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カテゴリ:児童・生徒の問題
学級会の時間に、少年野球クラブの子供たちから、クラスで野球をやってみたいとの発言がありました。大半の子供たちにとっては、初めてのバットで打つ野球でした。そこで簡単ルール作成委員会を作って、「ピッチャーは攻撃側の味方」「守備側が2塁ベースを踏んだら走塁は一旦ストップする」等、分からない子供も参加できるルールを考えさせて実施してみました。 そもそも、野球は、高度な集団遊びです。野球に関する知識がない。技術もない。そして、ゲームを運用するに当たって、折れ合うことができない。この3ないでは、見事に野球は成り立たなくなります。 こんな状況で野球をするには、色々と配慮が必要なのです。年々、簡単ルールを適用しても、なかなか上手くいかなくなってきています。いつの間にこんなにできなくなってしまったのでしょう??1990年あたりに担任した子供達は特に何の配慮もせずに野球をさせても、支障はありませんでした。では、現在、子供達が野球をしようとすると、どういう差しさわりがあるかというと・・・・ ◇経験がないというよりも、そもそも、野球を見た事もない。フェアかファールかもわからないので、いちいち知っている子供からの支持が必要。 ◇フェアになったらどちらに向けて走っていいのかさえ分かっていない。冗談抜きで3塁に向かって走り出す子供がいます。 ◇知っている人が少ない上にルールが難しいので、運営面で困ってしまう。 ◇セルフジャッジができない。「ボール・ストライク」「フェア・ファール」「アウト・セーフ」でいちいちもめる。 ◇とにかく、「今、自分は、このことで不満なんだ」といった主張を延々と一人一人が、続けます。それではゲームが成り立たなくなるという事を理解できません。で、うまくいかなければ、「面白くなーい」と、簡単にやる気をなくします。全体のゲームを進めてみんなで楽しむために折れ合うという事ができないのです。これは、野球に限らず、今の子供たちの基本的な性質です。
昔、自分たちがやっていた野球がそんなに優れていたとは思いません。インチキまがいの判定を主張する我がままな奴もかなりいました。それでも、そんな奴らの言う事も半分きいたり、自分たちの主張も上手に通したりしながら、なんとか利害を調整する事ができました。
プロ野球が人事という一大事をコントロールできず、ワガママを通してしまう球団(巨人・西武・ダイエー)によって痩せ細っていくことと同時並行するかのように、子供たちの草野球も衰退していきました。
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