ナースのためのキャリアカウンセリング

[自己理解から始まる仕事探し] カテゴリの記事

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• 専攻の違いは思考の違い

  私が行っている大学院の専攻は、「経営学研究科キャリアデザイン学専攻」というところです。 で、この中で、修論の発表会や先輩たちの論文を読んだり、自分の修論のテーマに沿った先行研究やテキストを読んでいるわけですよね。 当たり前ですが、専門の勉強をしていると、（といってもキャリアデザイン学専攻は、良いのか悪いのか、かなり幅広いんですけどね・・・）思考がいつもその方向に向いてしまうようです。発想も狭くなるのかもしれません。それは医学や看護でも同じなのかなあって思うのですが・・・ で、どうしてこんな事思ったかというと、先日受けた授業中に、他の専攻の方の話を聞いたときのエピソードがきっかけです。Ｍ１の時は、必修科目をとらなくちゃいけないから他の専攻の科目をとる余裕がなかったので、キャリアデザインの人たちの中で授業を受けました。すると、多少業界は違っても興味関心の向きは同じ方が多かったから、話がスルリと入ってきてた。でも、Ｍ２になって、他の専攻の授業も多少とっているわけです。で、その一つに政策科学専攻の授業をとってるんです。ですから、周りは政策科学の方が多い(当たり前ですが・・・）その授業中にひとりの方の修論のテーマを聞いたんですね。だけど、まず全然頭の中に入ってこなかったんです。で、次に、発想の向きが１８０度違うんだ！ってことに驚いたんです。 これは私が勝手に思ってることかもしれないんだけど、キャリアや経営のことって、組織、そして、個人を扱いますよね。マクロな部分もあればミクロな部分もあるけど、わりと身近な問題だなって感じがしてました。身近というか、自分たちで取り扱えるって感じかな・・・ ところが、その方の専攻は、「政策科学」だからでしょう。扱う規模が違った！！！！！ テーマは「どのような道州制にすればいいか」 私なんて無知なので、最初ピンとこないので、「どうしゅうせい？」「どうしゅうせいってなんですか？」と質問しちゃいましたよ。というか、頭の中に全くない問題だったんですよね。と同時に、そんなものをどうやって修論にできるんだろう？って思ってしまうほど驚いてしまったのです。まず、世の中では道州制にしようという動きがあることも知らなかったし、同じ修士で、そんな大きな問題に挑む人々がいるんて！！！！って驚いたわけです。 で、その時は、驚いただけだったんだけど、しばらく経ってから、時々、全然違うことやってる人や発想の違う人と話さないと、思考の方向が固まってしまう可能性があるなってこと。 ある時は、突き詰めないといけないんだけど、たまには、全然違うとこからみることも大事ですね。 いい経験でした！！！

  2008年04月27日

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• 全くずぼらな私ですみません。

  日記も書いてない・・・そして、あっという間に、セミナーが最終回を迎えてしまうのに、お知らせしてなかった！も～ーー、自分で呆れます。ギリギリですが、、、、がるぼっちのキャリアセミナー最終回6月20日（水）18:30～　日本教育会館809号室 にて開催「私を選んでくれるかな？応募書類の書き方」ということで、これまでの5回を振り返り、自分の棚卸しを含めて、一度応募書類作成に挑戦してみましょうということです。でも、初めての人でも大丈夫！こんな風に書くといいよってコツを教えます！それにしても。。。。私のずぼらさ、これ直さないとな～～～。反省の日々・・・・・・・・向いてないよね、、、でもやってる私。これって深いでしょ？

  2007年06月18日

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• 私のルーツ？！

  以前の学校の校長は、うちの父と同い年。この校長先生に私は結構お世話になりました。（ご無沙汰していて申し訳なく思ってる今日この頃）私のキャラクターもあり、気軽に軽口をたたける感じでよく話をしていたのですが、ある時、その校長が言うのです。「あんたのお父さんの話（歴史）をきちんと聞いておきなさい。それが子どもの役目だよ」そのときは、ふーーん、そうかもしれないけど、そんな話改めて聞かないしなあ・・・なんて思っていたのです。でもね、一昨日、ご飯食べているときに、父がおもむろに自分の話をし始めました。まあ、昔からちょっとだけ知っていたけど詳しくは知らなかった話です。父は終戦の年の３月に満州に母親に急に連れて行かれたらしいのです。中学生になる時だったということです。父曰く、母親（私の亡くなった祖母）は「パッパラパーな人」で、まだ来るなって言う親戚の声も無視して満州に行ったらしい（＾＾； この祖母は派手で、他にも破天荒なことをたくさんしていたので、父はずっと祖母のことを嫌っていたのでした。父が祖母のことを嫌いなのは知ってましたが、そういう理由かっていうのも今回わかった。ついでに、私のパッパラパーな性格はこの祖母譲りなのではないかと思えてきました（＾＾；；；まあ、それはいいとして・・・ 父はそのとき、地元ですごく優秀な学校に合格して入学が決まっていたらしいのですが、とるものもとりあえず満州へ。そんな祖母ですから、転校の手続きも何もしていなかったために、奉天の中学に入学もできなかったらしく、悔しい思いをしたのです。その後、父は家族と一緒に日本に帰ることを拒否し、一人で中国に残り、いろんな苦労して中国人や出会った日本人の家で世話になりながら、３年後に日本に帰ってきたということでした。帰国後も進学したくても環境が許さなかったようです。仕事もそのときの伝手を頼りに職人になったんだもんね。他の仕事したかったんだろうな。勉強したかったらしいしな。それはずーーっと父の口癖でした。 ででで・・・やっぱり、そういう経験は、心に闇をもたらすようで、父のその後の人生は恨みやあきらめが多い人生だったんだもんね。家族との確執もそういうところにもあるんだろうな。進学に対しても全然協力的でなかったのも何となく頷ける気がしてきました。大学進学に関して言えば、行かれなかった一番の理由は私が勉強しなかったことだけど、浪人や私立に行かせようとはしてくれなかったことに対して、私自身が少し恨みがましい気持ちがあったことは否定しません。父はずーーと心に闇を持って消化できずにいたんだな。私が父でもそうだったかもしれないなって思いました。 でもね、時代が違うかもしれないけど、私はあきらめないよ、お父さん。後悔だけして生きていくのは嫌だなって思うから・・・そこら辺が婆さまの血を継いでいるのかもしれません。妹なんかからすると、かなり自分勝手な人ですからね・・・。でも、そんな父の思い、違う形でいいので、私が実現してみたいという気持ちになった夜でした。校長先生、先生が言ってた意味がわかったような気がします。ありがとうございました。

  2007年01月08日

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• セミナーやることになりました！

  師走の忙しい中、みなさんどうお過ごしですか？普段の仕事の他に、今週中にと依頼されている仕事をやっと終わらせ、ホッとしているまもなく、土日も仕事が入っているといううれしいような過酷なような日々を過ごしております。あっという間に１２月も半ば。。。キャリア関連の仕事に携わろうとして１年が経とうとしています。東京に出てくるきっかけになったこの仕事。牛歩ではあるけど、少しずつ私でもやらせてもらえるものが出てきました。来年の１月１８日から毎月１回（夕方１時間半）、６回シリーズで「キャリアスプレッド～あなたのキャリアの伸し方・広げ方（仮題）」と称してセミナーを担当させてもらうことになりました場所は東京の九段下というところの予定です。詳細については、決まったらまたお知らせいたしますが、概念的な「キャリアの考え方」から、具体的な「病院の選び方」までやりたいなと思ってます。６回の間には、メンタルヘルス、職場でのコミュニケーションなども内容に入れたいと思っているところです。具体的はこれから錬っていくところですけどね。セミナーと言っても少人数制なので、参加してくれた人たちと近い位置で、キャリアについて一緒に考えていきたいと思ってます。参加対象は、一応看護職のみなさんですが、徐々にいろいろ広げていきたいとも思っています。参加費は、１回１，５００円です。シリーズですが、１回ずつの募集です。興味のあるところだけ参加されてもＯＫ！！！自分のキャリアを見つめ直したい、キャリアについて興味がある、転職したいけどなあ、よくわからないけど、理由ははっきりしないけど、がるぼっち見学に行ってみるか（笑）など、皆さんの気軽なご参加お待ちしています！！！申し込み方法は後日またお知らせいたしますが、ワタシ宛にメールを下さっても結構です。こう書きながら、結構ドキドキしています。でも新しい出会いや出会った方々と一緒にキャリアを考えていけると思うとワクワクしてきます。さて準備に取りかからなくちゃ

  2006年12月14日

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• 自分の棚卸し

  仕事をしていると、好き嫌いに関わらず、今やっていることは自分の力になっています。今やっていることは、あなたの「職務経歴」になります。そう思っている人ってどの位いるでしょうか？私の時代は、就職というと、「履歴書」のみの提出でしたが（それでということもありませんが、私の場合、自分をしっかり振り返る機会は転職してもあまりなかったようです。）今は「職務経歴書」を添付しますよね。それが常識となってきています。どこで勤めていたかということだけでなく、何をしてきたのかを見るのですよね。まあ、未だに履歴書のみというところもありますが、でも、そういうところでも面接で伝えなくてはならなくなります。自分のやってきたことを言うって簡単なようで簡単じゃなかったりしますよね。特に、転職をしようと思う人は、必ず『自分自身の棚卸』をしなければなりません。合っているとか合ってないとか、好きとか嫌いとかに関わらず、自分がやってきたことを書かなくてはならないのです。あなたは自分のやってきたことをゆっくり振り返って自分自身の力を客観的に見たことありますか？でもどうやって書くの？どうやって自分の棚卸しをするのでしょう？実はこんな時、思い出してもらう作業を一緒にしたりして、クライエントの力を見つけ出すのもキャリアカウンセラーの仕事なんですけどね。まあ、それはまた別の機会にゆっくり書いてみましょう。就職相談、転職相談をやっていると、自分には「何もない」と思う方がいらっしゃいます。本当にそうでしょうか？思ったよりもたくさん力がついているものです。そして、客観的に棚卸ししていくうちに、その力の使い方も見えてきます。例えば、外科だから外科の経験しかないのでしょうか？外科で勤務する中で何を勉強しましたか？何が得意になりましたか？一つ一つ見ていくことによって、一見全く違う分野で発揮できる力が発見できるものなのです。極端な話、趣味の中からも見つけられるかもしれません。転職の有無に関わらず、一度、自分の棚卸ししてみませんか？

  2006年09月14日

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  転機について（その３）

  さて、転機についての最終回です。その前に、シュロスバーグの本をご紹介！どうも「である体」だと文章が硬くなりすぎる気がしましたので、今日は「ですます体」で！このシュロスバーグの考え方、どうですか？何か自分が変わらなければならないような転機に直面したとき、少しだけ自分とその周りを客観的に見ることで、その天気の乗り越え方が見えてくるということを書きました。今回はその具体的な乗り越え方をご紹介します。シュロスバーグは転機を乗り越えるための方法を２段階で説明しています。第1段階：リソースを点検する・・・転機を乗り切るためのリソースにはどんなものがあるか。第2段階：変化を受け止める・・・転機を乗り切るための戦略を立て、そのためのリソースを強化する。まずは第1段階：リソースを点検する。ここでいう「リソース（内的資源）」とは、変化をコントロールするために利用できる力です。リソースは「4つのS」としてまとめることができます。１つめのＳ・・・Ｓｉｔｕａｔｉｏｎ（状況）　今起こっているこの状況はどういうものであるか自分自身でどう思っているのかを分析！この状況は＊予期されていたか。＊自分はマイナス、プラス、どちらだと見るか。＊タイミングはよかったか悪かったか。＊上昇か下降か。＊自分は転機のどこにいるのか？（始まり？中間？終わり？）＊自分が到達したい目標は？２つめのＳ・・・Ｓｅｌｆ（自分）　自分自身で自分の内面的な資源を探してみましょう。自分自身を客観視することも大切なことですね。あなた自身に問いかけてみてください。＊いつも人生に対してどんな見通しをもっているか。＊今どのくらい幸せを感じているか。＊変化に対して立ち向かう方か、圧倒される方か。＊変化が起こったとき、コントロールできると思う方か。＊今持っている力（興味・スキル・経験）はなにか。３つめのＳ・・・Ｓｕｐｐｏｒｔｓ（支援）どのような支援がどのくらい得られる可能性があるのかを見つけよう！＊必要な援助を他の人から得られるか。＊家族や親しい友人からの支援があるか。＊今まで自分を支えていた支援システムは途絶えたり変わってしまったか。＊自分を支える支援システムは今回の転機にも活用できるか。＊誰とネットワークを築けるか。＊必要な資金はあるか。４つめのＳ・・・Ｓｔｒａｔｅｇｉｅｓ（戦略）可能な対処戦略を見つけ出そう！＊いままで気づかなかった戦略はないか。＊この転機の意味を変えようと思ったことはあるか。＊ストレスの処理をしているか。＊課題が変わったときには戦略もかえることができるか。これらを一人でやろうとすれば、つらい感じもしますね。こんなときは、やはり、キャリアコンサルタント（カウンセラー）や信頼できる人と一緒に作業していくと、自分が気づかなかったいい面も引き出せるかもしれません。ここまで来ると、最後は「行動あるのみ」です。第２段階：変化を受け止めるとは、第１段階の分析を実行し、いくつかの戦略やリソースを強化していきながら、自分にあった戦略を選び取っていくことです。そのために「行動計画」を立てると、さらに自分が対処していくのにいろんなことを考えるのに役立つことと思います。で、こういう方法を使うことはすごくいいことだと思います。ある視点を持って物事を考えることは大切なのだなって思いました。こういう分析って、大抵の人は、なんとなく頭の中でやってるんだなって改めて思いました。考えてますよね、きっと。でも、大きな転機になればなるほど、混乱してしまい、視野が狭くなり、乗り越えられる道があるのに見つけられないままになってしまうこともあるのだろうなって思ったのです。こんな方法があると知っておけば、少しでも冷静に考えられる、計画的に対処できる。そのお手伝いもできる！「理論を実践に活かす」そういうことなんだなって思います。他の分野でもそうなのでしょうが、実はこれは看護教育の中では普通にやってます。看護理論を使って人間を分析し、看護援助を導き出すのですよね。そう、「看護過程の展開」です！何気なくやっていることを理論を使い系統立てて考えることで、全体像が見えてきたりするのですよね。すると、視野が広くなる気がします。まあ、理論にばかり頼って分析してもいけないこともあるんですけどね。実は私は「直感」を使うのも好きなので。ただ、その直感も理論を知っているからこそ思いつくこともあるのだと思うのです。だから、勉強するって大切だな・・・なんて思う今日この頃。若いときには全く考えもしなかったなあ・・・（＾＾；；；この秋、私も結構大きな転機を迎えようとしているのですが、自分自身の分析やってみたいと思います。みなさんも何かの理論を実践に活かして、いろんなことを乗り越えてみましょう！「転機について（その１～３）」までの引用参考文献は、日本マンパワー　キャリアカウンセリング養成講座テキスト２　でした。　

  2006年06月13日

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• 転機について(その２)

  前回、転機は避けられないものだから、それにどう対処していくかが大切だという話をした。そうはいっても自分に起こっている変化を真に受けている時、人はどうしていいのかわからずに戸惑うことが多い。自分が今置かれているのはどういう状況で、これからどうなっていくのか、何をどうすればいいのか・・・すぐに判断でき、対処方法を見つけられるときはいいのだが、そうではないときにはどうすればいいのか？大きく変化しなければならないときほど、マイナスな変化をしなければならないときほど、人は混乱するだろう。対処方法を考えるにも、まずは、自分の状況を把握してみて、問題は何であるのかを見つけることが先決になる。以下に紹介する視点で自分の転機を分析してみると、自分はこの転機、変化をどう捉えているかが客観的にみられるかもしれない。自分の状況を客観的に捉えられると、そこからは、どう対処していけばいいのか具体的に見えてくる事が多い。今回もまた、シュロスバーグの理論にそって説明したい。＊引用参考資料は前回同様、日本マンパワーさんのキャリアカウンセラー養成講座テキスト２！一口に転機と言うけれど、とても大きい転機もあれば小さい転機もある。大きい小さいと言うが、その転機の度合いや影響力は何によって決まるのだろうか？同じような出来事でも人によっては大きさが変わり、周りの環境によってもその影響力は変わってくる。シュロスバーグは転機の影響度を3つの要因から考えている。その要因とは、１．転機そのもの（イベント・ノンイベント）２．転機を体験する本人（対処スキルや方策）３．支援システム（本人が対処できるように援助する人や資源）だという。１．転機そのもの　１）転機の種類　　（１）実際に出来事が起こった場合と予期していた出来事が起こらなかった場合　　（２）小さい転機と大きい転機、嬉しい転機と悲しい転機　　（３）計画的な転機と突然の転機　　（４）コントロール出来る転機とコントロールできない転機　２）転機の起こり方　　（１）予期していなかった転機・・・事故、病気、死、失業など。　　（２）自分自身が決断して生じさせた転機・・・大人になって学校に戻る、結婚する、仕事上の転勤、昇進などを受け入れるなど。　　（３）正常な発達過程の通過点として生じる転機・・・年をとる、退職する、子どもの独立など。これらの転機の深刻さや影響を評価する際には4つの視点があるという。　　（１）転機の深刻さ・・・役割、関係、日常生活などをどの程度変えなければならないか。　　（２）転機のタイミング・・・人生の中で時期的によいときか悪いときか。準備期間はあるか。　　（３）転機に対するコントロール・・・本人は転機に対して何らかのコントロールや影響力を行使できるか。選択肢はあるか。　　（４）転機の持続性・・・転機によって生じた状況はいつまで続くか。一時的なものか、永続的か。　まず、ここまでで自分に起こっている転機そのものについて考えた。次は、その転機を体験する本人（自分）について考えて見よう。同じ転機を経験しても、人によって反応は千差万別である。例えば、喪失体験（失恋、愛する人の死、失業など）というマイナスの転機が襲ってきたとする。みんな最初は悲しみで落ち込んでしまうだろう。それは正常な反応である。しかし、その後、何年間も打ちひしがれたままの人もいれば、何かしらのきっかけで立ち直り幸せを取り戻す人もいる。この反応の違いはなんであろう？これは、転機そのものの違いではなく、その転機を抱える本人のリソース（内的資質）によるものであるという。そう、その人の自己概念が大いに関係してくるということだ。シュロスバーグは、転機に対処する能力を左右するものは、少なくとも4つあると述べている。　（１）人生全体に対する見通し・・・人生を肯定的にとらえているか、否定的にとらえているか。　（２）コントロール・・・自分が人生をコントロールできると思っているか、宿命として諦めているか。　（３）対処スキル・・・ストレス解消の仕方や、意思決定を通じて、行動の取り方を知っているか。　（４）過去の経験・・・以前の転機にはうまく対処でき、経験を積んでいるか。これらの項目は、まさに、その人の自己概念の形成に関連するものばかりである。しかし、自己概念は変化するものであるから、冷静に自分が今、物事に対してどのような対処機制をとる傾向にあるのかを理解することによって、考え方を変化させ、目の前にあることを乗り越える力を強化できるのかもしれない。自分を諦めないでほしいところである。さて、最後の要因は、支援システムである。自己概念を変えればいいと言ったって、自分の考えがそうすぐ変わるものでもないし、まず、そんなことに気づきもしない。自分自身がいくら強くても、前向きに考える人間であっても、転機そのものの大きさがそれに勝るほどのものであれば、自分一人ではどうしようもないときがある。そんな時、周りにある力があれば、転機の難度は減るという。難しい局面にあっても支援システムによっては、何とか乗り越えられることもあれば、逆に支援システムがないばかりに深刻さが増す場合もあるだろう。支援システムには３つある。　（１）人・・・心理的な支えとなる家族や友人はいるか。　（２）物的資源・・・転機を乗り越えるための十分なお金や物的資源はあるか。　（３）公的機関や民間団体・・・転機を支援する機関やサービス団体はあるか。このようなことを点検してみると、自分に必要なものが見えてくる。以上のことを点検すると、さらに客観的に自分の置かれている状況をみることができる。みなさんも自分の転機について分析してみるといいかもしれない。できれば、一人ではなく、相談に乗ってくれる人と一緒に考えることをおすすめする。なぜなら、混乱し落ち込んでいるときには、人は冷静に判断できないし、自己尊重の低下があれば、自分の力を通常より下に感じてしまうかもしれないからだ。ここら辺の支援には、キャリアカウンセラーなどの支援がよいのだが、周りにいないときには、信頼できる友人などに手伝ってもらってはどうだろう。さて、現状を分析したら、どのようにして乗り越えるのか、その方法を考えていこう。しかし、長くなったので、その３で！！！

  2006年06月10日

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• 転機について（その１）

  前回のブロクに書いた「思い通りに行かない人生」については、皆さんに貴重なコメントをたくさんもらった。そして、またそれについて考えていたら、「転機」という言葉が浮かんできた。この頃、いや、しょっちゅう「転機」という言葉を見かけたり聞いたりする。ブログでもそうだし雑誌でもそう。みんな「転機」という言葉は身近に感じているはずである。でも、「転機」ってなんだろう？そして、なぜ、しょっちゅうその言葉を目にしたり耳にするのか？ナンシー・Ｋ・シュロスバーグというキャリアカウンセリングに関連した理論家の言葉を思い浮かべるとすぐにわかる。ここからはシュロスバーグの考え方に自分の考えも加えてご紹介していきたい。長くなりそうなので、何回かに分けて説明してみようと思っているのでご了承下さい。＊引用参考資料はいつものように日本マンパワーさんのキャリアカウンセラー養成講座テキスト２！何かの時には立ち戻って読んでいるのだ。シュロスバーグの考え方は以下である。「キャリア・デベロップメントは転機の連続である」「転機とは、何らかの出来事が起こることや、予期したことが起きないことによって引き起こされる変化である」要するに、ある出来事が起こっても起こらなくても、それが結果的に変化をもたらせば、その人に転機が起きたことになるのである。ということは、キャリアということにこだわらなくても、もう少し広く考えてよさそうだ。人生において、何か自分にとって変化が起きたときには、それは「転機」なのだ。（そんなことわかってるよっていわないでね（＾＾；）では、「転機」がどうしてそんなに重要なことなのか？「転機」による変化を考えると「なるほどな」と思う。通常、「転機」は人に以下のような変化を伴わせる。１．役割：その人が持つ人生におけるいくつかの役割に変化が起こる。２．関係：その人の周りの人々（大切な人）との関係に変化が起こる（強くなったり弱くなったりする）３．日常生活：毎日行う物事や習慣が変化する。４．自分自身に対する見方：自己概念が変化するかもしれないほどの影響がある。自分の人生上、これだけの事に変化が起きれば、その人への影響は相当なものである。変化したり変化しなければいけない状況になると、人はかなりのエネルギーを使う必要に迫られる。エネルギーを使うことが出来なければ対処できないからである。ただ、そのエネルギーはプラスに働く場合とマイナスに働く場合がある。転機が起こるといろんなことへの調整が必要になるために、その調整によってプラスとなったりマイナスとなったりするのだ。それはある時にはその人にとってかなりのストレッサーとなり精神的に追いつめられていくようなことも少なくない。出来れば避けたいことだってあるだろう。ところが、転機は避けることが出来ないのである。大小にかかわらず変化しない人生などありえないのである。ということは誰の上にも降りかかってくる出来事なのだ。だから、みんな自分の転機を自覚したときに「転機」ということについて考える。転機が避けられないことであり、だれにも降りかかることであるなら、その転機に対して何を考えればいいのか？大切なことは何か？そう考えるだろう。そう、おわかりのとおり、転機にどう立ち向かうかである。シュロスバーグは、転機によるマイナスの影響を最小限に押さえられるように対処することが大切だと述べている。さて、どうやって対処すればいいのだろう？この続きは「転機その２」で説明したいと思うので、今日はここまで。

  2006年06月09日

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• 思い通りにいかない人生はだめなのか？

  昨日、「不合格ばかりの人生」というテーマで、別のところで日記を書いた。自分のたくさんの不合格体験を書いたのだが、自分が思っていたより反響が大きかった。何でだろうなあって考えた。少なくとも私が書いたことに対して一言言いたくなるようなものってこの文章の中の何なのだろう？ まだ考えがまとまらないので、中途半端になりそうだが、ま、いいか。変なことかいてたらお許しください。昨今、「思い描けば夢は叶う」とか、「諦めないこと」とか、または、夢に向かうためのビジョンをしっかり描くことで自分の行動をはっきりとさせてみたりと、落ち込みそうで暗闇の中にいる感じのする自分を奮い立たせる本やセミナーなどが流行っている。世の中で成功している人ってどんな人なんだ？そう思って、成功者の自伝を読んでみたりする。セミナーにたくさん参加してみる。参加したことで何が変わるのだろう？なんとなく自分にもできそうな気もするが、自分とは別人なんだって思ったりする。そう思ってはみるが、その成功者のようにできるか？大抵はできない。ただ成功者のまねをしても同じようにはいかない。それはなぜだろう？それは、その成功者はあなたではないからだ。あなたとは違う人だからだ。じゃあ、どうすればいいのか？私は成功できないのか？そんなことはないはすである。何を成功とみなすかもその人しだいだし、あなたはあなたなりの思いを果たす方法を見つけ、失敗の乗り越え方を身につけることが大切である。では、自分なりの乗り越え方を見つけられるか？それができるかできないか、それってどこで別れているのだろうか。人は思い通りの人生を歩むことはなかなか難しい。実はほとんど思い通りには進まないことのほうが多い。妥協していることもたくさんある。それは人生を長く歩めば歩むほど感じる。私は凡人なので、成功したいという思いが強くないのかもしれないが、成功体験をたくさんしたい。失敗したいとは思わない。そうは思っている。そりゃあ、いつもうまくいったらどんなに幸せだろう。そう考えるのが常人であろう。でも人間って失敗してしまう。失敗すれば落ち込むし、自分のことを「だめ人間」と思ってしまうことも多いだろう。だから失敗したくない。それでも失敗することがある。でも、失敗を恐れて何もしなければ、実はなにも得られないこともわかってきた。考えてみると、失敗や不合格（ここでは他人に力が足らないことやそこに合ってないことを評価されることと勝手に定義する）をどう捉えたり、どう処理したりするかによって、その人のその後の人生が決まってくるように思う。当たり前のこといってるようだけど、実はとても大事なことなんだと再認識したのだ。「失敗」何を失敗と言うのか？失敗とはなんだ？失敗から何を感じ学ぶのか？（そういえば、失敗学とかいうものがあるそうだ。今度本を読んでみよう。）その失敗の原因をどこにするのか、その失敗からどのように立ち直るか、そういうところで、その人の次の行動が決まってくる。人間は学習する動物ですので、次にどう行動するかはその学習内容で大きく変わってくるのだろう。＊何度も何度も同じものに挑戦しそれを勝ち取る人。そういう人はきっと、そのものを勝ち取る方法を変えていくことで自分がゲットしたいものに近づいていくのだろう。＊何度か挑戦したときに、そのものが自分に向いてないことに気づく人。そういう人は方向変換できる勇気をもち途中で別のものを勝ち取るのだろう。＊一度失敗したことで、何かを勝ち取ることが自分にはできないと思い込んでしまう人。そういう人は自分は何もできないと思い込んでしまい自分を否定してしまいがちである。と、ここまで考えて思った。そうか、人は必ず失敗することがある。思い通りにいかないことがある。でも、同じように失敗した人がどのように立ち直るのか、乗り越えるのか、そういうことに興味があるのだ。自分も同じようなことを体験していれば、それに対する共感もあるのだ。思いを共有したいと感じるのだ。また、自分の場合どうなのかということをみんなと共有したいのかもしれない。そんなことを思ってしまった。違うかもしれないけど・・・失敗したり、人生が思い通りに行かないとき、あなたはどのように考える人なのだろう？

  2006年06月06日

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• 自分で決める大切さ（意思決定スタイル）

  　キャリア・カウンセリングに限らず、何か行動を起こすには、その人の意思決定が必要です。　「それはそうよ」って思いますよね。　でも、あなたは本当に自分自身の意思で物事を決定していますか？　意思決定をするとき何を根拠にしていますか？　今日の記事は「意思決定のスタイル」についてです。　これも私がＣＤＡの勉強をしているときに習った内容なのですが、非常に面白いなって思ったもののひとつです。 あなたは物事を決めるときにどういう決め方をしていますか。　１「私は物事を体系的･段階的にとらえ計画的である。」　２「私は迷って決心できない。」　３「さっさと決めて、あとで考えればいいよ。」　４「そんな気がするからそうする！」　５「あなたがそう思うならそうする。」　６「ん～、また明日考えたい。」　７「なるようになるでしょ。」　８「わかっちゃいるけど、私にはできそうにない。」　実はこの「意思決定スタイル」も自己概念が大きくかかわっています。その人の自己概念、環境などによってタイプが分かれるといわれています。　アメリカの心理学者のディンクレッジという人は、意思決定のタイプを８つに分けました。上記の８つのタイプが下記に対応していると思ってください。　この８つのタイプについて説明します。　１．計画型スタイル　体系的、段階的に意思決定を行おうとするスタイルで、以下の段階を踏んで意思決定するスタイル。　１）決定事項の明確化　２）情報収集　３）選択肢の明確化　４）根拠の評価　５）選択肢の中から最終選択　６）行動　７）決定と結果の検討　堅実でまじめなタイプの人に多いかもしれません。このタイプは、まあ、理想のタイプでしょうね。私はできましぇん（＾＾；　　＊注　緑色は私の完全なる私見ですのでご了承ください。　２．苦悩型スタイル　計画型スタイルのように進もうとしますが、複数の選択肢を見つけ、その情報収集もするのですが、どれにしようか迷うために、意思決定までたどり着けないスタイルです。　たくさんのメニューの中から何を食べたいのか決められずに店員さんにどんな味かを聞いています。人が食べているのを見て美味しそうに見えるけど、でもまだ決められない。そんなタイプかな？　３．衝動型スタイル　体系的なスタイルに沿って進まない。さっさと一つの選択肢を選び、ほかの選択肢を探したり情報収集をすることにあまり時間をかけません。　根拠のない選択をするタイプかな？　私はこのタイプかもしれません。だから間違っていることも多々あります（＾＾；　４．直感型スタイル 　計画的な段階を踏むことなく、自分でよい結果をもたらすと思われる選択肢を選ぶスタイル。あまり情報収集はしないで自分の経験や判断を活用します。　これまた私のタイプかもしれません。なぜかそんな気がしたり、勘が働いたと思ってしまいます。でもやはり根拠はありません（＾＾；；；）　５．従順型スタイル　個人のやり方、もしくは社会的規範に従い、他人が自分のための意思決定をすることを許すスタイル。　なに食べる？って聞くと、「あなたと同じでいい」「あなたが決めていいよ」そういうタイプの人たちかな？いいときもあるけど、人の意見が変わったら自分の意見も変わる可能性があり、危うい感じもします。　６．延期型スタイル　意思決定をする必要性はわかっているものの、恐怖心、または情報の欠如、もしくはやる気のなさから、決定を延期し続けるスタイル。　「間違っていたらどうしよう？」「はっきりわからないことは決めることができない」「なんとなく決めたくないなあ」などと考えて、伸ばし伸ばしにしているタイプかな？　７．運命論型スタイル　人生のいろいろな出来事は自分の力でコントロールできるようなものではなく、外部の力によって定められているものだと信じているスタイル。　運命は自分で決められるものではないと思っているタイプですね。がむしゃらに進んでいくことをしない人でしょうね。のんびりしているといえばのんびりしているのかもしれませんよね。　８．無力型スタイル　意思決定をしなければならないことはわかってはいるが、それにいたるプロセスまたは結果がおそろしくて、前に進めないスタイル。　「人生なんてどうせ思い通りにはならないから自分からあまり動かない」そんなタイプの人がこのスタイルでしょうか？自分の意思が自分の行動を決めるということに気づいていないのですね。人生思い通りにいかないこともたくさんあるので時々このように思うこともありますけどね。　どうでしょうか？あなたやあなたの周りにいる人たちは、どのスタイルに当てはまりますか？　大切なことは、自分で決めること、後悔しないような意思決定をすることだと思います。　自分自身で決めるということは自分の行動に責任を持つことです。　「好ましい結果」であっても「好ましくない結果」であっても、自分自身で決めていなければ納得できないと思うのです。自分で決めたという自覚がなければ、それまでの自分のやってきたことに満足感が得られるとは限らないし、人のせいにして終わりそうです。それは決してその人のためにはならないと思うし、また同じことを繰り返すことにもなりかねませんよね。　ＣＤＡとしての私たちは、クライエントがどこで戸惑っているのか、どこで進めずにいるのかを、クライエントの意思決定のスタイルを客観的にアセスメントしながら支援します。　背中を押したり、突っ走っている人に、少し周りをみることをアドバイスしたりするのです。　みなさんはＣＤＡではありませんが、自分のスタイルを知っておくこともためになるだろうし、周りの人が迷っているときに、どういうアドバイスをしたらいいのかがわかるかもしれませんね。　ずっと書いてきている「自分を理解すること（自己概念を知ること）」は、自分がやりたいこと、自分のキャリアを積み上げていく際の礎になる部分を知ることであると思います。　土台の質が土なのか、石なのか、コンクリートなのか、はたまた砂なのか・・・それを知ることで、その上に立てられるものも見えてくるでしょうし、土台そのものをどう強化したらよいのかもわかってくるのではないでしょうか？さて、自分を理解できて来たなら、次のステップへ進んでいきましょう！引用・参考文献：日本マンパワー:キャリアカウンセラー養成講座テキスト５

  2006年03月26日

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• 自分のキャリア･アンカーを見つけよう（２）

  　今日はキャリア・アンカーの種類を紹介します。ご自分はどれに当てはまるのかなってちょっと考えて見る機会になるといいなって思います。でも、それがすべてではないので、自分の傾向を知る指針にしていただければいいなって思っています。ぼんやりしていたものがはっきりした時、自分自身に問いかけやすくなる。ここに自己分析をする意味があるような気がしている今日この頃です。　さて、本題です。　キャリア･アンカーには8つのカテゴリーがあります。　紹介する一つひとつに対しては、ある程度の関心は誰もが持っていることです。それはそうですね。働いていく上では、どれも大切な要素だと思います。ただ、どうしてもこれだけはあきらめたくないという領域、これがあなたのキャリア･アンカーとなります。　実は、キャリア・アンカーは、ある程度の仕事の経験をしてきている人のほうがはっきりわかります。それはやはり、仕事を通して自分というもの（自己概念）を作り上げてきているからだといわれます。まだ働いたことがなかったり、間もなかったりする人は、何となくでもいいと思います。探してみてください。【専門･職能別コンピタンス】　自分の才能を発揮し、専門家（エキスパート）であることを自覚して満足感を覚える人。専門分野での管理職になることはいとわないが、管理職になることには価値をおいていない。【全般管理コンピタンス】　経営管理そのものに関心を持ち、ゼネラルマネージャーに求められる有能さを身につけていることに価値を置く。組織の段階を上がり、責任ある地位に着きたいという願望を抱いている。【自立･独立】　どんな仕事に従事しているときでも、自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の標準で物事を進めることを好む。組織での生活を制約の多い非合理的なものと感じ、自分のプライベートな生活を侵害するものと認識する。【保障・安定】　安全で確実と感じられ、将来の出来事を予測する事ができ、しかもうまくいっていると知りつつゆったりとした気持ちで仕事ができ、そんなキャリアを送りたいという欲求を最優先させる。安定していて頼りにできるというイメージのある組織で仕事を探す事が多い。【起業家的創造性】　新しい製品や新しいサービスを開発したり、財務上の工夫で新しい組織をつくったり、あるいは現存する事業を買収してもくろみどおりに事業を再編したりして新しい事業を起こす欲求を強く意識している。人生の早い時期からその意識が強い人が多い。【奉仕･社会貢献】　自分の中心的な価値観を仕事の中で具体化したいという考えから職業につく人。何らかのかたちで世の中をもっとよくしたいという欲求に基づいてキャリアを選択する。【純粋な挑戦】　自分のキャリアの特徴は、何事にも、あるいは誰にでも打ち勝つことができると自覚しているところにある人。不可能と思えるような障害を克服すること、解決不能と思われてきた問題を解決すること、極めて手ごわい相手に勝つことなどを成功と考える。【生活様式】　生活様式全体を調和させる事ができなければならないと考える人。個人のニーズ、家族のニーズ、キャリアのニーズをうまく統合させる方法を見出したい。組織のために働くことには非常に前向きではあるが、自分の時間の都合に合わせた働き方が選択できるという条件を求める。　自分のキャリア･アンカーを見つけるには、ワークシートなどがあります。ワークシートの項目を抜粋してみると・自分のこれまでのキャリアや教育の中で自分がどこに満足してきたのか。・不満なところは何なのか。・好きなことは。・こだわりは。・求めているものは。・辞めた（辞めたい）理由はなんなのか。などです。書き出してみるといいと思います。　さて、自分のキャリア･アンカーを見つけてどうしたらいいのでしょうか？　私が考えている一番大切なことは、見つけた自分のキャリア･アンカーと現実の状況とに、どのように折り合いをつけるかなのだと思います。　自分の求めている仕事にぴったりならいいのですが、そうではないときにどう考えるか？　仕事を探したり新しく変われる状況なら、それを参考に次の仕事を探せます。　でも、仕事を変わることもできないしやめることもできない。そんなときはどうしますか？　実は、自分のキャリア・アンカーを知っていると、今の状況の中で自分を保つ「よりどころ」を見つけることが出来ると思っています。今の仕事の中に一時的にでも自分のアンカー（錨）を降ろすところを探せる、仕事にやりがいが見えるかもしれません。自分の能力を発揮できることを見つけられるかもしれないのです。　仕事の中には多様性があります。いろんなところにアンテナを向けると、やってみたい事が見つかるかもしれません。私は、仕事の中に小さな満足感を見つけることは大切だと思ってます。自分の満足感です。せっかく仕事をするのだから、体はきつくても心に満足感を持ってほしいと思っているのです。これも理想なのかなあ？でも私はそう思ってずっと仕事をしています。　ご質問やご意見を是非聞かせてくださいね！引用･参考文献：・エドガーH・シャイン著・金井壽宏訳「キャリア・アンカー　自分の本当の価値を発見しよう」白桃書房　・針原桂子著「再就職を目指す女性をサポートするキャリア･カウンセリングハンドブックハンドブック」女性労働協会

  2006年03月22日

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• 自分のキャリア･アンカーを見つけよう（１）

  　自己理解する方法として「強み」について見つめてみることをお勧めしましたが、今回は「キャリア・アンカー」という視点から自分を見つめてみると、自分がやりたいことや強みの活かし方も見えてくるということを書いてみたいと思います。　同じ職場で働いていると、いろんな人がいることに気づきます。客観的にみると、内容、忙しさ、環境など同じように見える仕事でも、一人ひとり仕事についての思い入れや仕事の志向、仕方は異なっているのです。それは何によって異なっているのでしょう？ ナースの仕事を通してみてみましょう。ナースの仕事はチームで動くし交代で働くため、同じ仕事をみんながやることが多いので考えやすいですね。（まあ、厳密に言うと、一人ひとり仕事って違うのかもしれませんけれど、ここでは同じとして考えてみてください。）「師長になって病棟を変えてみたいなあ。」「リーダー業務の前の日は憂鬱でたまらない。」「私ってなぜか忙しい日はどのように切り抜けるかを考えるのが好きなのよ。」「看護でも業務でも工夫をすることが大好き。すごくワクワクする。」「毎日早く帰れるように仕事したい。自分の時間を大切にしたいの。」「私は処置係になるとなぜかうれしくなる。自分の技術を試すことができるから。」「もっと勉強したい。糖尿病の指導については誰にも負けないナースになりたい。」「突発的なことがないことが一番いい。今日も何もありませんように。」「先生との交渉ごとは私上手だよ。任せてほしいな。」「忙しくても遅くなってもいいけど、患者さんとゆっくり話したい。」など・・・　これらは、その人が自分で認知している（はっきり自覚しているかどうかは別として）仕事に対する自分の能力や興味、価値観の違いですよね。もう少し広義にいうと「自己概念の違い」ということになります。この仕事における自己概念の一要素のことを「キャリア・アンカー」といいます。キャリア・アンカーは、エドガー・H・シャインらの研究から生まれた言葉です。「キャリア・アンカーとは、あなたがどうしても犠牲にしたくない、またあなたの本当の自己を象徴する、コンピタンス（有能さや成果を生み出す能力）や動機、価値観について、自分が認識していることが複合的に組み合わさったもの」とシャインは言っています。　アンカーとは、英語で「錨（船のいかり）」という意味があります。　キャリア・アンカーは、キャリア選択を重ねる中で、自分の本当にやりたいこと、自分自身を発見する拠り所となります。キャリアとありますが、広い意味で捉えると、人生の拠り所（ライフ・アンカー）とも捉えられます。仕事、家族、自分の間の優先順位をどう考えているのか、どう調整しようとしているのかによって、仕事の仕方やキャリア選択は大きく変わってくるはずです。　　だとすれば、環境が変われば変わっていくものだと思われそうですね。しかし、キャリア･アンカーはあまり変化しないといわれています。　例えば、「もっと仕事したいけど家族がいるので今は仕事より家族を優先したい。本当は看護の勉強をもっとしたいんだけど。」そう思っている人は、その制約（家族の世話）が軽くなったときには、自分のキャリア･アンカー（拠り所）に沿った行動をとるといわれています。　そう考えてくると、一人ひとりの仕事に対する思い入れの違いは明白ですね。同じ仕事をしていても、その人のキャリア・アンカーが違うのですから、同じ状況で同じ仕事をしていても満足感が違うのは当然です。また自分がどうして仕事をしていて楽しめないのか、やりがいを感じないのかもわかってきます。　何を目指して仕事をしていくのか、より満足できるキャリア選択とはなにかを探していくときには、自分のキャリア･アンカーが何であるのかを自覚することが大切です。妥協できることと妥協できないことがはっきり見えてくると、自分の希望と現実の調整をしていくことができるようになるのですから。　では、あなたのキャリア･アンカーを見つけるにはどうすればいいのでしょうか。まずはキャリア・アンカーにはどんな種類があるのでしょうか。　長くなるので、次回へ続きます。【引用･参考文献】　エドガーH・シャイン著・金井壽宏訳「キャリア・アンカー　自分の本当の価値を発見しよう」白桃書房　　針原桂子著「再就職を目指す女性をサポートするキャリア･カウンセリングハンドブックハンドブック」女性労働協会

  2006年03月19日

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• 強みを見つける方法「自分の売りを探そう」

  　あなたが新しい職場に面接に行ったときに、面接官にこう聞かれたらどうしますか？「あなたの売りは何ですか？」　｢売り｣･･･言い換えると、あなたの「強み」ですよね。　「売り」とはなんでしょうか？英語で言うと簡単ですね。「セールスポイント」です。この方がわかりやすいかな？　就職先や進学先、それから、何かに選ばれたいとき・・・そのときに「私はこんなことができます」「私の○○はその職場でこう役に立つと思います」「これだけは人には負けません」という部分です。　これをすぐに言える人って案外少ないのですよね。もしも就職のために考えたとしても、相手にアピールできる部分を知ってるかどうかで、それがセールスポイントになるかどうかも怪しいものになります。　ナースの場合、日頃からそのようなことを考えている人はそれほど多くなく、言える人って少ないのではないのかなあって思っています。特に、職場で毎日毎日怒られて、つらいことがたくさんあった人にとっては、「自分の売りなんて・・・」と思っている人がいるかもしれません。　でもね、よく考えるとあるんですよ。考え方次第、見方しだいでは、あなたが弱点だと思っていたことが、実は強みだったりするかもしれないのです。　「リフレーミング」という言葉があります。NLPという（神経言語プログラミング）の中でよく出てくる言葉らしいのですが、「認知の『枠組み』を変えるという意味」で使われています。スキーマ理論の一種なのかな？　私はそう捉えたのですが、間違っていたらすみません。　私はこういうことだと理解しています。　今目の前で起こっている現象は、人によって違うんだということ。　こういうと誤解を招くでしょうか？同じことに見えないなんて、それは頭がおかしいだけよ！なんて思う人がいるかもしれませんね。　では、言い方を変えると・・・　人によってそこに起こっていることはひとりひとり起こっている意味が違っている。　よくいいますよね。同じことが起きてもその人の考え方で、幸せに思う人もいれば不幸に感じる人もいる。人から見ると、とても幸せな状態なのに、なぜそんなに不幸に感じているのか、ほかの人にはわからない。　これは「認知」の違いによるものだといわれます。うつ病の治療のプログラムなどにも認知行動療法の中に取り入れられたりしています。人は一人ひとり、目の前に起こっている現象を「その人自身」を通してみます。その人自身とは、その人の知識であったり、経験であったり、文化であったり、はたまた、そのときの心の有り様だったり・・・です。　これは心理学では「スキーマ」と言ったり、「認知バイアス」と言ったりするそうです。　みなさんは心理学を学ぶのではないので、これらを覚える必要はないのですが、自分の心の枠組みをかえることで、今まで「欠点」「弱点」だと思っていたことが、実は、自分の「強み」だったりすることもある。あるひとつの場面では「欠点」であることが、ほかの場面で「強み」となるということを知っておくことが、自分を「売りこむ」ときに「セールスポイント」として相手に示すことができるということになるのかなと思います。　もちろん、弱いところも知っておく必要があります。できもしないのに、できるということはうそになりますからね。　では、自分を知り、そして、自分の強みをしっかり知るにはどうすればいいのでしょうか？ まず、自分の強みと弱みを全部出してみます。書き出すことが大切です。強みを思いつかなくてもいいのです。弱みばかりでもいいのです。「私は優柔不断である」「何をやっても満足感がない」「自分がない」「仕事が遅い」　今度はそれをじっと眺めてみてください。　そして、見方を変えます。どうやって？言い換えるのです。これが「リフレーミング」です。「私は優柔不断である」→「私はじっくり考えるタイプである」「何をやっても満足感がない」→「常に向上しようとしている」「自分がない」→「人の意見をよく聞くことができる」「仕事が遅い」→「仕事に対して慎重である」こうやって、自分のことを洗い出してみましょう。次回は、「キャリアアンカー」という考え方で、自分を見つける方法について書いてみます。

  2006年03月05日

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• 自己理解するには（その１）

  　キャリアに関する書きたいことが増えてきました。でも、サボってまだ書ききってません。これがいけないんですよね～。反省です。でも、そんな私も私は気に入ってます。（なんのことやら・・・）　さて、今日は、いろんな方のHPやblogにお邪魔しているうちに、新たに思いついたことを書いてみたいと思います。　あなたは自分の「強み」を本当に知っていますか？　同僚や部下、家族の「強み」を見つけようとしたことありますか？　私たちは、ともすれば、いいところには目が向きません。人の悪いところ、自分の悪いところに目が向きます。問題点といったほうがいいのかな？　どうしてでしょうね？そのほうが見つけやすいからなのでしょうか？でも考えてください。人には悪いところもあるけど、いいところも必ずあります。そのいいところを、問題点の解決方法にリンクさせることってできないでしょうか？　例えば、人に話しかけることが苦手な人がいます。たくさん喋ることができず、話が続かなかったりします。「患者さんにきちんと説明できないのよね」とか「コミュニケーションが苦手なのよね」なんていわれます。　でも、本当に下手なのでしょうか？　自分からは積極的には話しかけられないけど、話しかけられたときにはしっかり聴いて反応できていたら？話しかけた人が、話し終わったときににっこりしていたら？　この人はコミュニケーションが下手なのでしょうか？そうではありませんよね。よっぽど、自分勝手に話しかけ、自分勝手に解釈してアドバイスする人のほうがコミュニケーションは下手なのではないでしょうか？だとすると、下手だと思っている人も、うまく自分の強みを使って上手になれる方法を考えるとよいということになります。　一方向の側面からだけで、人から評価されたり、自分自身を評価するだけで、自信をなくしたり、チャンスを奪ってしまったりしてないでしょうか？　実は、私はこのことに気づかされたのは、精神看護学に携わり、隣地実習に学生を連れて行き、実際の患者様たちに接しながら看護を展開し始めてからのことでした。「強み」に目を向けたときの患者様たちの変化、素晴らしい潜在能力には驚かされてばかりなのです。これは、精神科に限ったことではありませんよね。　人は、自分の強みに気づいたとき、自信ができ、意欲が増してきます。　適材適所といいますが、果たして、自分が思っていること、人が見たこと、もしくは適性検査だけで、本当に合っているのかどうかというのはわからないものです。それらは目安にはなりますが、目安でしかないような気もします。決めつけてはいけないと思うのです。何か「強み」を利用したとき、今まで見えなかったその人の能力が引き出されることもあるのです。　自分や周りの人の「強み」を見つけてみましょう！

  2006年03月01日

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