白と黒の芸術15
夜行列車での移動を経て次は洛陽の観光です。早朝到着後、軽い休憩&朝食ですぐに向った観光先はもちろん龍門石窟の特に古陽洞です。龍門石窟は東向きで並んでいるため一般的なツアーでも洞窟に日が差し込む午前中の見学がお勧めですが、今回は古陽洞内部に彫られた書道芸術の鑑賞が主な目的なので、午前中の参観は必須でした。昼食に向かう貸切バスの中で全線ガイドのWさんがいたずらを仕掛けた子供みたいなやや得意げな表情で「今日のお昼ご飯は、なんと、日本食です!」「うわー!」「おー!」感激の声?お客さんの反応のいいこと!でも私が思ったのは「日本食レストランなんてあるの?!」当時は日本食レストランは北京や上海の日系ホテル内数か所にしかなく、ツアーでも食事はほぼ中華、せいぜい朝食に洋食バイキングが出るかどうか。日本食を食べるなんて「辞書に無い」状態でした。しかも内陸部の河南省です。「あるの~?」だけでなく原材料の調達などの意味でも(お米からして全然違いますし)「大丈夫なの…?」大げさでなく半信半疑で到着すると、畳(だったと思います。靴は脱いだので)の部屋のテーブルの上には蓋つきの箱形のお弁当箱が並んでいて、あけると、中は小分けに仕切られていて俵型のご飯や豚カツに千切りキャベツなど中国らしくない食材が詰まっていました。Wさんのお話では洛陽市と(日本の)須賀川市が友好都市締結した縁でちょっと前に開業したそうで…。さらに彼は「日本から来たばかりの人に北京や上海で日本食を食べさせたって喜ぶわけないです。ついさっき日本で食べたのより美味しいわけじゃないし、何で中国に来て日本食食べなくちゃいけないんだ?って思うだけです。中国で何日か経って日本食が恋しくなるころだから感激します。」と言ってにっこり笑いました。