テーマ:読後感は!(4)
カテゴリ:読書
「傭兵の生活」を読みました。著者の高部氏が傭兵として活躍している前線からの報告、現在の自衛隊に対する評価と批判的提言、傭兵の「死」に対する考え方などが述べられています。
私は「傭兵は戦地へ赴き当事国に自分を高く売り込んで、高報酬のところで働く」と思っていました。これも間違いではないんですが、本を読んでから「無報酬」でも闘うこともあることを知り意外に思いました。報酬は戦争の状況によって変化するのですが、私が思っていたよりはかなり低い報酬です。 報酬以外の目的で前線で戦う意味、これについては本を読んで感じとっていただくしかないかなと思います。高部氏は僅かな武器で局地戦を闘っていますが、現在の各国の軍事力をもって総力戦を展開した場合の惨劇を知ることも、戦争を考える上での大切な要素だと思います。 傭兵の「死」に対する考え方というのは一般の方と大差ないかなと思えますが、死と言うのは誰もが経験したことの無い概念的なものだからでしょう。戦争における死や人間性そして人権を考える或いは戦争とは何かを考えるには、過去の戦争における本・手記なども参考になるでしょう。 「傭兵の生活」では自衛隊のあり方など共感できない部分も多々ありましたが、平和を考える上での素材として読む価値はあると思います。戦場に直接身を置く日本人もいますが、医師或いは看護師として・農業などの技術指導のため・戦場の情報を伝えるカメラマンや取材記者・子供たちの学習指導のため・外交官・商社マン・ボランティア活動などなど多くの分野で諸外国と関わっている人もたくさんいます。こうした人たちの生き方も学びとり、追体験して一方向では無く多方向からの視点で平和を考えるのも必要な事だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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