逃走中オリジナルストーリー、10巻。

最初に言っておく、逃走中小説史上最高だった。
ゆえに10巻単独で1記事使って書こう。

ネタバレを後に回すために、まず前回までの書評へのリンクを置く。

【逃走中小説・書評】
・2023/10/22（1巻）
・2023/11/23（2～5巻）
・2024/3/24（6～9巻）


本題に入る前に、この逃走中小説を読む順番について考えてみる。
現在10巻まで刊行されているが、基本的に1冊完結なので必ずしも順番通りに読む必要はない。

だが、それでも1巻は最初に読みたい。
他には、今回扱う10巻は先に3巻を読むことを強く推奨する。
あとは、4・5・6巻は順番に読むといい。ここは続き物の要素がある。


前置きで書きたい話はこれくらいだ。そろそろ本題に入ろう。
ここからはネタバレあり。


|・ｗ)っ[10巻（フジテレビ）]

3巻に参戦したアイドルタレント、ひよりが再登場する。
これだけで読む前から楽しみ要素MAXだった。

大人しいが強気、危険と隣り合わせの高難度ミッションにも参加する。
20体ハンターとの勝負にすら「私がやらなきゃ誰がやる」と挑む。
逃走者としても間違いなく人気の出るタイプだと3巻の時に書いたが、今回はその時をさらに上回る。
凛とはまた異なる方向で、優秀なヒロインだ。
それだけでなく、ミッションに隠された攻略法を探し当てる活躍もあった。玲に似てきたか？


メインで絡みがあるのはもちろん玲だ。
3巻でもミッションデートが実現したが、今回はこのまま付き合いそうなくらいに進展する。
どちらも大人しい寄りで誠実な、割と似た者同士だろう。
かなり好きな傾向のCPと言えるかもしれない。

そんな様子を知って面白がる凛はもちろんのこと、今回は陽人もひよりと話す機会は多い。
3巻では終盤でちょっと関わる程度だった。

そして、ここで初めて「ゲーム内で会ってリアルで友達になる」が実現する。
今までに無かっただけに、新鮮なエピローグだった。


主役組で唯一、玲はここまで逃走成功が一度も無かったが
10戦目にして、最高の勝利を手に入れた。
逃走成功した直後の様子は描かれなかったが、それは読者の想像に任せるということか。

欲を言えば、終盤に挿絵がもう1枚欲しかった。


もう1人のメインゲストは、ひよりの同僚の壮吾。当然のごとく玲のライバルになる。
極度の方向音痴で決まらないところもあるが、活躍の場は多い。

他のゲスト達もそれぞれに出番があった。
前半の挿絵は彼らに多めに配分されている。

まあ、ピエロはピエロだったけど・ｗ・ｐ
逃走率はさらに下がって3.96%（推定）。実際のゲームの歴代最下位よりも、さらに差をつけて低い。


これまでの巻と同じく、小ネタもいくつかある。
実際のゲームを見てないと気づけない物もありそうだ。

今回特筆すべきは……地下駐車場に、昔ある番組で使われていたというピンクのバンが停められていた。
まさかと思うけど、それって地球2周無期限の旅をしたあの番組か……？


|・ｗ)っ[ここまでの通算成績]

陽人……585:45/10回（逃走率：97.63%）

9巻時点での98.38%からさらに低下。この水準を維持すること自体が尋常ではないが。

玲………582:48/10回（逃走率：97.13%）

8巻の時点で陽人と1.96%の差があったが、この2回でかなり追いついた。
だが、実はひよりに負けている（97.36%）。まだ2回しか参戦してないので記録にはならないが。

凛………480:20/10回（逃走率：80.06%）

少し下がったが8割はキープ。このラインは維持したい。


改めて、これまでで最も面白い10巻だった。

この日記を上げる頃、11巻の発売も目前となる。
いつも通りだとKindle版は3～4週間遅れだろうが、配信され次第購入しよう。