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一応、「乱暴な言葉」シリーズは今回で終了です。ざっと今までのエントリーを読み返してみると、自分のしつこい性格が改めてわかりました。 「拒否る」という言葉が使われています。「拒否する」を一文字縮めただけなのに、冷たい雰囲気がぐっと強調されているように感じます。私の周りで「拒否る」を使う人はあまりいませんので、どれくらいの範囲で広がっているのかはよくわかりませんが、こういう言葉が出てきたことは、何か社会全般の中にあるムードを象徴しているのではないかと思います。 「ムリムリ」とか、「ハァ?」とかいう言葉も、他を拒否するときに使う言葉ですね。子供たちはよく使っています。下は、数日前に見た、「ハァ」を使っている様子で、若い担任が対応に困っています。 「君がそうじ中にほうきを振り回していたのに当たったとB君が言っていたよ」 「ハァ?B君は近くにいなかったし。」 「B君は君の後ろにいたから気がつかなかったんだと思うよ。」 「ハァ?B君はそのときは何も言ってなかったし。」 「でもB君が当たったと言っているんだから謝った方がいいと思うよ。」 「ハァ?B君もそうじをさぼっていたし。」 「その、いちいちハァって言うのをやめなさい。」 「ハァ?みんな言ってるし。」 全ての言葉の接頭詞のごとく、「ハァ」がついています。とにかく、「拒否」なのです。 今年のクラスも4月当初、誰かが発言するたびに、「ハァ?」でした。「ハァ?」と言わない子供も、態度が「ハァ?」と言いたげであったり、そうでなくとも心の中が「ハァ?」であるのが透けて見えたりします。 TVで「ハァ?」を広めはじめたのは、とんねるずだったように思います。誰かが何か的が外れた発言をしたときに、全員で「ハァ?」というギャグパターンを1994年あたりにやっていたのではないかというのが記憶にあります。最近ではすっかり一般化して誰でも「ハァ?」を言います。顕著に言うのは司会の王様・さんまかもしれません。 自分を守るためには、他人を拒否することが必要な場合があります。私自身、アンチテーゼが強く、マイペース人間なので、他人を拒否することが多いです。心の中ではおそらくしょっちゅう拒否反応を示しています。 ただ、これをあまりに表に出してしまうと他人とうまくいかなくなります。人間関係が悪化します。それは当然のなりゆきです。否定されてうれしい人はあまりいませんでしょう。 相手を否定しない努力は、なかなか難しいです。 前にエントリーした大阪大学小野田教授が著書「悲鳴をあげる学校」の中で、クレームにどのように対応するかを書かれています。その中で、相手の意見が受け入れがたい場合は、「そうですね」はまずいので「そうですか」と言うようにすればいいというふうに書かれていました。 「そうですか、あなたはそうお考えなんですね。」 と、とりあえずであっても、「私はあなたの言いたかった意見を聞きました」という印を示すことは、大事かもしれません。それを、「ハァ?」 等、拒否的な態度でやっちゃうと、プツンとつながりが切れてしまいます。
私は子どもたちにこんなふうに言います。 「壊すことは簡単。創ることはたいへん。例えば、コップを粉々にするのは誰にでもできます。でも、それを元に戻すことは、たいへんでしょ?」 場合によっては、目の前で本当に割って見せます。 「君達も、人の心を壊しちゃうようなことをやっていませんか?ギザギザな心がいいのですか?」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 13, 2007 12:49:21 AM
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