テーマ:ゲーム開発者日記(457)
カテゴリ:次世代機全般
ソニー社がソフトウェア開発力の向上について
本格的に取り組んでいく事を表明致しました。 以前にも触れていた通りに、 ソニー社におけるハードウェアとソフトウェアの開発力は歪なバランスとなっておりました。 その点についての改善がなされるのであれば、ソニー関係者のみならず、 開発関係各社、更に消費者にとっても有益な改善となるであろうと思います。 然し、このソニー社の後手の発表に一抹の不安を感じるところです。 この弱点についてはソニー自身も認知していたと思っておりますが、 それに対しての施策が今という事では正直に対応が遅すぎると感じてしまいます。 しかも、本年度の末にはPS3の発売を目論んでおります。 ここが、とても重要な点となります。 PS3の真の狙いは、家庭ゲーム市場に収まらずに、 家電製品全体における中心的役割をPSに担わせ、 各家庭における全ての家電や端末の支配に狙いがあると思われます。 その観点から言えば、ソフトウェア開発強化のこの時点での表明は残念と言わざるをえません。 強力なハードウェアを生かすためには、強力なソフトウェアが必要です。 今回のPSのように家電の中心に位置する事を目的として強力なハードウェアには、 それの基盤となる強力なソフトウェア、OSが必要です。 ところが、ソフト強化の施策の遅れによって、本来は最強のソフトウェアが積まれるべきである、 この家庭の中心を狙うハードウェアには、 相応しくないソフトウェアが搭載されていると言えます。 今後、ネットという形で強化されたソフトウェアが供給される可能性も十二分にあります。 然し、その施策の遅れは明白であり、それがソフトウェア開発者としての 私の立場からすれば、とても悲しく思います。 ソフトウェア無くしてハードウェア無し。 ハードウェア無くしてソフトウェア無し。 その精神をソニー社が強めていく事が出来るかどうかが、 今後のソニーにおける世界的支配の野望の成否を 分けていく要因になっていくのではないかと感じます。 最後に、今回の件については明るい兆しもあります。 ソニー社の社長が少し前に変わった事は大きなニュースとなりましたが、 その社長が変わってから短い間に、このようなソフトウェア強化の施策が打ち出されたという事は、 今後のソニー社がただのハード屋から、 ソフト、ハード両面において強固な存在になる可能性が出てきたとも考えられます。 新しい社長による、新しい施策に期待したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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