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ガイアの風

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2008年04月06日
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カテゴリ:住まいと暮らし
4月6日(日)20時~21時放送の「ガイアの風」
◆パート1

出演者:フェルト作家 松井ひかりさん

テーマ:『手仕事のファンタジー』


松井さんは不思議な人だ。
ぱあ~っと周囲を明るくする。
お会いするのは今日で3回目なのだが、最初から意気投合してしまい、彼女の人柄と作品に魅了され、もうすでに4月の終わりから始まる予定のトラークルハウス主催の手仕事の会の講師をお願いしている。
フェルト作家となるまでにたくさんの経験と旅を経てきた方である。

美容関係の勉強で19才のころ、ロンドンへ渡った。
あのヴィダルサッスーンでヘアメイクを勉強し、美容関係の道へ進むことになる。
大手の化粧品会社に就職し、海洋療法やアロマセラピーなどの勉強も重ねたという。
フランスでは有名なモーリスメッセゲにも会い、香料については本場グラースを訪れた経験もあるとのこと。
キャリアを積むなかで、ある時期不眠症になってしまった。
思い切って会社を辞めてみたらどうかという医師のすすめがあって、松井さんはそれまで走り続けてきた道の途上にて、ゆっくりと立ちどまる決意をする。

以前、アメリカでフェルトのテキスタイルに一目惚れした時にこの技法をどうにかして会得できないものかと思った。
今でこそ、フェルトや羊毛製品は時代の趣向も手伝ってさまざまな場所に出回っているが、その時代では日本でまだ目にすることはほとんどなかったらしい。
たまたま日本で、目にしたフェルト作りの本がきっかけで松井さんはある手芸講座に参加し、フェルト作りの素晴らしさに目を開くようになる。
好きなことを仕事にしてゆく~その道の最初の一歩を選んだのだった。
松井さんはオリジナルで本も出している。
フェルト作家としての活動の場は福岡の方で始まった。

太宰府出身とのことだ。北九州でも幅広くこなしている。
手芸店での講座をはじめとし、さまざまな場所でいろいろな作品作りを提案していて、ギャラリーやショップなどで作品を展示しているのだそう。

小倉へは昨年に越してきたばかり。ご主人の仕事の関係で活動の本拠地を福岡から北九州へと移しつつあある。

私たちトラークルハウスとは先月、常連さんの三宅さんという方が松井さんを連れて来て下さったことでご縁を頂いた。
この三宅さんと私の主人との関係も長い。家族そろってもう十年以上、通って来て下さっている。
三宅さんとそのお兄さんはこよなくアートを愛する人たちだ。
元来、人はみなクリエイティブな存在である。

でもなかなか魂の力が強くなければ、魂の願い通りには生きられず、クリエイティブな自分を意識することすら少ない。
松井さんが心身を病んだとき、本当に自分を癒せる道を選んだ。本当に自分を超えてゆける仕事を選んだ。
そんな人も多いだろう。人はみな、立ち止まらねば見えないことの方が多い。

羊毛についての最も古い記述は旧約聖書のノアの箱船に書いてある。
羊の毛というところがシンボリックな意味を持つ。
シュタイナーの幼児教育や教育芸術のなかでも古くから、この羊毛を使った手仕事は有名である。
どのようにも形を変えられ、なじみ、色彩豊かである…ファンタジックな作品の数々が見る人、手にする人を和ませる。

刺激が過剰なこの時代、慌ただしい脳を横に置いて手を使って何かを創ることで想像力を培い、デジタルな正確さではあまり感じられない何かを得る体験は必要である。
感覚を使うことで忘れていたものを取り戻す、その部分まで持っていければ、人はみな能動的なファンタジーを発揮できる!
松井さんとこのタイミングで出会えことに特別な意味を感じてしまう。

松井ひかりさん プロフィール
   福岡市生まれ
   幼いころから顔の造形に興味をもちメイクアップアーティストを
   目指し高校卒業後上京。「資生堂美容学校」に通うかたわら
   青山にある「ワコールスクオラディアモ園」で本格的にメイクアップを学ぶ。
   偶然インターンで勤めた美容室がエステティックサロンを併設しており
   人間の肌本来の美しさが必要と気づき美容師免許取得後、フランス外資
   スキンケアメーカーでトレーナーとして活躍する。
   たまたま化粧品の研修でアメリカに渡米していたときに手芸店で
   ハンドフェルトに出会い衝撃を受ける。
   もともと手作り品が大好きだったことと羊の持つ不思議な魅力に取りつかれ
   試行錯誤で1998年よりフェルトを独学で作り始める。
   縁あって京都に住んでいる世界的なフェルト作家ジョリー・ジョンソンに出会い
   フェルトの技術を学ぶべく京都で行われているワークショップに数回参加。
   2000年より自己ブランド「WOOLBABY」を立ち上げるかたわら
   京都造形芸術大学の美術科染織コースに入学あらゆる染織技法を学びながら
   デパート、ブテック、ギャラリーなどで作品を発表する。
   2003年には日本ヴォーグ社より「はじめての手作りフェルトバッグとこもの」を発刊。
   手芸メーカーのハマナカ(株)のフェルト羊毛の企画・製作に携わり日本国内でのフェルトの普及に努める。
   また2005年には韓国の羊毛メーカーと韓国内での教育に従事。
   現在、福岡の手芸店、カルチャーセンター、福岡県の施設で多くの生徒に
   ハンドメイドフェルトを教えている。

トラークルハウスでも松井さんの作品に触れることができます。
手仕事のファンタジークラスにて松井さんのフェルト作りを体験できます。


(コーディネーター 藤原 美弥子)





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最終更新日  2008年04月25日 16時56分45秒
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