江川事件は世間からかなりの非難を浴びました。特に阪神ファンが怒っていたのが記憶に残っていますが、当時のマスメディアもかなり批判的だったのを覚えています。それに対し、FAでの移籍はプロ野球界全体を衰退させる危険があると、非難を浴びつつも、優勝してしまえば美談として語られるようになっていきました。
話を元に戻して、1990年代後半の小学生です。生徒指導上で大きな問題があったわけでもない年もあったにもかかわらず、不思議と、別な学年を持っても、他の学校に転勤しても、彼らあたりの世代から、明らかに勝馬に乗りたがる雰囲気が強まってき始めました。
サッカーでも、バスケでも、試合をするととにかく強いチームに入りたがる。ゲームをすると、少々卑怯なマネをしても、勝ちたがる。6年生を担任したとき、クラスで宝探しゲームをしたとき、約束違反で宝を隠すところを盗み見して、優勝した子供。盗み見だけではなく、宝を隠す係がその子供に隠した場所の情報提供をしていました。
ズルが発覚して、6年生にもなって、たかが宝探しでそこまでして勝ちたいのか、と叱りましたが、悪びれる様子もありません。昔ならそこで彼(クラスのボス的存在=勝組)のイメージはダウンだったはずなのに、男子だけではなく、女子までもが叱られた彼が可愛そうであるかのような様子。
そう、少々の悪事を働いていることがわかっていても勝組であれば支持をする雰囲気が、この辺りから顕著になってきたように思います。
それはおそらく、マスメディアが脚光を浴びている誰かさんを祭り上げるのとよく似た体質なのではないかと思います。ホリエモン、亀田親子・・・