福島原発事故の宇都宮市在住の乳幼児に対する影響
大震災に伴う福島原発事故の報道、風評(?)が過熱してます。内容は様々で、さっぱり何を信じていいのかわかりません。「過敏になるような被爆量ではない」、「子供たちには大きな影響を及ぼす」、「政府は重要な情報を隠している」などなど。そして、これが自分の住んでいる宇都宮市への影響となると、もはやさっぱりわかりません。こうなりますと、もう自己責任において情報を精査し、判断するしかありません。ということで、妻、6歳の長男、4ヶ月の次男の家族を守る父親としてできるだけの情報を集め、「福島原発事故の宇都宮市在住の乳幼児に対する影響」について見解を出し、どのように対処するのかを考えてみたいと思います。 ブログに記載させていただくのは、せっかく勉強した記録を残しておくためです。読者の皆さんにも何かしらの参考になればと思いますが、あまりお勧めしません。 というのも、ご存じの通り、奥襟部長は原子力の素人です。大学は卒業してますが、進学は全て柔道推薦です。今は化学系の仕事に就いてますが、根っからの文系です。典型的な成績表は、国語と社会が5、英語が4、理科と数学が3でした(さりげなく国語と社会が5だったことを自慢しているわけではありません)。高校地理歴史、公民、中学校社会科の教員免許は持ってますが、何の関連もないことはご理解いただけるでしょう。ということで、この程度の資料を読んだ奥襟部長という男が下した判断はこういうものなんだ、ふーん、という感じで興味本位に読んでいただければと思います。先に参考とした記事を記載しておきます。できるだけ多様な意見を読むようにしたつもりです。放射能と放射線の違い(中部電力)【Q&A】ベクレルとシーベルト半減期とチーズとネズミのおなら早野龍吾さんのツイッターteam nakagawa「1年間の被曝量100ミリシーベルト以下なら安全」の大ウソ ~近藤誠・慶大医学部講師が暴露~池田信夫blog part2 福島第一はチェルノブイリではない。大前研一の原発解説 高松聡のブログウォールストリートジャーナル デービット・ブレナー 「福島原発の長期的な影響」ウォールストリートジャーナル 「福島原発の被災とよくわからない健康への影響」ヨミドクター 放射性物質付着した食品、食べてしまったら?福島原発メルトダウン影響と可能性Yahoo知恵袋 「福島原発・妊婦、子供への影響放射能の質問です」<福島原発事故> レベル7の影響毎日jp 福島第一原発:子どもは年10ミリシーベルト目安津田敏秀教授 「放射線による内部ひばくについて」山内正敏 「放射能漏れに対する個人対策」レナート・キュンツィ 「最も憂慮すべきは遺伝子変異」ダイヤモンドオンライン 破局は避けられるか――福島原発事故の真相 ジャーナリスト 広瀬隆武田邦彦教授ブログ原発がどういものか(平井憲夫) さて、それでは早速はじめましょう。第一回目は、宇都宮市の”現状”が乳幼児にどのような影響を及ぼしどう対処するか考えます。====================================================================== (1)現状 1. 放射性被ばくとはまずは放射性被ばくとはなんぞやという話から始めないと、その影響について述べることができません。なので、文系の奥襟部長にはとっつきにくいことこの上ないですが、頑張ってみます。単位からいきましょう。「シーベルトとは何ぞや」、「ベクレルとは何ぞや」、それと「半減期とは」からいきます。色々読みましたが、深く理解しようとすると目眩がしましたので、とりあえず大体のイメージを掴むことにしました。それにうってつけなのが、「半減期とチーズとネズミのおなら」だと思います。まずは読んでみましょう。はい、ぼやーっとしてますが、大体わかりました。僕のレベルはもうこれでいいです。多分。 次に被ばくとは何かに進みます。これを理解する助けになるのは、東大病院放射線科の中川先生のチーム「team nakagawa」さんのサイトだと思います。以下、要点です。・1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト・普通に過ごしていても、世界平均で2.4ミリシーベルト(2,400マイクロシーベルト)は自然に浴びる。・4,000,000マイクロシーベルトを浴びると、60日後に50%の確率で死亡する。・被ばくには、体の中から被ばくする「内部被ばく」と、外から被ばくする「外部被ばく」があり、人体への影響は同等だが、被ばくから逃れられないという意味で、「内部被ばく」の方が深刻である。・食物に含まれる「放射能(ベクレル)」がそれを摂取する私たちにどれだけ「被ばく量(シーベルト)」を与えるかは、放射性物質の種類、取り込み方、年齢などによって異なる。・100ミリシーベルト(100,000マイクロシーベルト)の蓄積以上でなければ発がん性リスクは上がらない(上がっても0.5%程度、ちなみに日本人は2人に1人ががんになる)。・乳幼児の被ばく量も10ミリシーベルト(10,000マイクロシーベルト)以上の被ばくがないと身体的な影響が生じないことが知られている 一気に、どれくらい被ばくすると危険なのかまでいってしまいましたが、だいたいわかったと思いますのでいいでしょう。Team Nakagawaの皆さん、わかりやすいサイトをどうもありがとうございます。ただ、最後の赤字の2点が、どうやら議論をよんでいるポイントのようなので、もう少し他の資料からも引用していと思います。・内閣府原子力安全委員会も、乳幼児の累積被ばく放射線量は10ミリシーベルト/年を目安とするとしています。・こんな記事も議論をよんでいます。「年間の被曝限度量、引き上げを検討 原子力安全委」・近藤誠慶応大学医学部講師は、以下のようにおっしゃっています。”そもそも100mSv以下の低線量被曝による発がんリスクには、2つの有力な仮説があります。 すなわち、(1)被曝線量が100mSv以下だと発がんリスクはほとんどないが、それを超えると急上昇する「しきい値仮説」、(2)100mSv以下でも被曝線量と発がんリスクが増大する「直線仮説」です。”上記を踏まえて奥襟部長の出した結論は、100ミリシーベルト以上だととにかく危険。確実に危険。それ未満でも発がん性のリスクは上がるけど、正直だれもどれくらい上がるのかはわからない。Team Nakagawaさんを信じるのであれば、0.5%程度。ということで、これを念頭において、先に進みます。2. 放射性物質とは以下は今まで検出された代表的な放射性物質で、ウランの連鎖反応中の副産物だそうです。これらを全てひっくるめて放射線量は数値化されているようです。 a.放射性ヨウ素131(半減期 8日) チェルノブイリ原発爆発事故の時の内部被ばくの主たる原因となったもの。特に小児においての甲状腺がんが増えたのは、これを相当量摂取したからだと考えられている。 b.セシウムCs-137(半減期 30年)、セシウムCs-134(半減期 2年) 体内に取り込まれた後、一部はすぐに排泄。残りは胃腸から吸収されて全身へ。 c.放射性ストロンチウム(半減期 29年) 検出しにくい。大気中に放出されにくい。体内に取り込まれると骨に吸収。成長期への子どもへの影響大。 上記がそれぞれどのような影響があるのかははっきりわかりませんが、とにかく体に悪い(おそらく全て発がんの原因となる)ので、一定量以上摂取してはいけないという理解でいきます。 3. 宇都宮市での外部被ばく栃木県は毎日空気中の放射線量を測定しています。4月15日の宇都宮(下岡本町)の空間放射線量率は、0.069マイクロシーベルト/時で、「健康に影響することはありません」だそうです。文部科学省の「都道府県別環境放射能水準調査結果」によると、宇都宮市の過去の平常値の範囲は0.030-0.067マイクロシーベルト/時らしいので、ちょっと高め?なのでしょうか。ほぼ変わらないと言っていいような気もします。こんなのもありました。日本地質学会「日本の自然放射線量」とにかく平常値とはそんな感じの差です。ただ、どこを測定するのかによっても色々と変わってくるそうで、この0.069が空気中の値としても、公園の土壌にセシウムが残っていて、そこで遊んでたりすると被ばく量が上がるというようなこともあるそうです。しかし、これについてはデータがないのでなんとも言えません。そんなこともあるんですね、という程度にとどめておきます。さて、ここから先はもはや仮定と計算の世界です。現在の宇都宮市の被ばく量は以下の通りです。 0.069マイクロシーベルト/時 X 24時間/日 =1.656マイクロシーベルト/日乳幼児の身体に害が出るレベルが10ミリシーベルト(10,000マイクロシーベルト)以上ですから6,038.6日、つまり24時間屋外で約16.5年浴び続けないと身体に害がでないことになります。ま、16.5年経ったら乳幼児の多くは成人してますし、許容量も増えますので、問題ないと言い切っていいのではないでしょうか。ということで、宇都宮市における乳幼児への外部被ばくの影響に関する奥襟部長の結論。「今の放射線量であれば問題なし」土壌のセシウムの話はどうなった、本当に10ミリシーベルトなのか、など、気にかかるところがないわけではないですが、いいんです。資料の読み込みと奥襟部長の経験と勘で、今時点ではこの結論に至りました。はい、決定。さあ、襟太朗、公園に遊びに行ってきなさい。さて、長くなったので今回はここまでです。次回は内部被ばくについて考えます。これが難しい。本当に難しい。今回よりも相当アバウトな話になると思いますが、ご興味あればどうぞ。