カテゴリ:健康
聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明氏が今月18日呼吸不全のために逝去されました。延命措置を望まず自宅療養を希望され、次男夫婦に見守られながら静かに息を引き取ったそうです。105歳でした。ご冥福をお祈り申し上げます。
「生きかた上手」はベストセラーに エッセー集の「生きかた上手」はベストセラーになりましたし、他にもたくさんの著作がありますから読まれた方も多いかと思います。日本で最初に人間ドッグを開設、早くから予防医学の重要性を説いていた人物です。 日野原氏は90歳を過ぎてもなお現役で活躍していましたが、とても多忙で不規則な生活を余儀なくされたようです。100歳を過ぎても数年先のスケジュールまでいっぱいという状況だったそうです。96歳になってから週に一度はあった徹夜を止め睡眠時間を5時間に増やしたというが健康に対する考え方はとてもアバウトです。健康に対するこのアバウトな考え方については著作を読まないと理解しがたい面があるかと思います。
日野原氏が自らの健康のために毎日欠かさなかった事があります。その一つが毎日の決められたカロリーを守ること。食欲はあるけれども腹七分を心がけ摂取カロリーは1300キロカロリーと決めているそうです。摂ったエネルギーを無駄なく使い切るために考えて計算した自分自身の目標値だそうです。
もう一つは運動です。病院・駅・空港などではエレベーターやエスカレーターは一切使わず階段を上るそうです。地下の駐車場から病院の理事長室までは143段の階段がありますが「頑張れ!頑張れ!」と自分に声をかけながら上るそうです。 朝食前には15分の体操をすることも日課となっていたそうです。首の運動については夜にも欠かさず続けるそうで「首の関節の柔軟さは若さを表す」そうです。
日野原氏は若い頃に大病を患い1年間の闘病生活を続けました。そのことが患者目線でものを考えることができるようになった勉強の期間だったといいます。そのために徹底して患者に寄り添うという信念をもっていて医療関係者への指導もそこが重点になったようです。患者のなすべきことにも言及していて「自分の体を守るのは自分自身である」というのが根底にあるようです。
病気になる前に予防できることはきちんとすると言えば当たり前のようですが実践となると難しい面もあるようです。あなたは悪しき習慣と思ったら直ぐに正すことはできますか。「これ以上食べると食べすぎ」と思いつつも美味しい物がたくさんあるからつい手が出る。タバコは健康に良くないから止めたいがなかなか・・・。そのような事例はたくさんありますよね。 日野原氏によれば自分が悪しき習慣と思ったことを、明日から止めようでは無く今直ちに止めることができれば病気の大部分は予防できると言います。
日野原氏は医師と患者が十分に対話できればそれだけで病気の6割は診断できるといいます。そのためには医師は聞き上手になること、患者は話し上手になることが大切だとしています。「いつからこんな具合か」と問われて「ずいぶん前からです」では無く「過去3カ月ごとに3回ありました」「10年前にも一度ありました」と具体的に答えることが大切。的確に答えるには事前に整理して準備をしておくことが欠かせません。 症状をメモにしておくことは大切で、これを習慣にするとその表現力も磨かれてより的確に医師に情報を提供できるようになるそうです。痛みがあったと言ってもどのような痛みなのか表現するのは慣れないと意外と難しいものです。 日野原氏によれば「体重計」「体温計」「血圧計」は家庭における健康を守るための三種の神器だと言います。毎日計測することによって体の様々な変化を捉え、いつからどのような変化があったのかを医師に的確な情報を提供することができます。 「あなたの心とからだを守るのは、医師ではなく、あなた自身です」(続生きかた上手より・日野原重明)
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