カテゴリ:健康
医師と患者のコミューニケーションが大切ですが「当り前でしょう!」と言われそうです。でも医療現場においてはなかなか実践されていないようです。
医師は患者に対して問診・視診・触診・聴診などを行い異常があるかどうかを判断します。異常があれば病気を推察して検査を行い病名を判断します。しかし医師も限られた時間の中で多くの患者を診なければなりませんからそれらが疎かになる場合もあるように感じられます。待ち時間が長くて診察はアッという間に終わったという経験をされた方も多いことでしょう。
私自身も経験のあることですが、問診もそこそこにCTやMRIなどの画像検査を行う医師もいます。画像が出来上がるとその画像を見たりパソコンに向かって作業に集中していてこちらをあまり見ていません。画像に異常が無ければ「問題は見つかりませんでした」ということで終了。もっと病状などについて詳しく聞いて欲しかったのですがそれも叶わないまま終わってしまうということも少なくありません。そのことによって病気が見逃されたという経験が2回あります。
診察の前に調査票を渡されて記入するというシステムの病院も多いのですが、簡単な形式のものから事細かに記載するようなものまで様々です。できるだけ多くの情報を提供できるよう記載しますが形式が簡単過ぎてそれができないこともあります。
高血圧で来院した患者さんと医師との対話。 医師「いつから血圧が高くなりましたか」 患者「普段から血圧を計るということをしていませんので良く分かりません」 医師「健康診断で血圧が高いと指摘されたことはありませんか」 患者「長年に渡って健康診断を受けていないので指摘されたことはありません」「今回たまたま計ってみたら基準値よりかなり高かったので・・・」 これでは医師も高血圧が急なものであるか常態的なものであるか把握できません。日常からの健康管理が大切でその情報を医師に的確に伝えることも医師の判断にとって重要です。
頭痛で来院した患者さんと医師との対話。 患者「脳に異常があるかどうか検査して下さい」 医師「その前にお話を伺いたいのですが」 患者「今日は先生と話をするために来たのではありません」「脳の検査を受けに来たのです」医師「その検査が必要かどうか判断をするためにお話を伺いたいのですが」 患者「前の病院で脳に異常が無いと診断されましたが納得できません」「ぜひ脳の検査をして下さい」 頭痛の原因が脳以外にある可能性もありますがこれでは埒があきません。でもこうした患者さんも少なくないとのことです。
極端な2例を紹介しましたがこの他にも同類の事例がたくさんあって驚かされます。極端な例では無くともいつからどのような症状が出たのか的確に答えられないという患者さんも多いそうです。診察を受ける前に整理して的確に答えられるようにすることも大切です。病院で検査を受ければ病気が必ず判明すると思い込んで事前の準備を重視しないということが背景にあるようです。
医師と患者のコミューニケーションがなかなか上手くいかないという原因は医師側にあることもあれば患者側にあることもあります。特別な場合を除いてはあまり病院を変えずに普段から医師とのコミューニケーションを重視することも一つの手段だと思います。血圧・体温・体調の変化を記録しておくと医師にとっては重要な情報となります。寿命は延びたけれども健康寿命が短いという現状がありますから健康管理には配意しましょう。
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