テーマ:突然死について(3)
カテゴリ:健康
脈拍数と突然死 アドレナリン濃度と病気の関係
岩手県花巻市大迫町(おおはさままち)では約1900人を対象に33年間毎日継続して血圧を測定しその結果についての研究が行われてきました。その内容については「NHKガッテン!」でも紹介されましたのでご存知の方もいるかと思います。 血圧の国際的基準値である上が135以下、下が85以下という数値は大迫町での研究結果に基づいて決定されたものなんです。 この研究結果では当然のごとく血圧が正常値の人のグループに比較して血圧の高い人のグループで脳卒中や心筋梗塞で突然死する人が多いことが分かっています。ただ血圧が正常値の人のグループでもこうした突然死の人がいます。 血圧が正常値なのに突然死する人は安静時の脈拍数が多いことがこの研究から判明しました。安静時の脈拍数の多い人の血液を調べてみるとアドレナリンの数値が高いことも分かっています。アドレナリンは人間の体にとって必要な物質なのですが、それを必要とする時以外にもその濃度が高い状態が続くと様々な問題が生じます。 アドレナリンの濃度が常に高い状態が続くと血管が傷つけられて動脈硬化が生じます。また心臓に炎症を起こすことがありそれが突然死のリスクを高めます。癌や感染症を引き起こすなど様々な病気の原因ともなるそうです。 私の安静時の脈拍数は57〜60ぐらいです。人の脈拍数はそれぞれですが61から64を基準とした場合、その基準より脈拍数が5高くなるに従って突然死のリスクが17%高まります。74を超えると突然死のリスクは2.61倍高くなります。45以下など低すぎる場合は病気の可能性が高いので医師と相談する必要があります。 一般の血圧計では血圧と同時に脈拍数が表示されます。それを気にかけたことがあるでしょうか。継続して安静時の脈拍を測り自分の突然死や病気になるリスクを調べてみて下さい。脈拍数は健康状態のバロメーターとも言われていますから血圧と同様に継続して測ることが大切です。 安静時の脈拍を測るのは起床後1時間以内とします。起床してから脈拍を測るまでは食事は禁物です。トイレを済ませてから測りますがトイレを我慢しているとアドレナリンの濃度が高くなります。座って姿勢を正しリラックスをした状態で数分間待ってから測りますが腕は心臓の高さとします。 安静時の脈拍数が多い原因としてはタバコ・酒・ストレス・疲労・運動不足・睡眠不足が考えられるとのことです。脈拍数が多くこれらの原因に心当たりのある人は改善に努めましょう。 大迫町での研究は世界的に注目されていますが、スゥエーデンでは脈拍数を改善する方法が研究され多くの成果があがっています。心臓病の人が大幅に改善したという報告例も多いそうです。 その方法とは仰向けになって寝て深呼吸をするだけの簡単な方法で就寝前に行うのが効果的とされています。 仰向けになってゆったりとし鼻からゆっくりたっぷりと空気を吸い、体全体に空気が満たされていく感じをイメージします。そのまま数秒息を止めたら今度はゆっくりと口から息をはき出します。口をすぼめて時間をかけて息をはくのがコツです。これを10分ほど繰り返すと徐々にアドレナリンの濃度が下がり脈拍数も少なくなります。 温度が38~41度の少しぬるめの風呂に全身浴で10分間入るのも効果があるとのことです。ただこの入浴法には注意すべき点も多々あります。全身浴は体にかかる負担も大きいので体力のない人や病気の人には向きません。健康な人であっても負担が大きいと感じたら中断しましょう。 熱めのお湯に全身で浸かるとストレスとなり心拍数も上がり逆効果です。脱衣所と浴室の温度差が大きい場合も危険で要注意です。高齢者の場合は熱さや温度変化を感じにくいので特に配慮する必要があります。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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