アメリカの裏側から世界を見る 第1回
9月28日(日)20時~21時放送の「ガイアの風」◆パート1出演者:コスタリカ研究家 足立 力也(あだち りきや)さんテーマ:アメリカの裏側から世界を見る 第1回(写真左 又野 右 足立さん) キューバ楽器をもって ◆足立力也さんプロフィール◆中米のコスタリカに関すること、環境・生活、社会のしくみ・思想や文化を研究・分析し、日本に紹介をしておられます。日本の中でコスタリカに対して何ができるかということで、各地で上映会や講演、コスタリカへのツアーも企画されています。 コスタリカ:メキシコと南米コロンビアを挟むパナマ運河の上に位置する国。言葉はスペイン語。日本の国土の3分の1ぐらい。人口約1200万人。近年は海外から100万人の観光客を迎え入れています。<問い合わせ先> コスタリカ研究家 足立 力也(あだち りきや)さん〒820-0603 福岡県嘉穂郡桂川町寿命328-3tel/fax 0948-65-3905 携帯 080-5259-1558E-mail costaricky@adachirikiya.com URL http://www.adachirikiya.com ◆今回のお話の根底◆アメリカの経済と軍事の傘に頼り、アメリカ型の大量生産、大量消費経済を行っている限り、エコで、平和で、持続可能な社会にはなれないのではないでしょうか! CO2の半減どころか、-6%すら達成できず、逆に、増加しています。 電気使用量も増加の一途。 それはそうでしょう。「経済を発展させる」「GDPを伸ばす」。それに向って努力しているということは、生産と消費を増やそうとしているのだから、電気も、CO2も、ゴミも、減るわけがない。矛盾です。 アメリカのまねをし、アメリカにお金を握られ、アメリカに軍事の傘をかぶせられておれば、誰が首相になろうが、変わらないのではないでしょうか。 本当の政治の根幹は、アメリカと水面下で決められているのでは。そんな気がします。 持続可能で、真に平和な社会になるには、アメリアに依存しなくてもいい社会にならなくてはならないのでは。 そのヒントとなるのが、コスタリカ、キューバにあるような気がします。 コスタリカ研究家の、足立力也さんが、キューバを訪問してきたので、アメリカがなくても、平和で豊かにやっていける国という視点で、ラジオ「ガイアの風」で2回にわたって、語ってもらいます。 今回は、第1回として、まず、キューバの状況を中心に語ってもらいました。 今回は足立さんがコスタリカから初めて行ったキューバについて語っていただきました。まず、キューバに行くには一般にはメキシコかカナダを経由します。大国アメリカからは便がないのか?→アメリカとキューバは国交がないから!日本と韓国・釜山の距離より近いアメリカとキューバの距離なのになぜ?それはキューバの歴史が語ってくれています。 ◆キューバの雰囲気◆キューバは足立さんが持参いただいた楽器や番組中にかけていただいた音楽から感じ取れるように、とても明るい雰囲気の人たちが多いそうです。街中には音楽があふれ、陽気で、人懐っこく、誰にでも声をかけてきて、そして5時間はしゃっべていられるほど電話好きでおしゃべりが好きな人たちだそうです。そして治安はよく安心して街を歩けます。しかし経済は苦しい状況です。食生活はあまり肉を食べず、野菜中心です。タイ米みたいに細長い米とあずきみたいな豆。油分が多い料理が多いそうです。<キューバの暮らしを見ることができる映画>・ヴェナビスタソシアルクラブ(キューバ音楽)・モーターサイクルダイアリーズ ・イチゴとチョコレート ・シッコ(保険問題) ◆キューバの歴史◆キューバはコロンブスに発見されてからずっとスペインの植民地でした。1860年頃から、独立運動や戦争がおこり、もう少しで独立しそうなときにアメリカが介入してきて、アメリカとスペインが戦争しはじめました。(米西戦争)キューバはなにかあるときはアメリカが介入できる法律のもと、スペインから独立を果しました。そのころから砂糖の供給地、リゾート供給地として発展していきました。そして、米資本と結んだフルヘンシオ・バティスタによる軍事独裁がはじまりました。しかし、スペインからきた人たちや植民地奴隷としてきたアフリカ人、その混血の人たちは貧しいままです。それに対抗して、フィデル・カストロが立ち上がりましたが、投獄され、恩赦で国外追放されます。その後チェ・ゲバラと出会い、共に戦い、1959,1,1軍事独裁者バティスタがアメリカに亡命。事実上、キューバの独立となりました。 ◆革命後50年◆現在は共産主義体制。もともとはホセマルティが唱えた「マルティ主義」「マルティ主義」とは?・・・いろんな人たちがいてその人たちの集合体がキューバなんだ!人種差別をなくそう!今では世界でもっとも人種差別をない国です。白人が上、黒人が下とかありません。また、国の労働者の大多数が国家公務員。各自の収益はいったん国に入れ、国から給料を頂くことになっています。普通に商売や生活をしているから、はためには国家公務員とはわかりません。不満としては給料が足りない、そして給料に関して競争性がないそうです。町の床屋の亭主も国の仕事を任されている大臣も忙しさ、大変さ関係なくほとんど給料の金額はかわらないそうです。それから、報道の自由が規制されているため、ニュースに流れる情報も制限され、また一般市民はインターネットも使えません。10年以上も前の日本の様子をあたかも今の日本のようにテレビで放映されていたぐらい情報が入りにくいようです。しかし、おしゃべり好きのキューバ人だから噂はすぐに伝わり困らないらしいです(笑)文化の革命も成し遂げているキューバは今尚大国アメリカに頼らず国を成り立たせています。アメリカに支配されていた頃は砂糖の輸出とリゾートで国の利益をだしていましたが、1961年にアメリカとの国交断絶、その後援助いただいたソ連は崩壊で物資がキューバに全く入らなくなりました。その当時は食品自給率40%まで落ち込んでしまいました。その後いろいろな政策で今では約70%にまで回復しています。40%といえば、日本の今の自給率です。また、今年のサイクロンでキューバはかなりの被害があり、その緊急援助にアメリカが名乗りをあげたそうです。しかし、キューバはうけいれませんでした。甚大な被害にも関わらず、今の政権をゆるがさない姿勢に強い意志を感じます。足立さんによると、政権をひっくりかえすとアメリカに飲み込まれて一番下の位置ににつけられるのがわかっているからだそうです。そんな国の体制に不満をいだきながらも、持ち前の明るさでキューバの方々は乗り切っているとのことです。今日のこの時間は「キューバ」という国を足立さんを通して紹介致しました。みなさんがキューバという国を少しでも知っていただけたら幸いです。私は恥ずかしながら、「野球やバレーボールが強い国」しか知りませんでした。けれども人種差別がないことは素晴らしいなあ、と思いました。紹介の中で正直、素晴らしいと思う面もあれば、これはどうかなと思う面もありました。そして、この自給率の倍以上の回復に私たちは見習うところがあるのでは?キューバのようにアメリカや他国に頼らないライフスタイルをどうしたらできるのだろうか?最近のアメリカ経済はサブプライムローンから大手証券会社の破綻など日本の経済にかなりの影響を与えています。いまこそ自立した国・日本が求められているのではないでしょうか?次週のガイアの風ではこのあたりの踏み込んだ内容をお送りします。お聞き逃しなく! (コーディネーター 又野)