Drops

会社に一本の電話。
「ツバメがマンションの通路に２個も巣を作った。
糞とか落ちてきたりして汚いのですぐに撤去してもらえないか？」
・・・という女性からの苦情。

高層マンションのベランダなんかには
よく土鳩が巣を作ってしまうので、
概観無視してネットを着けている所もよく観る。
土鳩だって、好き好んで人間の作った
堅くて冷たいコンクリートに巣なんか
作りたくないだろうにね。。。
鳩のトラブルは実際多いのだ。。。

私の中では、ツバメってラッキーチャームだと
思っていたので、そんなツバメの巣を
撤去だなんて・・・一瞬
「いや、彼等も入居者で、家賃と共益費を頂いてますので」
って言ってやりたかった（ウソは駄目だろう）

頭の中で、黄色いクチバシを拡げて
ピイピイとエサをねだる雛の姿を思い浮かべてしまった。
もうじき巣立つ時期だし、もう少し待って
もらえないかなぁ・・・と祈る気持ちでいた。
通路だし、いいじゃんね～～？？
部屋ン中だったら嫌だけどさぁ・・・・

田舎の婆ちゃんの家なんかは、昔ながらの
農家のつくりだったんで、ツバメが部屋の中というか
土間に毎年入ってきていて、太い梁には
いくつもツバメの巣が作ってあった。
ツバメ様のお陰で、虫は減るのだけれど
戸締りができないのだ。そういう家が昔は
あちこちにあった。

先日、車のガラスめがけてトンボが
飛んできた。ぶつかりながらも
再び飛んで・・・同じ動作を繰り返す。
ユウタボンが
「あれってね、水と間違えてタマゴ生もうとしてるんだよ」
・・・・知らなかった・・・そっか。トンボって
水の中にタマゴ生むんだよね。キラキラと
反射するものは水と間違えてしまうってワケなのか。
でも、なんかそんなトンボが気の毒に思えてしまった・・・
安心して子孫を残せる池や小川も減ってしまったからなのか？と。

ある人のＨＰで話題（？）になっていた
７年前に地中に命を受け、７年後に出てくる地面を
失ってしまった蝉。

携帯の電磁波でコースの変わってしまった
渡り鳥。

そして、山は乾き鹿が増える・・・・

このままでいいのかなぁ・・・？
地球って人間の所有物じゃないのに
人間が一番威張っている。

動物の世界でも、在来種は居場所を奪われて
どこからともなくやってきた新種の動物に
生命を脅かされていたりする。

先住民から領地を奪って、差別をする人間のほうが
質が悪いのかもしれない。やっている事は近いかも。

このまま時間が過ぎたら
きっと在来種である私達も行き場がなくなるのかも。

・・・とツバメの一件で
想像がドンドン膨らんでしまった。



結局、ツバメは巣立つまでマメに
掃除に伺う事になり、一件落着。
去年はツバメのために、自宅のガレージを解放して
自分達は別の月極を契約したお客さんもいたっけな・・・

「奇特な人だねぇ」と言う人もいるかもしれないけど
こんな人もいるんだ～って嬉しくもなりました。